古今和歌集 巻第四 秋歌上 212番
秋風に
秋風を受けて帆を上げてくる船のように、声を高く上げてやって来たのは、大空を渡る雁であったよ。

現代語訳
〔詞書〕寛平の御時、后の宮の歌合の歌。
秋風を受けて帆を上げてくる船のように、声を高く上げてやって来たのは、大空を渡る雁であったよ。
意訳
秋風に乗って高い声で鳴きながら来る雁の列を、帆を上げて海を渡る船に見立てた。
語釈・文法注
- ほにあげて
- 「帆に上げて」と「秀に上げて(声を高く上げて)」をかける。
- 天の門
- 空の通り道。
和歌
- 作者
- 藤原菅根(ふじわらのすがね) 856–908
文章生出身の学者で、醍醐天皇の侍読を務めた。参議に至った。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・212番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「寛平の御時きさいの宮の歌合の歌」(寛平の御時、后の宮の歌合の歌)。
修辞
- 掛詞
- 「ほ」に「帆」と「秀(目立つ)」。
- 見立て
- 雁を船に見立てる。
解説
藤原菅根の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、37頁(コマ32)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日