古今和歌集 巻第五 秋歌下 258番
あきの夜の
秋の夜の露は露として置いているのだが、さらに雁の涙が、野辺を染めているのだろうか。

現代語訳
秋の夜の露は露として置いているのだが、さらに雁の涙が、野辺を染めているのだろうか。
意訳
野辺が色づくのは、露だけでなく、雁が流す紅の涙のせいだろう、と想像する。
語釈・文法注
- 露をば露と
- 露は露として。
- 雁の涙
- 雁が鳴きながら流す涙。
和歌
- 作者
- 壬生忠岑(みぶのただみね) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。右衛門府生など下級の武官を務めた。歌論書『和歌体十種(忠岑十体)』の作者とされる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・258番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「是貞のみこの家の歌合によめる」(是貞親王の家の歌合で詠んだ歌)。
解説
壬生忠岑の歌。221番と同じく、雁の涙を詠む。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、45頁(コマ36)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日