古今和歌集 巻第二 春歌下 112番
散る花を
散る花をどうして恨もうか。この世の中に、私の身も花と一緒にいつまでもあるものではないのだから。

現代語訳
散る花をどうして恨もうか。この世の中に、私の身も花と一緒にいつまでもあるものではないのだから。
意訳
花が散るのを恨んでもしかたがない。自分の命もまた花と同じくはかないのだから、と無常をさとる。
語釈・文法注
- 何か恨みむ
- 「か」は反語。どうして恨もうか。
- あらむものかは
- 「かは」は反語。あるだろうか、ありはしない。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・112番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 反語
- 「何か恨みむ」「あらむものかは」。
解説
散る花を自分の身の上に引き寄せて見る、無常観の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、20頁(コマ23)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日