古今和歌集 巻第四 秋歌上 213番
うきことを
つらいことを次々に思い連ねて、雁が列を連ねて鳴き渡るように、私も泣き続けている、秋の夜ごとに。

現代語訳
〔詞書〕雁が鳴いたのを聞いて詠んだ歌。
つらいことを次々に思い連ねて、雁が列を連ねて鳴き渡るように、私も泣き続けている、秋の夜ごとに。
意訳
雁が列を連ねて鳴き渡るように、自分もつらいことを思い連ねて夜ごと泣いている、と雁と自分を重ねる。
語釈・文法注
- 思ひつらねて
- 思い連ねて。雁の列の「連ね」をかける。
- 鳴きこそ渡れ
- 鳴き続けている。
和歌
- 作者
- 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・213番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「雁のなきけるを聞きてよめる」(雁が鳴いたのを聞いて詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「なき」に「鳴き」と「泣き」をかける。
解説
躬恒の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、37頁(コマ32)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日