古典ライブラリー

古今和歌集 巻第五 秋歌下 250番

草も木も

文屋康秀(ふんやのやすひで)

草も木も色が変わるけれど、海の波の花にだけは秋がないことだ。

「草も木も」の歌をもとにした情景。草も木も色が変わるけれど、海の波の花にだけは秋がないことだ。
「草も木も」の歌をもとにした情景。草も木も色が変わるけれど、海の波の花にだけは秋がないことだ。
詞書
「是貞のみこの家の歌合の歌」(前の歌と同じ詞書)
作者
文屋康秀
  1. 1草くさ草くさくさももも木き木ききももも初句
  2. 2色いろ色いろいろかはれどもかはれどもかわれども二句
  3. 3わたつわたつわたつ海うみ海うみうみののの三句
  4. 4波なみ波なみなみのののはなにぞはなにぞはなにぞ四句
  5. 5秋あき秋あきあきなかりけるなかりけるなかりける結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

草も木も色が変わるけれど、海の波の花にだけは秋がないことだ。

意訳

陸の草木は秋に色づくが、海の白波の花は色が変わらない。海には秋がない、と機知的に詠む。

語釈・文法注

わたつ海
海。
波の花
白波を花に見立てた語。

和歌

作者
文屋康秀(ふんやのやすひで) 生没年未詳(九世紀後半)
縫殿助・三河掾などを務めた下級官人。小野小町を三河への旅に誘ったという話が伝わる。仮名序は「詞たくみにてそのさま身におはず」と評する。六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第五・秋歌下・250番
歌体
短歌
状況
詞書「是貞のみこの家の歌合の歌」(是貞親王の家の歌合の歌)。

修辞

見立て
白波を花に見立てる。

解説

文屋康秀の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、44頁(コマ35)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日