古典ライブラリー

古今和歌集 巻第五 秋歌下 294番

ちはやぶる

在原業平(ありわらのなりひら)

不思議なことの多かった神代にも聞いたことがない。竜田川が、真っ赤な紅の色に水をくくり染めにするとは。

「ちはやぶる」の歌をもとにした情景。不思議なことの多かった神代にも聞いたことがない。竜田川が、真っ赤な紅の色に水をくくり染めにするとは。
「ちはやぶる」の歌をもとにした情景。不思議なことの多かった神代にも聞いたことがない。竜田川が、真っ赤な紅の色に水をくくり染めにするとは。
詞書
「二條の后の春宮の御息所と申しける時に御屏風に龍田川に紅葉流れたるかたをかけりけるを題にてよめる」(前の歌と同じ詞書)
作者
業平朝臣(在原業平)
  1. 1ちはやぶるちはやぶるちわやぶる初句
  2. 2神代かみよ神代かみよかみよもきかずもきかずもきかず二句
  3. 3龍田川たつたがは龍田川たつたがはたつたがわ三句
  4. 4からくれなゐにからくれなゐにからくれないに四句
  5. 5水みづ水みづみずくくるとくくるとくくるとははは結句

引用の仕方

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現代語訳

不思議なことの多かった神代にも聞いたことがない。竜田川が、真っ赤な紅の色に水をくくり染めにするとは。

意訳

紅葉が川面を覆って流れるさまを、唐紅で水を絞り染めにしたと見立てた。神代にもない不思議な美しさだと詠む。

語釈・文法注

ちはやぶる
「神」にかかる枕詞。
からくれなゐ
鮮やかな紅色。
くくる
くくり染め(絞り染め)にする。

和歌

作者
在原業平(ありわらのなりひら) 825–880
平城天皇の皇子阿保親王の子。右近衛権中将などを務め、「在五中将」と呼ばれた。仮名序は「その心餘りて詞たらず」と評する。『伊勢物語』の主人公「昔男」のモデルとされる。六歌仙・三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第五・秋歌下・294番
歌体
短歌
状況
詞書「二條の后の春宮の御息所と申しける時に御屏風に龍田川に紅葉流れたるかたをかけりけるを題にてよめる」(二条の后がまだ春宮の御息所と申し上げた時、御屏風に竜田川に紅葉が流れている様子を描いてあったのを題にして詠んだ歌)。

修辞

枕詞
「ちはやぶる」。
倒置
「神代もきかず」を先に出す。
見立て
紅葉の流れる川を絞り染めに見立てる。

解説

在原業平の代表歌で、百人一首第十七首にも採られた。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、52頁(コマ39)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日