古典ライブラリー

源氏物語 第29帖 行幸(6)

源氏、大宮に事情を語る

登場人物:光源氏・大宮

源氏は、内大臣に会って伝えたいことがあると大宮に言う。大宮は、夕霧と雲居雁の件かと思い、内大臣は昔から頑固な性格だと言う。源氏は笑って、その件は内大臣が厳しく反対していると聞いて口出しを控えたと答える。そして源氏は、内大臣の子であるはずの人を、思い違いから自分が引き取って育ててきたことを明かす。帝から尚侍として宮仕えするよう内々に仰せがあり、年齢などを聞いてみると、内大臣に尋ねるべき人であったとわかったので、内大臣に会って事を明らかにしたいと言い、大宮に取り次ぎを頼む。

三条宮の一室で、源氏が大宮のそばに座り、声をひそめて玉鬘の素性を打ち明け、大宮が驚いて耳を傾けている場面(AI生成)
三条宮の一室で、源氏が大宮のそばに座り、声をひそめて玉鬘の素性を打ち明け、大宮が驚いて耳を傾けている場面
  1. 1御おん御おんおん物語ものがたり物語ものがたりものがたりどもどもども昔むかし昔むかしむかし今いま今いまいまののの取と取ととりりり集あつ集あつあつめめめ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう序ついで序ついでついでににに「「「內うち內うちうちのののおとゞおとゞおとどははは日ひ日ひひ隔へだ隔へだへだてててずずず參まゐ參まゐまいりりり給たま給たまたまふふうことことこと繁しげ繁しげしげからからからむむんををを、、、かゝるかゝるかかる序ついで序ついでついでににに對面たいめん對面たいめんたいめんのののあらあらあらばばばいかにいかにいかに嬉うれ嬉うれうれしからしからしからむむん。。。いかでいかでいかで聞きこ聞きこきこえええ知し知ししらせらせらせむむんととと思おも思おもおもふふうことことことののの侍はべ侍はべはべるるるををを、、、さるべきさるべきさるべき序つい序ついついでででなくなくなくてててははは對面たいめん對面たいめんたいめんもももありがたけれありがたけれありがたければばば覺束おぼつか覺束おぼつかおぼつかなくなくなくてててなむなむなん」」」ととと聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう。。。
  2. 2「「「おほやけおほやけおおやけごとごとごとののの繁しげ繁しげしげきききにににややや、、、私わたくし私わたくしわたくしののの志こゝろざし志こゝろざしこころざしののの深ふか深ふかふかからからからぬぬぬにににややや、、、さしもさしもさしもとぶらひとぶらひとぶらいものしものしものし侍はべ侍はべはべらららずずず、、、のたまはすのたまはすのたまわすべからべからべからむむんことことことははは何なに何なになにさまさまさまののの事こと事ことことにににかかかははは。。。中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうののの恨うら恨うらうらめしげめしげめしげににに思おも思おもおもははわれれれたるたるたる事こと事ことことももも侍はべ侍はべはべるるるををを、、、始はじめ始はじめはじめののの事こと事ことことははは知し知ししらららねねねどどど今いま今いまいまはははけにくゝけにくゝけにくくもてなすもてなすもてなすにににつけつけつけててて立た立たたちちち初そ初そそめめめにににししし名な名ななののの取と取ととりりり返かへ返かへかえさささるゝるゝるるものものものにににもももあらあらあらずずず、、、をこがましきをこがましきおこがましきやうやうようににに却かへ却かへかえりてりてりてははは世よ世よよののの人ひと人ひとひとももも言い言いいひひい漏もら漏もらもらすすすなるなるなるをををなどなどなど物もの物ものものししし侍はべ侍はべはべれれれどどど、、、立た立たたてててたるたるたる所ところ所ところところ昔むかし昔むかしむかしよりよりよりいといといと解と解ととけけけ難がた難がたがたききき人ひと人ひとひとののの本性ほんじやう本性ほんじやうほんじょうにてにてにて心こゝろ心こゝろこころ得え得ええずずずなむなむなん見み見みみ給たま給たまたまふるふるうる」」」とととこのこのこの中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうののの御おん御おんおん事こと事ことことととと覺おぼ覺おぼおぼしししてててののの給たま給たまたまへへえばばば、、、
