古今和歌集 巻第一 春歌上 36番
うぐひすの
鶯が笠に縫うという梅の花を折って、髪に挿そう。老いが隠れるかと思って。

現代語訳
〔詞書〕梅の花を折って詠んだ歌。
鶯が笠に縫うという梅の花を折って、髪に挿そう。老いが隠れるかと思って。
意訳
鶯が梅の花を縫って笠にするという古い歌謡の表現をふまえ、その梅を髪にかざせば、自分の老いも隠れるだろうかと願う。
語釈・文法注
- 笠にぬふてふ
- 「笠に縫ふといふ」の縮約。催馬楽「青柳」の「鶯の縫ふといふ笠は梅の花笠」をふまえる。
- かざさむ
- 髪や冠に挿そう。
- 老かくるやと
- 老いが隠れるかと。
和歌
- 作者
- 源常(東三条左大臣)(みなもとのときわ) 812–854
嵯峨天皇の皇子で、臣籍に下って源姓を賜り、左大臣に至った。東三条に邸があった。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第一・春歌上・36番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「梅の花を折りてよめる」(梅の花を折って詠んだ歌)。
修辞
- 本歌取り
- 催馬楽の詞章をふまえる。
解説
作者の東三条の左大臣は源常。巻第二十の「あをやぎを」(1081番)の歌と同じ発想による。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、6頁(コマ16)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日