古今和歌集 巻第四 秋歌上 171番
我がせこが
わが夫の衣の裾を吹き返し、裏が見えるように、心新たに感じられる秋の初風よ。

現代語訳
わが夫の衣の裾を吹き返し、裏が見えるように、心新たに感じられる秋の初風よ。
意訳
夫の衣の裾をひるがえして裏を見せる初秋の風に、新鮮な季節の訪れを感じる。
語釈・文法注
- わがせこ
- 妻が夫を呼ぶ語。
- うらめづらし
- 心から新鮮に感じられる。「うら」は心。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第四・秋歌上・171番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 掛詞
- 「うら」に衣の「裏」と「心(うら)」をかける。
解説
万葉風の素朴さと、掛詞の技巧が合わさった読人しらずの歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、31頁(コマ29)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日