古典ライブラリー

古今和歌集 巻第四 秋歌上 177番

天の川

紀友則(きのとものり)

天の川の浅瀬を、白波の中でたどり探しながら渡りきらないうちに、夜が明けてしまった。

「天の川」の歌をもとにした情景。天の川の浅瀬を、白波の中でたどり探しながら渡りきらないうちに、夜が明けてしまった。
「天の川」の歌をもとにした情景。天の川の浅瀬を、白波の中でたどり探しながら渡りきらないうちに、夜が明けてしまった。
作者
友則(紀友則)
  1. 1寛平くわんぴやう寛平くわんぴやうかんぴょうののの御時おほんとき御時おほんときおおんとき七日なぬか七日なぬかなぬかののの夜よ夜よようへにさぶらふうへにさぶらふうえにさぶらう男をとこ男をとこおとこどもどもども歌うた歌うたうた奉たてまつ奉たてまつたてまつれとれとれと仰おほ仰おほおおせられけるせられけるせられける時とき時ときとき人ひと人ひとひとにかはりてよめるにかはりてよめるにかわりてよめる詞書
  2. 2天あま天あまあまののの川がは川がはがわ初句
  3. 3あさせしらあさせしらあさせしら波なみ波なみなみ二句
  4. 4たどりつつたどりつつたどりつつ三句
  5. 5渡わた渡わたわたりりりはははてねばてねばてねば四句
  6. 6明あ明ああけぞしにけるけぞしにけるけぞしにける結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕寛平の御時、七日の夜、殿上に仕える男たちに「歌を奉れ」とご命令があった時、人に代わって詠んだ歌。

天の川の浅瀬を、白波の中でたどり探しながら渡りきらないうちに、夜が明けてしまった。

意訳

牽牛が浅瀬を探しているうちに夜が明けてしまった、と七夕の逢瀬のはかなさを詠む。

語釈・文法注

浅瀬白波
浅瀬を知らない意の「知らなみ」をかける。
たどりつつ
探りながら。
渡りはてねば
渡りきらないうちに。

和歌

作者
紀友則(きのとものり) ?–905?
『古今和歌集』の撰者の一人で、紀貫之の従兄。大内記などを務めたが、集の完成を待たずに亡くなり、巻第十六に貫之・壬生忠岑の哀悼の歌がある。のびやかで格調のある歌風で知られる。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第四・秋歌上・177番
歌体
短歌
状況
詞書「寛平の御時七日の夜うへにさぶらふ男ども歌奉れと仰せられける時人にかはりてよめる」(寛平の御時、七日の夜、殿上に仕える男たちに「歌を奉れ」とご命令があった時、人に代わって詠んだ歌)。

修辞

掛詞
「しらなみ」に「白波」と「知らな(く)」をかける。

解説

紀友則の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、32頁(コマ29)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日