古今和歌集 巻第五 秋歌下 275番
ひともとと
一本だけだと思っていた菊の花を、大沢の池の底にも、誰が植えたのだろう。

現代語訳
〔詞書〕大沢の池の形に菊を植えたのを詠んだ歌。
一本だけだと思っていた菊の花を、大沢の池の底にも、誰が植えたのだろう。
意訳
池の水面に映った菊の影を、池の底にも誰かが植えたのかと見る。
語釈・文法注
- 大沢の池
- 嵯峨の大覚寺にある池。
- ひともと
- 一本。
和歌
- 作者
- 紀友則(きのとものり) ?–905?
『古今和歌集』の撰者の一人で、紀貫之の従兄。大内記などを務めたが、集の完成を待たずに亡くなり、巻第十六に貫之・壬生忠岑の哀悼の歌がある。のびやかで格調のある歌風で知られる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・275番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「おほ澤の池のかたに菊植ゑたるをよめる」(大沢の池の形に菊を植えたのを詠んだ歌)。
修辞
- 見立て
- 水に映る影を池の底の花に見立てる。
解説
紀友則の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、49頁(コマ38)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日