古今和歌集 巻第五 秋歌下 272番
秋風の
秋風が吹き上げる吹上の浜に立っている白菊は、花なのか、そうではないのか、それとも波が寄せているのか。

現代語訳
〔詞書〕同じ御時に催された菊合に、洲浜を作って菊の花を植えたものに添えた歌。吹上の浜に菊を植えてあるのを詠んだ歌。
秋風が吹き上げる吹上の浜に立っている白菊は、花なのか、そうではないのか、それとも波が寄せているのか。
意訳
洲浜の飾りの白菊を、白波と見分けがつかない、と詠む。
語釈・文法注
- 洲浜
- 海辺の形を模した台。
- 吹上
- 紀伊国の吹上の浜。「吹き上げ」をかける。
和歌
- 作者
- 菅原道真(すがわらのみちざね) 845–903
学者・漢詩人・政治家。宇多天皇に重用されて右大臣に至ったが、藤原時平の讒言により大宰権帥に左遷され、大宰府で没した。のちに天満天神として祀られた。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・272番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「同じ御時せられける菊合に洲濱をつくりて菊の花植ゑたりけるにくはへたりける歌吹上の濱に菊植ゑたりけるをよめる」(同じ御時に催された菊合に、洲浜を作って菊の花を植えたものに添えた歌。吹上の浜に菊を植えてあるのを詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「ふきあげ」に「吹き上げ」と「吹上の浜」。
- 見立て
- 白菊を白波に見立てる。
解説
菅原道真の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、48頁(コマ37)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日