古今和歌集 巻第二 春歌下 98番
花のごと
花のように世の中が毎年めぐってくるものならば、過ごしてしまった昔も、もう一度帰って来るだろうに。

現代語訳
花のように世の中が毎年めぐってくるものならば、過ごしてしまった昔も、もう一度帰って来るだろうに。
意訳
花は毎年同じように咲くが、人の過ぎた日々は二度と戻らない。花のめぐりを人生にあてはめて、戻らない昔を嘆く。
語釈・文法注
- 世の常ならば
- 世の中が(花のように)いつも変わらないものならば。
- 来なまし
- 「まし」は反実仮想。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・98番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 反実仮想
- 「…ならば…まし」。
解説
57番の歌と同じく、変わらない花と変わる人の身を対比する。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、18頁(コマ22)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日