  3. 3打う打ううちちち笑わら笑わらわらひひい給たま給たまたまひひいててて「「「言い言いいふふうかひかひかいなきなきなきににに許ゆる許ゆるゆるしししててて捨す捨すすててて給たま給たまたまふふう事こと事ことこともももやややととと聞き聞ききききき侍はべ侍はべはべりりりててて、、、こゝこゝここにににさへさへさへなむなむなんかすめかすめかすめ申まう申まうもうすすすやうやうようありありありしかしかしかどどどいといといと嚴きび嚴きびきびしくしくしく諫いさ諫いさいさめめめ給たま給たまたまふふう由よし由よしよしををを見み見みみ侍はべ侍はべはべりりりししし後のち後のちのち、、、何なに何なになににににさささまでまでまでことことことをををもももまぜまぜまぜ侍はべ侍はべはべりりりけむけむけんととと、、、人ひと人ひとひとわろうわろうわろう悔く悔くくいいい思おも思おもおもううう給たま給たまたまへへえてててなむなむなん。。。萬よろづ萬よろづよろずののの事こと事ことことにににつけつけつけててて淸きよ淸きよきよめめめととといふいふいう事こと事ことこと侍はべ侍はべはべれれればばば、、、いかゞいかゞいかがはははさささももも取と取ととりりり返かへ返かへかえしししすゝいすゝいすすい給たま給たまたまははわざらざらざらむむんとととははは思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえながらながらながら、、、かうかうこう口くち口くちくちをしきをしきおしき濁にごり濁にごりにごりののの末すゑ末すゑすえににに待ま待ままちちち取と取ととりりり、、、深ふか深ふかふかくくく澄す澄すすむむむべきべきべき水みづ水みづみずこそこそこそ出い出いいでででききき難がた難がたがたかべいかべいかべい世よ世よよなれなれなれ何事なにごと何事なにごとなにごとにににつけつけつけてててももも末すゑ末すゑすえににになれなれなればばば落お落おおちちち行ゆ行ゆゆくくくけぢめけぢめけじめこそこそこそ易やす易やすやすくくく侍はべ侍はべはべるるるめれめれめれ。。。いとほしくいとほしくいとおしく聞き聞ききききき給たま給たまたまふるふるうる」」」などなどなど申まう申まうもうししし給たま給たまたまひひいててて
  4. 4「「「さるはさるはさるはかのかのかの知し知ししりりり給たま給たまたまふふうべきべきべき人ひと人ひとひとをををなむなむなん思おも思おもおもひひいまがふるまがふるまがうる事こと事ことこと侍はべ侍はべはべりりりててて不意ふい不意ふいふいににに尋たづ尋たづたずねねね取と取ととりりりててて侍はべ侍はべはべるるるををを、、、そのそのその折をり折をりおりはははさるさるさるひがひがひが業わざ業わざわざともともとも明あか明あかあかししし侍はべ侍はべはべらららずずずありありありしかしかしかばばば、、、あながちにあながちにあながちに事こと事ことことののの心こころ心こころこころををを尋たづ尋たづたずねねねかへさふかへさふかえさう事こと事ことことももも侍はべ侍はべはべらららででで、、、唯たゞ唯たゞたださるさるさるものものものゝゝのくさくさくさののの少すくな少すくなすくなきききをををかごとかごとかごとにてにてにてももも何なに何なになにかかかはははととと思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえ許ゆる許ゆるゆるしししててて、、、をさをさをさをさおさおさむつびむつびむつびももも見み見みみ侍はべ侍はべはべらららずずずしししててて年とし年としとし月つき月つきつき侍はべ侍はべはべりりりつるつるつるをををいかでいかでいかでかかか聞きこ聞きこきこししし召め召めめしししけむけむけん。。。
  5. 5內うち內うちうちににに仰おほ仰おほおおせせせらるゝらるゝらるるやうやうようなむなむなんあるあるある。。。內侍ないし內侍ないしないしののの宮仕みやづかへ宮仕みやづかへみやづかえするするする人ひと人ひとひとなくなくなくてててはははかのかのかの所ところ所ところところののの政まつりごと政まつりごとまつりごとしどけなくしどけなくしどけなく、、、女によう女にようにょう官くわん官くわんかんなどなどなどもももおほやけおほやけおおやけごとごとごとををを仕つか仕つかつかうまつるうまつるうまつるにににたづきたづきたずきなくなくなく、、、事こと事ことこと亂みだ亂みだみだるゝるゝるるやうやうようににになむなむなんありありありけるけるけるををを、、、唯今たゞいま唯今たゞいまただいまうへうへうえににに侍さぶら侍さぶらさぶらふふう故こ故ここ老らう老らうろうのののすけすけすけ二人ふたり二人ふたりふたり又また又またまたさるべきさるべきさるべき人々びと人々びとびとさまざまさまざまさまざまににに申まう申まうもうさささするするするをををはかばかしうはかばかしうはかばかしゅう選えら選えらえらばばばせせせ給たま給たまたまははわむむん、、、尋たづ尋たづたずねねねにににたぐふたぐふたぐう人ひと人ひとひとなむなむなんなきなきなき。。。
