古典ライブラリー

古今和歌集 巻第二 春歌下 103番

かすみたつ

在原元方(ありわらのもとかた)

霞の立つ春の山辺は遠いけれど、吹いてくる風は、花の香がすることだ。

「かすみたつ」の歌をもとにした情景。霞の立つ春の山辺は遠いけれど、吹いてくる風は、花の香がすることだ。
「かすみたつ」の歌をもとにした情景。霞の立つ春の山辺は遠いけれど、吹いてくる風は、花の香がすることだ。
詞書
「寛平の御時きさいの宮の歌合の歌」(前の歌と同じ詞書)
作者
在原元方
  1. 1かすみたつかすみたつかすみたつ初句
  2. 2春はる春はるはるののの山邊やまべ山邊やまべやまべははは二句
  3. 3とほけれどとほけれどとおけれど三句
  4. 4吹ふ吹ふふきくるきくるきくる風かぜ風かぜかぜははは四句
  5. 5花はな花はなはなののの香か香かかぞするぞするぞする結句

引用の仕方

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現代語訳

霞の立つ春の山辺は遠いけれど、吹いてくる風は、花の香がすることだ。

意訳

花の咲く山は遠くて見えないが、風が花の香を運んでくるので、山の花の盛りがわかる。

語釈・文法注

とほけれど
遠いけれど。
花の香ぞする
「ぞ…する」の係り結び。

和歌

作者
在原元方(ありわらのもとかた) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
在原業平の孫、在原棟梁の子。藤原国経の養子になったとも伝える。『古今和歌集』の巻頭歌「年の内に」の作者。
出典
『古今和歌集』巻第二・春歌下・103番
歌体
短歌
状況
詞書「寛平の御時きさいの宮の歌合の歌」(寛平の御時、后の宮の歌合の歌)。

解説

在原元方の歌。香によって遠い花を感じ取る発想は梅の歌と共通する。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、18頁(コマ22)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日