古今和歌集 巻第五 秋歌下 312番
ゆふづくよ
夕月夜の小暗い小倉山で鳴く鹿の声のうちに、秋は暮れていくのだろうか。

現代語訳
〔詞書〕九月の末日に、大井で詠んだ歌。
夕月夜の小暗い小倉山で鳴く鹿の声のうちに、秋は暮れていくのだろうか。
意訳
秋の最後の日の夕暮れ、小倉山に鹿の声が響く。その声とともに秋が暮れていくのだろう。
語釈・文法注
- ゆふづくよ
- 夕月夜。「をぐら」にかかる。
- をぐらの山
- 京都嵯峨の小倉山。「小暗し」をかける。
- くるらむ
- 暮れるのだろうか。
和歌
- 作者
- 紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・312番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「なが月のつごもりの日大井にてよめる」(九月の末日に、大井で詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「をぐら」に「小暗」と「小倉」。
解説
紀貫之の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、55頁(コマ41)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日