古今和歌集 巻第五 秋歌下 303番
山川に
山川に、風がかけた柵とは、流れきれずにとどまっているもみじであったよ。

現代語訳
〔詞書〕志賀の山越えで詠んだ歌。
山川に、風がかけた柵とは、流れきれずにとどまっているもみじであったよ。
意訳
山の小川に吹き寄せられてせき止められた紅葉を、風が作った柵(しがらみ)に見立てた。
語釈・文法注
- しがらみ
- 川の流れをせき止めるため、杭を打って木の枝や竹をからませたもの。
- 流れもあへぬ
- 流れきれない。
和歌
- 作者
- 春道列樹(はるみちのつらき) ?–920
雅楽頭春道新名の子。文章生から大宰大典となり、延喜二十年(920)に壱岐守に任じられたが、赴任の前に亡くなった。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・303番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「志賀の山越にてよめる」(志賀の山越えで詠んだ歌)。
修辞
- 見立て
- 吹きだまりの紅葉をしがらみに見立てる。
- 擬人法
- 風が柵をかける。
解説
春道列樹の歌で、百人一首第三十二首にも採られた。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、54頁(コマ40)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日