古今和歌集 巻第二 春歌下 107番
散る花の
散る花が、鳴けばとどまるものならば、私も鶯に負けずに泣くだろうに。

現代語訳
散る花が、鳴けばとどまるものならば、私も鶯に負けずに泣くだろうに。
意訳
鶯がいくら鳴いても花は散ってしまう。鳴いて止まるものなら、自分も鶯に劣らず泣くのだが、と花を惜しむ。
語釈・文法注
- なくにし
- 鳴くことによって。「し」は強意。
- おとらましやは
- 「まし」は反実仮想、「やは」は反語。劣るだろうか、劣りはしない。
和歌
- 作者
- 藤原洽子(典侍)(ふじわらのあまねいこ) 生没年未詳
典侍(ないしのすけ)を務めた女官。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・107番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 掛詞
- 「なく」に鶯が「鳴く」と人が「泣く」をかける。
解説
作者の藤原洽子は典侍を務めた女官。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、19頁(コマ23)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日