古今和歌集 巻第一 春歌上 22番
春日野の
春日野の若菜を摘みに行くのだろうか。白い袖を振って、わざわざ人々が出かけていくようだ。

現代語訳
〔詞書〕「歌を奉れ」とご命令があった時に詠んで献上した歌。
春日野の若菜を摘みに行くのだろうか。白い袖を振って、わざわざ人々が出かけていくようだ。
意訳
春日野へ若菜摘みに向かう人々の白い袖がひるがえる、晴れやかな早春の光景を描く。屏風絵などの画面を思わせる構図の歌。
語釈・文法注
- しろたへの
- 白い布の意で「袖」にかかる枕詞。
- ふりはへて
- 「ふりはふ」はわざわざ…する。「袖を振る」をかける。
- ゆくらむ
- 「らむ」は現在推量。
和歌
- 作者
- 紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第一・春歌上・22番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「歌奉れと仰せられし時詠みて奉れる」(「歌を奉れ」とご命令があった時に詠んで献上した歌)。
修辞
- 掛詞
- 「ふりはへて」に、袖を「振り」と「ふりはへて(わざわざ)」をかける。
- 枕詞
- 「しろたへの」。
解説
天皇の求めに応じて献上した歌。撰者たちは古今集編纂のころ、たびたび歌を召された。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、4頁(コマ15)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日