古今和歌集 巻第四 秋歌上 225番
秋の野に
秋の野に置く白露は玉なのだろうか。蜘蛛の糸がそれを貫いてかけている。

現代語訳
〔詞書〕是貞親王の家の歌合で詠んだ歌。
秋の野に置く白露は玉なのだろうか。蜘蛛の糸がそれを貫いてかけている。
意訳
蜘蛛の糸に連なる白露を、糸に通した玉に見立てた。秋の野の繊細な美しさを描く。
語釈・文法注
- 玉なれや
- 玉なのだろうか。
- つらぬきかくる
- 貫いてかけている。
和歌
- 作者
- 文屋朝康(ふんやのあさやす) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀初め)
文屋康秀の子。大舎人大允などを務めた。寛平・延喜の歌合に歌を出した。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・225番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「是貞のみこの家の歌合によめる」(是貞親王の家の歌合で詠んだ歌)。
修辞
- 見立て
- 露を玉に、蜘蛛の糸を玉を通す糸に見立てる。
解説
文屋朝康の歌。百人一首に採られた朝康の「白露に風の吹きしく」の歌とも通じる。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、39頁(コマ33)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日