古今和歌集 巻第二 春歌下 90番
故郷と
古い都となってしまった奈良の都にも、色は変わらずに花は咲いたことだ。

現代語訳
〔詞書〕奈良の帝(平城天皇)の御歌。
古い都となってしまった奈良の都にも、色は変わらずに花は咲いたことだ。
意訳
都が移り、さびれた旧都奈良にも、桜は昔と同じ色で咲いている。人の世の移り変わりと、変わらない自然との対比を詠む。
語釈・文法注
- ならのみかど
- 平城天皇。平安遷都ののちも奈良(平城京)に住んだ。
- ふるさと
- 古い都、旧都。
和歌
- 作者
- 平城天皇(へいぜいてんのう) 774–824
桓武天皇の皇子(在位806–809)。譲位後、平城京に移り、薬子の変(810)ののち出家した。在原業平の祖父にあたる。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・90番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「ならのみかどの御歌」(奈良の帝(平城天皇)の御歌)。
修辞
- 対比
- 移り変わる人の世と、変わらない花。
解説
平城天皇は譲位後に平城京へ移った。旧都への愛着が感じられる歌である。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、16〜17頁(コマ21)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日