古典ライブラリー

古今和歌集 巻第一 春歌上 67番

我が宿の

凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)

私の家の花を見るついでにやって来る人は、花が散ってしまった後には(来なくなって)恋しく思われることでしょう。

庭の桜を見に来た客と、花の下で語らう凡河内躬恒。花が散った後の訪れまで案じる、親しいもてなしの情景。
庭の桜を見に来た客と、花の下で語らう凡河内躬恒。花が散った後の訪れまで案じる、親しいもてなしの情景。
作者
躬恒(凡河内躬恒)
  1. 1櫻さくら櫻さくらさくらののの花はな花はなはなのさけりけるのさけりけるのさけりけるををを見み見みみにまうできたりけるにまうできたりけるにもうできたりける人ひと人ひとひとによみておくりけるによみておくりけるによみておくりける詞書
  2. 2我わ我わわががが宿やど宿やどやどののの初句
  3. 3花はな花はなはな見み見みみがてらにがてらにがてらに二句
  4. 4くるくるくる人ひと人ひとひとははは三句
  5. 5ちりなむのちぞちりなむのちぞちりなむのちぞ四句
  6. 6戀こひ戀こひこいしかるべきしかるべきしかるべき結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔詞書〕桜の花が咲いていたのを見に来た人に詠んで贈った歌。

私の家の花を見るついでにやって来る人は、花が散ってしまった後には(来なくなって)恋しく思われることでしょう。

意訳

花見をかねて訪ねて来る客は、花が散れば来なくなるだろう。今の訪問を喜びつつ、花がなければ来ない相手を軽く皮肉る。

語釈・文法注

花見がてら
花見をかねて。
恋しかるべき
「べき」は推量。「ぞ」の結びで連体形。

和歌

作者
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第一・春歌上・67番
歌体
短歌
状況
詞書「櫻の花のさけりけるを見にまうできたりける人によみておくりける」(桜の花が咲いていたのを見に来た人に詠んで贈った歌)。

解説

花を目当ての客を軽くからかう、躬恒の機知ある挨拶の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、12頁(コマ19)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日