源氏物語 第37帖 横笛(17)
夕霧の弁明
夕霧は答える。何の乱れがございましょう、やはり無常の世の哀れをかけ始めた所に、すぐに見舞いをやめてしまっては、かえって世間によくある嫌疑があるような顔をすることになると思って通っているのです、想夫恋は、宮が自分から進んで弾き始めたのなら憎らしいことでしょうが、何かのついでにほのかに弾いたのは、折にかなった風情があって趣深いものでした、何事も人により、事柄によるものでしょう、宮は年齢もだんだん若々しく振る舞うべき年頃でもなく、私もまた浮ついた好色めいた振る舞いに慣れてもいないので、気を許してくださるのか、だいたい親しみやすく感じのよいお人柄でいらっしゃったなどと申し上げる。

- 1「「「何何なにのののみだれみだれみだれかかか侍侍はべらららむむん。。。猶猶なお常常つねならならならぬぬぬ世世よののの哀哀あわれをををかけかけかけそめそめそめ侍侍はべりりりにににしししあたりあたりあたりににに心心こころみじかくみじかくみじかくはべらはべらはべらむむんこそこそこそなかなかなかなかなかなか世世よのののつねつねつねののの嫌嫌けん疑疑ぎありありありがほがほがおににに侍侍はべらららめめめとてとてとてこそこそこそ。。。想想そう夫夫ふ戀戀れんははは心心こころとととさしさしさしすぎすぎすぎてててことことこといでいでいで給給たまははわむむんやややにくきにくきにくきことことことににに侍侍はべらららましましまし。。。物物ものののの序序ついでにににほのかほのかほのかなりなりなりしししはははをりをりおりからからからのののよしよしよしづきづきずきてててをかしうをかしうおかしゅうなむなむなん侍侍はべりりりししし。。。何何なに事事ごとももも人人ひとによりによりにより事事ことににに隨隨したがふふうわざわざわざにににこそこそこそ侍侍はべるるるべかべかべかめれめれめれ。。。よはひよはひよわいなどなどなどもももやうやうやうやうようよういたういたういとう若若わかびびび給給たまふふうべきべきべき程程ほどにににもももものしものしものし給給たまははわずずず、、、またまたまたあざれがましくあざれがましくあざれがましくすきずきしきすきずきしきすきずきしき氣色氣色けしきなどなどなどににに物物ものなれなれなれなどなどなどもももししし侍侍はべらららぬぬぬににに、、、うちうちうちとけとけとけ給給たまふふうにににややや、、、大大おおかたかたかたなつかしうなつかしうなつかしゅうめやすきめやすきめやすき人人ひとののの御御おん有有あり樣樣さまににになむなむなん物物ものししし給給たまひひいけるけるける」」」などなどなど聞聞きこえええ給給たまふふうににに、、、
現代語訳
夕霧は、「何の乱れがございましょうか。やはり無常な世の哀れをかけ始めましたお方のところに、すぐに見舞いをやめてしまいますのは、かえって世間によくある嫌疑があるような顔をすることになりましょうと思ってこそ、通っているのです。想夫恋は、宮がご自分から進んで出過ぎて弾き始めなさったのなら、憎らしいことでございましょう。何かのついでにほのかに弾かれましたのは、折にかなった風情があって、趣深うございました。何事も人によって、事柄に従うものでございましょう。宮はお年なども、だんだんひどく若々しく振る舞いなさるべき年頃でもいらっしゃらず、私もまた、浮ついた好色めいた振る舞いなどに慣れてもおりませんので、気をお許しになるのでしょうか、だいたい親しみやすく、感じのよいお人柄でいらっしゃいました」などと申し上げなさると、
意訳
夕霧は、見舞いをすぐやめればかえって疑われる、想夫恋も折にかなっていたと弁明し、宮の人柄をほめる。
語釈・文法注
文法
- 「嫌疑ありがほ」(世のつねの嫌疑ありがほに侍らめ)
- 疑わしいことがあるような顔つき。
- 「心とさしすぐ」(想夫戀は心とさしすぎて)
- 自分の心から出過ぎた振る舞いをする。
- 「あざれがまし」(あざれがましくすきずきしき氣色)
- 浮ついている、ふざけている。
解説
夕霧は、源氏の戒めに対して、もっともらしい弁明をする。見舞いをやめればかえって疑われるという理屈は、夕霧の生真面目な性格を表しているが、同時に宮への関心を隠す言い訳でもある。
夕霧が宮の人柄をほめる言葉には、宮への好意がにじんでいる。源氏は夕霧の心を見抜いているが、夕霧自身は、まだ自分の心の変化に十分気づいていないのかもしれない。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部2(源氏物語 下) 板倉屋書房、明治36年(1903)、754–755頁(コマ88)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日