古典ライブラリー

古今和歌集 巻第二 春歌下 73番

うつ蟬の

読人しらず(よみびとしらず)

はかないこの世の中に似ていることよ。桜の花は、咲いたと見ているうちに、一方ではもう散ってしまった。

「うつ蟬の」の歌をもとにした情景。はかないこの世の中に似ていることよ。桜の花は、咲いたと見ているうちに、一方ではもう散ってしまった。
「うつ蟬の」の歌をもとにした情景。はかないこの世の中に似ていることよ。桜の花は、咲いたと見ているうちに、一方ではもう散ってしまった。
詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1うつうつうつ蟬せみ蟬せみせみののの初句
  2. 2世よ世よよにもにもにも似に似ににたるかたるかたるか二句
  3. 3花櫻はなざくら花櫻はなざくらはなざくら三句
  4. 4さくとさくとさくと見み見みみしまにしまにしまに四句
  5. 5かつかつかつ散ち散ちちりにけりりにけりりにけり結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

はかないこの世の中に似ていることよ。桜の花は、咲いたと見ているうちに、一方ではもう散ってしまった。

意訳

咲いたと思うとすぐに散る桜の花に、人の世のはかなさを重ねる。

語釈・文法注

うつせみの
「世」にかかる枕詞。もとは「現し身(この世の人)」の意。
かつ
一方では、すぐに。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第二・春歌下・73番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

枕詞
「うつせみの」。

解説

桜の散りやすさを無常観と結びつけた歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、13頁(コマ20)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日