  6. 6猶なほ猶なほなお家いへ家いへいえ高たか高たかたこううう人ひと人ひとひとののの覺おぼ覺おぼおぼえええ輕かろ輕かろかろからからからででで家いへ家いへいえののの營いとな營いとないとなみみみ立た立たたてててたらたらたらぬぬぬ人ひと人ひとひとなむなむなん古いにしへ古いにしへいにしえよりよりよりなりなりなり來き來ききにににけるけるける。。。したゝかしたゝかしたたかににに賢かしこ賢かしこかしこききき方かた方かたかたののの撰えら撰えらえらびびびにてにてにてはははそのそのその人ひと人ひとひとならならならでででももも年とし年としとし月つき月つきつきののの勞らう勞らうろうににになりなりなり昇のぼ昇のぼのぼるるる類たぐ類たぐたぐひひいあれあれあれどどど、、、しかしかしか類たぐ類たぐたぐふふうべきべきべきももも無な無ななしししとととならならならばばば大方おほかた大方おほかたおおかたののの覺おぼ覺おぼおぼえええだにだにだにえらえらえらせせせ給たま給たまたまははわむむんとととなむなむなん內々うちうち內々うちうちうちうちににに仰おほ仰おほおおせせせられられられたりたりたりしししををを、、、似に似ににげなきげなきげなき事こと事ことこととととしもしもしも何なに何なになにかかかははは思おも思おもおもひひい給たま給たまたまははわむむん。。。
  7. 7宮仕みやづかへ宮仕みやづかへみやづかえはははさるべきさるべきさるべき筋すぢ筋すぢすじにてにてにてかみかみかみもももしもしもしもゝゝも思おも思おもおもひひい及およ及およおよびびび出い出いいででで立た立たたつつつこそこそこそ心こころ心こころこころ高たか高たかたかきききことことことなれなれなれ。。。おほやけおほやけおおやけざまざまざまにてにてにてさるさるさる所ところ所ところところののの事こと事ことことををを掌つかさど掌つかさどつかさどりりり政まつりごと政まつりごとまつりごとののの趣おもむき趣おもむきおもむきをををしたゝめしたゝめしたため知し知ししらららむむんことことことははは、、、はかばかしからはかばかしからはかばかしからずずずあはつけきあはつけきあわつけきやうやうようににに覺おぼ覺おぼおぼえええたれたれたれどどど、、、などなどなどかかか又また又またまたさしもさしもさしもあらあらあらむむん。。。唯たゞ唯たゞただ我わ我わわががが身み身みみののの有樣ありさま有樣ありさまありさまからからからこそこそこそ萬よろづ萬よろづよろずののの事こと事ことこと侍はべ侍はべはべるるるめれめれめれととと思おも思おもおもひひい寄よ寄よよりりり侍はべ侍はべはべりりりししし序ついで序ついでついでににになむなむなん齡よはひ齡よはひよわいののの程ほど程ほどほどなどなどなど問と問ととひひい聞き聞ききききき侍はべ侍はべはべれれればばば、、、かのかのかの御おん御おんおん尋たづ尋たづたずねねねあべいあべいあべい事こと事ことことににになむなむなんありありありけるけるけるをををいかなべいいかなべいいかなべい事こと事ことことぞぞぞともともとも申まう申まうもうしししあきらめあきらめあきらめまほしうまほしうまほしゅう侍はべ侍はべはべるるる序ついで序ついでついでなくなくなくてててははは對面たいめん對面たいめんたいめん侍はべ侍はべはべるるるべきべきべきにににももも侍はべ侍はべはべらららずずず。。。
  8. 8やがてやがてやがて斯か斯かかかるかるかる事こと事ことことなむなむなんととと顯あら顯あらあらはしはしわし申まう申まうもうすすすべきべきべきやうやうようををを思おも思おもおもひひい廻めぐ廻めぐめぐらしらしらしてててせうそこせうそこしょうそこ申まう申まうもうしゝしゝししををを、、、御おん御おんおん惱なや惱なやなやみみみにににことつけことつけことつけててて物もの物ものもの憂う憂ううげげげにににすまひすまひすまい給たま給たまたまへへえりりりししし、、、げにげにげに折をり折をりおりしもしもしもびんなうびんなうびんのう思おも思おもおもひひいとまりとまりとまり侍はべ侍はべはべるるるににに、、、宜よろ宜よろよろしうしうしゅう物もの物ものものせせせさせさせさせ給たま給たまたまひひいけれけれければばば猶なほ猶なほなおかうかうこう思おも思おもおもひひいおこせおこせおこせるるる序ついで序ついでついでにににとととなむなむなん思おも思おもおもひひい給たま給たまたまふるふるうる。。。さやうさやうさようににに傳つた傳つたつたへへえ物もの物ものものせせせさせさせさせ給たま給たまたまへへえ」」」ととと聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

