古典ライブラリー

古今和歌集 巻第三 夏歌 149番

こゑはして

読人しらず(よみびとしらず)

声はするのに涙は見えないほととぎすよ、私の濡れている袖を借りてほしい。

「こゑはして」の歌をもとにした情景。声はするのに涙は見えないほととぎすよ、私の濡れている袖を借りてほしい。
「こゑはして」の歌をもとにした情景。声はするのに涙は見えないほととぎすよ、私の濡れている袖を借りてほしい。
詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1こゑはしてこゑはしてこえはして初句
  2. 2淚なみだ淚なみだなみだははは見み見みみえぬえぬえぬ二句
  3. 3ほととぎすほととぎすほととぎす三句
  4. 4わがわがわが衣手ころもで衣手ころもでころもでののの四句
  5. 5ひづひづひずをををからなむからなむからなむ結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

声はするのに涙は見えないほととぎすよ、私の濡れている袖を借りてほしい。

意訳

ほととぎすは悲しげに鳴くが、涙は見えない。ならば、自分の涙で濡れた袖を貸してやろう、と物思いの身を重ねる。

語釈・文法注

ひづを
濡れている(袖)を。
からなむ
借りてほしい。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第三・夏歌・149番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

鳥の声と人の涙を重ねる、機知のある歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、27頁(コマ27)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日