古今和歌集 巻第七 賀歌 348番
千早ぶる
神が切った木で作ったのだろうか。この杖をつくとすぐに、千年の坂も越えられそうだ。

現代語訳
〔詞書〕仁和の帝がまだ親王でいらっしゃった時、御叔母上の八十の賀に、銀で杖を作ったのを見て、その御叔母上に代わって詠んだ歌。
神が切った木で作ったのだろうか。この杖をつくとすぐに、千年の坂も越えられそうだ。
意訳
銀の杖を神の授けたものと見て、これをつけば千年の坂も越えられる、と長寿を祝う。
語釈・文法注
- 御をば
- 叔母。光孝天皇の叔母。
- つくからに
- つくとすぐに。
- 千年の坂
- 千年という長い年月を坂にたとえた。
和歌
- 作者
- 僧正遍昭(そうじょうへんじょう) 816–890
桓武天皇の孫で、俗名は良岑宗貞(よしみねのむねさだ)。仁明天皇に仕えて蔵人頭となったが、天皇の崩御を機に出家し、のちに僧正となって元慶寺・花山寺を開いた。素性法師の父。六歌仙・三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第七・賀歌・348番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「仁和の帝のみこにおはしましける時に御をばの八十の賀にしろがねを杖につくれりけるを見てかの御をばにかはりてよめる」(仁和の帝がまだ親王でいらっしゃった時、御叔母上の八十の賀に、銀で杖を作ったのを見て、その御叔母上に代わって詠んだ歌)。
解説
僧正遍昭の代作。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、62〜63頁(コマ44)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日