古今和歌集 巻第二 春歌下 99番
吹く風に
吹く風に頼みごとをすることができるものならば、この一本の桜だけは避けて吹けと言うだろうに。

現代語訳
吹く風に頼みごとをすることができるものならば、この一本の桜だけは避けて吹けと言うだろうに。
意訳
風に注文をつけられるなら、せめてこの一本の桜だけは避けてくれと頼みたい、と大切な桜を思う心を詠む。
語釈・文法注
- あつらへつくる
- 頼みこむ。
- 此一本
- この一本の木。
- よきよ
- 避けよ。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・99番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 反実仮想
- 「…ものならば…まし」。
解説
一本の桜に心を寄せる、素朴な読人しらずの歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、18頁(コマ22)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日