古典ライブラリー

古今和歌集 巻第一 春歌上 37番

外にのみ

素性法師(そせいほうし)

今までは遠くから美しいと見ていただけだった梅の花。見飽きない色と香のよさは、手折ってはじめてわかるものだった。

遠くから眺めていた梅を手折り、色と香を近くに知る素性法師。花の美しさを、手にして初めて味わう情景。
遠くから眺めていた梅を手折り、色と香を近くに知る素性法師。花の美しさを、手にして初めて味わう情景。
作者
素性法師
  1. 1題だい題だいだいしらずしらずしらず詞書
  2. 2外よそ外よそよそにのみにのみにのみ初句
  3. 3あはれとぞあはれとぞあわれとぞ見み見みみししし二句
  4. 4梅うめ梅うめうめののの花はな花はなはな三句
  5. 5あかぬあかぬあかぬ色香いろか色香いろかいろかははは四句
  6. 6折を折をおりてなりけりりてなりけりりてなりけり結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

今までは遠くから美しいと見ていただけだった梅の花。見飽きない色と香のよさは、手折ってはじめてわかるものだった。

意訳

梅の花は遠目に眺めて美しいと思っていたが、実際に手に取ってみると、その色と香のすばらしさが身にしみてわかった。

語釈・文法注

よそにのみ
遠くからだけ。
あかぬ
飽きることのない。
折りてなりけり
折ってみて初めてのことだったのだ。

和歌

作者
素性法師(そせいほうし) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀初め)
僧正遍昭の子。俗名は良岑玄利(よしみねのはるとし)といい、父の命で出家した。雲林院や大和の石上の良因院に住み、宇多天皇・醍醐天皇の歌会や屏風歌に召された。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第一・春歌上・37番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

「なりけり」で新しい発見の感動を表す。恋の歌として、女性に近づいて初めて魅力がわかったと読むこともできる。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、6〜7頁(コマ16)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日