古今和歌集 巻第五 秋歌下 273番
ぬれてほす
山道の菊の露に濡れて干す、そのわずかな間に、いつの間にか私は千年を過ごしてしまったのだろうか。

現代語訳
〔詞書〕仙宮に菊を分けて人が到った様子を詠んだ歌。
山道の菊の露に濡れて干す、そのわずかな間に、いつの間にか私は千年を過ごしてしまったのだろうか。
意訳
仙境の菊の露に濡れた衣を干すほどの短い間に、千年もたってしまったのでは、と仙人の世界の時の流れを詠む。
語釈・文法注
- 仙宮
- 仙人の住む宮殿。
- 露のま
- わずかな間。
- 経にけむ
- 過ごしてしまったのだろうか。
和歌
- 作者
- 素性法師(そせいほうし) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀初め)
僧正遍昭の子。俗名は良岑玄利(よしみねのはるとし)といい、父の命で出家した。雲林院や大和の石上の良因院に住み、宇多天皇・醍醐天皇の歌会や屏風歌に召された。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・273番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「仙宮に菊をわけて人のいたれるかたをよめる」(仙宮に菊を分けて人が到った様子を詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「つゆ」に「露」と「わずか」。
解説
素性法師の歌。菊合の洲浜の作り物を詠んだもの。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、48頁(コマ37)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日