古今和歌集 巻第一 春歌上 27番
あさみどり
薄緑の糸をより合わせてかけ、白露を玉として貫いている春の柳であることよ。

現代語訳
〔詞書〕西大寺のあたりの柳を詠んだ歌。
薄緑の糸をより合わせてかけ、白露を玉として貫いている春の柳であることよ。
意訳
芽吹いたばかりの柳の細枝を薄緑の糸に、枝に宿る白露を糸に通した玉に見立てた。春の朝の柳の美しさを繊細に描く。
語釈・文法注
- 西大寺
- 奈良の西大寺。
- あさみどり
- 薄い緑色。
- ぬける
- 「ぬく」は糸に通す。「る」は存続の助動詞「り」の連体形。
和歌
- 作者
- 僧正遍昭(そうじょうへんじょう) 816–890
桓武天皇の孫で、俗名は良岑宗貞(よしみねのむねさだ)。仁明天皇に仕えて蔵人頭となったが、天皇の崩御を機に出家し、のちに僧正となって元慶寺・花山寺を開いた。素性法師の父。六歌仙・三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第一・春歌上・27番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「西大寺のほとりの柳をよめる」(西大寺のあたりの柳を詠んだ歌)。
修辞
- 見立て
- 柳の枝を糸に、白露を玉に見立てる。
解説
僧正遍昭の歌。仮名序は遍昭を「歌のさまはえたれども、誠すくなし」と評したが、この歌のような華やかな見立てにその特色がうかがえる。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、5頁(コマ16)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日