昔や今のお話をあれこれ申し上げなさるついでに、源氏は「内大臣は、日を置かずに参上なさることが多いでしょうから、このような機会にお会いできたら、どんなにうれしいでしょう。何とかしてお知らせしたいと思うことがございますが、しかるべき機会がなくては、お会いすることもめったにないので、気がかりでおりまして」と申し上げなさる。

大宮は「公務が忙しいのか、私への気持ちが深くないのか、それほど見舞いにも来てくれません。おっしゃりたいことは、どのようなことでしょうか。中将(夕霧)が恨めしく思っていることもございますが、初めのことは知りませんが、今になって無愛想に扱っても、一度立ってしまった評判が取り消せるものでもありませんし、かえって愚かしいように、世間の人も言い広めるようですのに、などと申しておりますが、言い出したことは、昔からたいそう譲らない人の性分で、納得のいかないことと見ております」と、この中将のことだとお思いになっておっしゃるので、

源氏はお笑いになって、「言っても仕方がないことと許して、見捨てなさることもあろうかと聞きまして、私からもそれとなく申し上げることもありましたが、たいそう厳しくお諫めになると知りました後は、どうしてそこまで口を出したのだろうと、体裁悪く後悔しております。何事につけても清めということがございますから、どうしてそのように取り返して、すすぎ清めなさらないことがあろうかとは存じながら、このように残念な濁りの末に待ち受けて、深く澄むはずの水は出て来にくい世の中です。何事につけても、末になれば落ちていく差が大きいようです。お気の毒に思って聞いております」などと申し上げなさって、

