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源氏物語 第36帖 柏木(12)

女三の宮の出家

登場人物:光源氏・女三の宮・朱雀院

源氏は、宮をつらいと思っていたことも忘れて、これはどうしたことかと悲しく残念で耐えられず、御帳台の内に入って、どうして、もう長くもない私を捨てて、こんな決心をなさったのか、やはりしばらく心を静めて、薬湯を飲み、食事もとりなさい、尊いことでも、身体が弱くては勤行もできないだろう、まずは養生なさいと言うが、宮は首を振って、ひどいことをおっしゃると思っている。源氏は、宮が表には出さずに恨めしく思うこともあったのだろうかと見て、気の毒で哀れに思う。あれこれ言い返したりためらったりしているうちに夜明け近くになる。院は、山へ帰るのに昼では人目が悪いと急がせて、祈祷に控える僧の中から高貴で尊い者だけを召して、宮の髪を下ろさせる。盛りの美しい髪を削ぎ落として戒を受ける作法は、悲しく残念なので、源氏はこらえきれずにひどく泣く。院も、もともと宮を特別にかわいがり、人よりも幸せにしてやりたいと思っていたのに、この世ではかいのない身にしてしまったのが悲しく、涙に濡れて、こうなっても無事に、同じことなら念誦にも励みなさいと言い残して、夜が明けきらないうちに急いで帰っていく。

夜明け前の六条院で、女三の宮が髪を下ろして出家し、源氏と朱雀院が見守っている場面(AI生成)
夜明け前の六条院で、女三の宮が髪を下ろして出家し、源氏と朱雀院が見守っている場面
  1. 1おとゞおとゞおとどののの君きみ君きみきみうしうしうしとととおぼすおぼすおぼす方かた方かたかたももも忘わす忘わすわすれれれてててこここはははいかなるいかなるいかなるべきべきべき事こと事ことことぞぞぞととと悲かな悲かなかなしくしくしく口惜くちを口惜くちをくちおしけれしけれしければばば得え得ええ堪た堪たたへへえ給たま給たまたまははわずずず「「「うちうちうちににに入い入いいりりりてててなどなどなどかかかううういくいくいく世よ世よよしもしもしも侍はべ侍はべはべるるるまじきまじきまじき身み身みみをををふりふりふり捨す捨すすてててゝゝて、、、かうかうこうはははおぼしおぼしおぼしなりなりなりにににけるけるけるぞぞぞ。。。猶なほ猶なほなおしばししばししばし心こころ心こころこころをををしづめしづめしずめ給たま給たまたまひひいててて御おん御おんおん湯ゆ湯ゆゆまゐりまゐりまいり物もの物ものものなどなどなどをををもももきこしめせきこしめせきこしめせ。。。たふときたふときとうとき事こと事ことことなりなりなりともともとも御おん御おんおん身み身みみ弱よわ弱よわよおうううてててははは行おこな行おこなおこなひひいもももししし給たま給たまたまひひいてててむむんややや。。。かつはかつはかつはつくろひつくろひつくろい給たま給たまたまひひいてててこそこそこそ」」」ととと聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまへへえどどど頭かしら頭かしらかしらふりふりふりててて、、、いといといとつらうつらうつろうのたまふのたまふのたまうとととおぼしおぼしおぼしたりたりたり。。。つれなくつれなくつれなくてててうらめしうらめしうらめしとととおぼすおぼすおぼすことことこともももありありありけるけるけるにににやややととと見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまふふうにににいとほしういとほしういとおしゅう哀あはれ哀あはれあわれなりなりなり。。。とかくとかくとかく聞きこ聞きこきこえええかへさひかへさひかえさいおぼしおぼしおぼしやすらふやすらふやすらう程ほど程ほどほどににに夜よ夜よよ明あ明ああけけけがたがたがたににになりなりなりぬぬぬ。。。
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引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

源氏の君は、宮をつらいとお思いになっていた方面のことも忘れて、これはいったいどうなることかと、悲しく残念なので、こらえきれずに、御帳台の内に入って、「どうして、もう長くは生きられそうにない私を振り捨てて、このようなお気持ちになってしまわれたのですか。やはりしばらく心をお静めになって、薬湯を召し上がり、食事などもお取りなさい。尊いことであっても、お体が弱くては勤行もおできになるでしょうか。一方では養生なさってこそ」と申し上げなさるが、宮は頭を振って、たいそうひどいことをおっしゃるとお思いになっている。源氏は、宮が表には出さないで、恨めしいとお思いになることもあったのだろうかと見申し上げなさると、気の毒で哀れである。あれこれと言い返し申し上げたり、ためらいなさったりしているうちに、夜明け近くになった。

院は、山に帰り入るのに、道中も昼では人目について具合が悪いだろうと急がせなさって、ご祈祷に控えている僧の中で、高貴で尊い者ばかりを召し入れて、宮の御髪を下ろさせなさる。たいそう盛りの美しい御髪を削ぎ捨てて、戒をお受けになる。その作法が悲しく残念なので、源氏はこらえきれずに、ひどくお泣きになる。院はまた、もともと取り分けて大切に、人よりもすぐれて幸せな身にしてさしあげようとお思いになっていたのに、この世ではかいのないような身にしてしまうのも、どこまでも悲しいので、涙に濡れなさって、「このようになっても無事に、同じことなら念誦にも励みなさい」と言い置きなさって、夜が明けきらないうちに急いでお帰りになった。

意訳

源氏は宮を引き止めようとするが、宮は首を振って拒み、源氏は宮の恨みの深さを思い知る。

夜明け前、朱雀院は僧に宮の髪を下ろさせ、宮は出家する。源氏も院も涙を流し、院は急いで山へ帰る。

語釈・文法注

文法

「かつはつくろひ給ひてこそ」(かつはつくろひ給ひてこそ)
一方では養生なさってこそ。「出家なさいませ」などが省略されている。
「さはふ」(さはふ悲しく口惜しければ)
底本の表記。「作法」の意とされる。
「ねんず」(同じうはねんずをも勤め給へ)
念誦。仏の名や経文を心に念じて唱えること。

解説

女三の宮の出家の場面である。源氏は、宮をつらいと思っていたことも忘れて引き止めようとするが、宮は首を振る。宮が初めて源氏に対してはっきりと拒絶を示した瞬間であり、源氏は宮の心の奥にあった恨みを知る。

盛りの美しい髪が削ぎ落とされる場面は、哀切である。朱雀院は、娘を幸せにしたいと願って源氏に託したのに、結局は尼にしてしまった。院と源氏が共に泣く姿は、二人の男が宮の人生を思い通りにできなかったことを物語っている。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部2(源氏物語 下) 板倉屋書房、明治36年(1903)、726–727頁(コマ74)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日