古典ライブラリー

古今和歌集 巻第五 秋歌下 305番

立ちとまり

凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)

立ち止まって、見てから渡ろう。もみじ葉は雨のように降っても、川の水が増すことはないだろうから。

「立ちとまり」の歌をもとにした情景。立ち止まって、見てから渡ろう。もみじ葉は雨のように降っても、川の水が増すことはないだろうから。
「立ちとまり」の歌をもとにした情景。立ち止まって、見てから渡ろう。もみじ葉は雨のように降っても、川の水が増すことはないだろうから。
作者
躬恒(凡河内躬恒)
  1. 1亭子院ていじのゐん亭子院ていじのゐんていじのいんののの御屏風おほんびやうぶ御屏風おほんびやうぶおおんびょうぶののの繪ゑ繪ゑえににに川かは川かはかわ渡わた渡わたわたらむとするらむとするらむとする人ひと人ひとひとののの紅葉もみぢ紅葉もみぢもみじのちるのちるのちる木こ木ここのもとにのもとにのもとに馬うま馬うまうまをををひかへてひかへてひかえて立た立たたてるてるてるをををよませよませよませ給たま給たまたまひければつかうまつりけるひければつかうまつりけるいければつこうまつりける詞書
  2. 2立た立たたちとまりちとまりちとまり初句
  3. 3見み見みみてててをををわたらむわたらむわたらむ二句
  4. 4紅葉もみぢば紅葉もみぢばもみじばははは三句
  5. 5雨あめ雨あめあめととと降ふ降ふふるともるともるとも四句
  6. 6水みづ水みづみずはははまさらじまさらじまさらじ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕亭子院の御屏風の絵に、川を渡ろうとする人が、紅葉の散る木の下で馬をとめて立っているのを、詠ませなさったので詠み申し上げた歌。

立ち止まって、見てから渡ろう。もみじ葉は雨のように降っても、川の水が増すことはないだろうから。

意訳

屏風絵の旅人の心になって、紅葉の雨なら川の水は増えないから、ゆっくり眺めてから渡ろう、と詠む。

語釈・文法注

見てを
見てから。
まさらじ
増さないだろう。

和歌

作者
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第五・秋歌下・305番
歌体
短歌
状況
詞書「亭子院の御屏風の繪に川渡らむとする人の紅葉のちる木のもとに馬をひかへて立てるをよませ給ひければつかうまつりける」(亭子院の御屏風の絵に、川を渡ろうとする人が、紅葉の散る木の下で馬をとめて立っているのを、詠ませなさったので詠み申し上げた歌)。

修辞

見立て
散る紅葉を雨に見立てる。

解説

躬恒の屏風歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、54頁(コマ40)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日