古今和歌集 巻第四 秋歌上 170番
川風の
川風が涼しいことよ。岸に打ち寄せる波とともに、秋は立ってやって来るのだろうか。

現代語訳
〔詞書〕立秋の日、殿上の男たちが賀茂の河原で川遊びをした時に、お供をして詠んだ歌。
川風が涼しいことよ。岸に打ち寄せる波とともに、秋は立ってやって来るのだろうか。
意訳
立秋の日の川遊びで、川風の涼しさに秋を感じ、波が「立つ」のと秋が「立つ」のを重ねた。
語釈・文法注
- 川逍遙
- 川辺での遊び。
- 涼しくもあるか
- 涼しいことよ。
- 秋は立つらむ
- 秋が来るのだろうか。
和歌
- 作者
- 紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・170番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「秋立つ日うへのをのこども賀茂の川原に川逍遙しけるともにまかりてよめる」(立秋の日、殿上の男たちが賀茂の河原で川遊びをした時に、お供をして詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「立つ」に波が立つ意と秋が立つ(始まる)意をかける。
解説
紀貫之の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、31頁(コマ29)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日