古典ライブラリー

古今和歌集 巻第一 春歌上 28番

百千鳥

読人しらず(よみびとしらず)

たくさんの鳥がさえずる春は、すべてのものが新しくなるけれど、私だけは年老いてゆく。

鳥の声と新しい緑に包まれながら、自らの老いを思う歌人。万物の改まる春と、人の身に重なる歳月を描いた情景。
鳥の声と新しい緑に包まれながら、自らの老いを思う歌人。万物の改まる春と、人の身に重なる歳月を描いた情景。
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1題だい題だいだいしらずしらずしらず詞書
  2. 2百千鳥ももちどり百千鳥ももちどりももちどり初句
  3. 3さへづるさへづるさえずる春はる春はるはるははは二句
  4. 4物もの物ものものごとにごとにごとに三句
  5. 5あらたまれどもあらたまれどもあらたまれども四句
  6. 6われぞふりゆくわれぞふりゆくわれぞうりゆく結句

引用の仕方

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現代語訳

たくさんの鳥がさえずる春は、すべてのものが新しくなるけれど、私だけは年老いてゆく。

意訳

春になれば万物が新しく生まれ変わるのに、人の身だけは年ごとに古びていく。春の華やぎの中で老いを嘆く歌。

語釈・文法注

百千鳥
たくさんの鳥。のちに「古今伝授」の三鳥の一つとされ、鶯のこととも千鳥のこととも説かれた。
ふりゆく
「古る」で年老いる。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第一・春歌上・28番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

対比
新しくなる万物と、古りゆく我が身。

解説

「百千鳥」は古今伝授で秘説の対象となった語の一つ。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、5頁(コマ16)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日