古今和歌集 巻第五 秋歌下 249番
吹くからに
吹くとすぐに秋の草木がしおれるので、なるほど、山から吹く風を「嵐(荒らし)」と言うのだろう。

現代語訳
〔詞書〕是貞親王の家の歌合の歌。
吹くとすぐに秋の草木がしおれるので、なるほど、山から吹く風を「嵐(荒らし)」と言うのだろう。
意訳
山風が吹くと草木がしおれてしまう。だから「山」と「風」で「嵐」と書き、「荒らし」と呼ぶのだろう、と文字遊びで秋風の激しさを詠む。
語釈・文法注
- 吹くからに
- 吹くとすぐに。
- しをるれば
- しおれるので。
- むべ
- なるほど。
和歌
- 作者
- 文屋康秀(ふんやのやすひで) 生没年未詳(九世紀後半)
縫殿助・三河掾などを務めた下級官人。小野小町を三河への旅に誘ったという話が伝わる。仮名序は「詞たくみにてそのさま身におはず」と評する。六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第五・秋歌下・249番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「是貞のみこの家の歌合の歌」(是貞親王の家の歌合の歌)。
修辞
- 掛詞・字謎
- 「あらし」に「嵐」と「荒らし」をかけ、「山」と「風」を合わせて「嵐」とする。
解説
秋歌下の巻頭歌。文屋康秀の作で、百人一首第二十二首にも採られた。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、44頁(コマ35)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日