「実は、あの方(内大臣)がお世話なさるべき人を、思い違いをすることがございまして、思いがけず探し出して引き取っておりますが、その時は、そのような間違いとも打ち明けませんでしたので、無理に事情を問いただすこともいたしませんで、ただ、そのような子どもが少ないのを口実にしてでも、何の差し支えがあろうかと思って許して、ほとんど親しく世話をすることもなく年月を過ごしておりましたのを、どうして帝がお聞きになったのでしょう。

帝から仰せになることがあります。尚侍として宮仕えする人がいなくては、あの役所の政務がしまらず、女官なども公務をお勤めするのに頼りがなく、事が乱れるようになっていたのを、今、帝のおそばにお仕えする古参の典侍が二人、またしかるべき人々が、さまざまに志願申し上げるのを、しっかりお選びになろうとしても、その任にふさわしい人がいない。

やはり家柄が高く、世間の信望が軽くなく、家の暮らし向きの心配のない人が、昔からなってきたのである。しっかりした賢さで選ぶならば、その家柄の人でなくても、年月の功労で昇進する例はあるけれど、それに匹敵する人もいないとなれば、せめて世間の評判だけでもと、お選びになろうと、内々に仰せになったのを、不似合いなことと、どうして思いましょうか。

宮仕えは、しかるべき筋で、身分の高い者も低い者も思い立って出仕するのが、志の高いことです。公の立場で、そのような役所の事をつかさどり、政務の趣を処理して知ることは、しっかりしていない軽々しいことのように思われますが、どうしてそうばかりでしょうか。ただ、自分の身の有様次第で、何事もあるようですと思いついたついでに、年齢のほどなどを尋ねて聞きましたところ、あの方がお尋ねになるべき人であったのを、どうすべきかとも、はっきり申し上げたいのですが、機会がなくてはお会いすることもできません。

すぐにこのようなことでと打ち明けて申し上げるべき方法を考えめぐらして、お便りを差し上げたのですが、ご病気を口実にして、気が進まない様子で辞退なさったのも、本当に時期が悪いと思いとどまっておりましたところ、よくおなりになったので、やはりこのように思い立ったついでにと存じます。そのようにお伝えくださいませ」と申し上げなさる。

意訳

源氏は、内大臣に会って伝えたいことがあると言う。大宮は夕霧と雲居雁の件かと思うが、源氏は、その件には口出しを控えていると答える。

源氏は、内大臣の子であるはずの人を引き取って育ててきたこと、帝から尚侍として宮仕えするよう仰せがあったことを語り、内大臣への取り次ぎを大宮に頼む。

語釈・文法注

內侍のかみ
尚侍(ないしのかみ)。内侍司の長官で、帝のそば近くに仕え、奏上や宣下を取り次ぐ女官。后妃に準じる扱いを受けることもあった。

文法

「あべい」(かの御尋ねあべい事)
「あるべき」の音便「あんべい」の撥音無表記。「あの方がお尋ねになるはずのこと」。
「かべい」(出でき難かべい世)
「難かるべき」の音便。「出て来にくいはずの世」。

解説

源氏は、玉鬘のことを直接には言わず、遠回しに語り始める。夕霧と雲居雁の件を持ち出して内大臣の頑固さを嘆く大宮に対して、源氏は、その件には関わらないと言って、大宮に余計な期待を抱かせないようにしている。

源氏は、玉鬘を引き取ったのは「思ひまがふる事」のためだと説明する。実際には、源氏は玉鬘が内大臣の娘であることを知っていて引き取ったのだが、ここでは体裁を整えて語っている。

関連

出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、510–513頁(コマ260–261)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日