古典ライブラリー

古今和歌集 巻第五 秋歌下 269番

久かたの

藤原敏行(ふじわらのとしゆき)

雲の上(宮中)で見る菊は、空の星かと見まちがえられたことだ。

「久かたの」の歌をもとにした情景。雲の上(宮中)で見る菊は、空の星かと見まちがえられたことだ。
「久かたの」の歌をもとにした情景。雲の上(宮中)で見る菊は、空の星かと見まちがえられたことだ。
作者
敏行朝臣(藤原敏行)
  1. 1寛平くわんぴやう寛平くわんぴやうかんぴょうののの御時おほんとき御時おほんときおおんとき菊きく菊きくきくののの花はな花はなはなをををよませたまうけるよませたまうけるよませたもうける詞書
  2. 2久ひさ久ひさひさかたのかたのかたの初句
  3. 3雲くも雲くもくものののうへにてうへにてうえにて二句
  4. 4見み見みみるるる菊きく菊きくきくははは三句
  5. 5あまつあまつあまつ星ほし星ほしほしとぞとぞとぞ四句
  6. 6あやまたれけるあやまたれけるあやまたれける結句
  7. 7このこのこの歌うた歌うたうたはははまだまだまだ殿上てんじやう殿上てんじやうてんじょうゆるされざりけるときにゆるされざりけるときにゆるされざりけるときに召め召めめしあげられてつかうまつるとなむしあげられてつかうまつるとなむしあげられてつこうまつるとなむ左注

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕寛平の御時、菊の花を詠ませなさった時の歌。

雲の上(宮中)で見る菊は、空の星かと見まちがえられたことだ。

〔左注〕この歌は、(敏行が)まだ昇殿を許されていなかった時に、召し上げられて詠み申し上げたものだという。

意訳

宮中の菊を、雲の上に輝く星に見立てた。宮中を「雲の上」と言い、その場にいる喜びも込める。

語釈・文法注

ひさかたの
「雲」にかかる枕詞。
雲のうへ
宮中。
あまつ星
空の星。

和歌

作者
藤原敏行(ふじわらのとしゆき) ?–901?
藤原富士麻呂の子。蔵人頭・右兵衛督などを務めた。能書家としても名高く、神護寺の鐘の銘を書いたと伝える。妻は紀有常の娘で、業平とは相婿にあたる。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第五・秋歌下・269番
歌体
短歌
状況
詞書「寛平の御時菊の花をよませたまうける」(寛平の御時、菊の花を詠ませなさった時の歌)。

修辞

見立て
菊を星に見立てる。
掛詞
「雲のうへ」に「空」と「宮中」。

解説

左注によれば、敏行がまだ昇殿を許されていない時に召し出されて詠んだ歌である。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、47頁(コマ37)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日