古今和歌集 巻第二 春歌下 108番
花のちる
花が散るのがつらいのだろうか。春霞の立つ竜田山の鶯の声は(悲しげに聞こえる)。

現代語訳
〔詞書〕仁和の中将の御息所の家で歌合をしようとした時に詠んだ歌。
花が散るのがつらいのだろうか。春霞の立つ竜田山の鶯の声は(悲しげに聞こえる)。
意訳
竜田山で鳴く鶯の声が悲しげに聞こえるのは、花が散るのをつらく思っているからだろう、と想像する。
語釈・文法注
- 仁和の中将の御息所
- 光孝天皇の女御とも、藤原時平の娘ともいわれる。
- わびしき
- つらい。
- たつたの山
- 「春霞立つ」から「竜田」を導く。
和歌
- 作者
- 藤原後蔭(ふじわらののちかげ) ?–921
中納言藤原有穂の子。備前守などを務め、唐物使として大宰府に下った。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・108番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「仁和の中將の御息所の家に歌合せむとてしける時によめる」(仁和の中将の御息所の家で歌合をしようとした時に詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「たつた」に霞が「立つ」と「竜田」をかける。
解説
藤原後蔭の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、19頁(コマ23)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日