古今和歌集 巻第五 秋歌下 293番
もみぢ葉の
もみじ葉が流れて行きとまる河口には、紅の深い波が立っているのだろう。

現代語訳
〔詞書〕二条の后がまだ春宮の御息所と申し上げた時、御屏風に竜田川に紅葉が流れている様子を描いてあったのを題にして詠んだ歌。
もみじ葉が流れて行きとまる河口には、紅の深い波が立っているのだろう。
意訳
屏風絵の竜田川を見て、紅葉が流れ着く河口では、川が紅の波を立てているだろうと想像する。
語釈・文法注
- みなと
- 河口。
- 紅ふかき
- 紅の色の深い。
和歌
- 作者
- 素性法師(そせいほうし) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀初め)
僧正遍昭の子。俗名は良岑玄利(よしみねのはるとし)といい、父の命で出家した。雲林院や大和の石上の良因院に住み、宇多天皇・醍醐天皇の歌会や屏風歌に召された。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・293番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「二條の后の春宮の御息所と申しける時に御屏風に龍田川に紅葉流れたるかたをかけりけるを題にてよめる」(二条の后がまだ春宮の御息所と申し上げた時、御屏風に竜田川に紅葉が流れている様子を描いてあったのを題にして詠んだ歌)。
解説
素性法師の歌。屏風歌で、次の業平の歌とともに同じ屏風を詠む。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、52頁(コマ39)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日