古今和歌集 巻第四 秋歌上 226番
名にめでて
その名にひかれて折っただけだよ、女郎花よ。私が堕落したなどと、人に言いふらすな。

現代語訳
その名にひかれて折っただけだよ、女郎花よ。私が堕落したなどと、人に言いふらすな。
意訳
女郎花の「女」という名にひかれて折っただけだと言い訳し、僧の身でありながら女に心を寄せて堕落したと言うな、とおどける。
語釈・文法注
- 名にめでて
- 名前にひかれて。
- おちにき
- 堕落した。馬から落ちたとする説もある。
和歌
- 作者
- 僧正遍昭(そうじょうへんじょう) 816–890
桓武天皇の孫で、俗名は良岑宗貞(よしみねのむねさだ)。仁明天皇に仕えて蔵人頭となったが、天皇の崩御を機に出家し、のちに僧正となって元慶寺・花山寺を開いた。素性法師の父。六歌仙・三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・226番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 寓意
- 女郎花を女性に見立てる。
解説
僧正遍昭の歌。僧の身を逆手にとったユーモアの歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、39頁(コマ33)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日