古今和歌集 巻第五 秋歌下 297番
見るひとも
見る人もなく散ってしまう奥山の紅葉は、夜の錦であったことだ。

現代語訳
〔詞書〕北山に紅葉を折りに行った時に詠んだ歌。
見る人もなく散ってしまう奥山の紅葉は、夜の錦であったことだ。
意訳
人に見られずに散る奥山の紅葉を、「夜の錦(錦を着て夜歩く、むだなこと)」の故事にたとえた。
語釈・文法注
- 夜の錦
- 『史記』の「富貴にして故郷に帰らざるは、錦を衣て夜行くが如し」による。人に知られないむだなことのたとえ。
和歌
- 作者
- 紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・297番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「北山に紅葉折らむとてまかれりける時によめる」(北山に紅葉を折りに行った時に詠んだ歌)。
解説
紀貫之の歌。漢籍の故事を和歌に生かした。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、52頁(コマ39)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日