古今和歌集 巻第五 秋歌下 310番
みやまより
奥山から落ちてくる水の色を見てはじめて、秋はもう終わりだと思い知ったことだ。

現代語訳
〔詞書〕寛平の御時、「古い歌を奉れ」とご命令があったので、「竜田川もみぢ葉流る」という歌を書いて、それと同じ心を詠んだ歌。
奥山から落ちてくる水の色を見てはじめて、秋はもう終わりだと思い知ったことだ。
意訳
奥山から流れてくる水が紅葉で赤く染まっているのを見て、山の秋も終わりに近いと知る。
語釈・文法注
- 思ひしりぬる
- 思い知った。「ぞ」の結び。
和歌
- 作者
- 藤原興風(ふじわらのおきかぜ) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀前半)
藤原浜成の曽孫で、相模掾・治部少丞などを務めた。管絃にも長じた。寛平期の歌合で活躍した。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・310番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「寛平の御時ふるき歌奉れとおほせられければ龍田川もみぢ葉流るといふ歌を書きてその同じ心をよめりける」(寛平の御時、「古い歌を奉れ」とご命令があったので、「竜田川もみぢ葉流る」という歌を書いて、それと同じ心を詠んだ歌)。
解説
藤原興風の歌。284番の古歌と同じ趣向で詠んだという。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、55頁(コマ41)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日