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源氏物語 第22帖 玉鬘(16)

紫の上との語らいと夕霧の訪問

登場人物:光源氏・紫の上・玉鬘・夕霧・三条・豊後介・右近

源氏は、姫君が思いのほか立派だったことを喜び、紫の上に、兵部卿宮などすき者たちの心を乱させてみたいと話す。紫の上は、妙な親だとたしなめる。源氏は手習いに、姫君を玉鬘に見立てた歌を書きつけ、夕顔を深く思っていたことがうかがえる。夕霧も姉として姫君を訪れて挨拶する。姫君の暮らしは一変し、三条は大弐を見下すようになり、豊後介は六条院の家司となって、晴れがましく思う。

六条院の西の対で、少年の夕霧が玉鬘に挨拶し、玉鬘と付き添う女房たちが恐縮しながら迎える場面(AI生成)
六条院の西の対で、少年の夕霧が玉鬘に挨拶し、玉鬘と付き添う女房たちが恐縮しながら迎える場面
  1. 1めやすくめやすくめやすくものしものしものし給たま給たまたまふふうををを嬉うれ嬉うれうれしくしくしくおぼしおぼしおぼしてててうへうへうえにににももも語かた語かたかたりりり聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう。。。「「「さるさるさる山やま山やまやまがつがつがつのののなかなかなかににに年とし年としとし經へ經へへたれたれたればばばいかにいかにいかにいとほしげいとほしげいとおしげならならならむむんとととあなづりあなづりあなずりしししををを、、、かへりてかへりてかえりて心こころ心こころこころ耻はづか耻はづかはずかしきしきしきまでまでまでなむなむなん見み見みみゆるゆるゆる
  2. 2かゝるかゝるかかるものものものありありありととといかでいかでいかで人ひと人ひとひとににに知し知ししらせらせらせててて、、、兵部卿ひやうぶきやう兵部卿ひやうぶきやうひょうぶきょうののの宮みや宮みやみやなどなどなどのののこのこのこのまがきまがきまがきのののうちうちうちこのましうこのましうこのましゅうししし給たま給たまたまふふう心こころ心こころこころみだりみだりみだりにににしししがががななな。。。すきものすきものすきものどもどもどものののいといといとうるはしうるはしうるわしだちだちだちてててのみのみのみこのこのこのわたりわたりわたりににに見み見みみゆるゆるゆるもももかゝるかゝるかかるものものものゝゝのくさはひくさはひくさわいのののなきなきなきほどほどほどなりなりなり。。。いたういたういとうもてもてもてなしなしなしてててしししがががななな。。。猶なほ猶なほなおうちうちうちあらあらあらぬぬぬ人ひと人ひとひとののの氣色けしき氣色けしきけしき見み見みみ集あつ集あつあつめめめむむん」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば、、、
  3. 3「「「あやしあやしあやしののの人ひと人ひとひとののの親おや親おやおやややや。。。まづまづまず人ひと人ひとひとののの心こころ心こころこころ勵はげま勵はげまはげまさささむむんことことことをををおぼすおぼすおぼすよよよ。。。けしからけしからけしからずずず」」」とととのたまふのたまふのたまう。。。「「「誠まこと誠まことまことににに君きみ君きみきみをををこそこそこそ今いま今いまいまののの心こころ心こころこころならならならましかましかましかばばばさやうさやうさようにににもてもてもてなしなしなしててて見み見みみつつつべかりべかりべかりけれけれけれ。。。いといといとむしんむしんむしんににに志こころざし志こころざしこころざしなしなしなしてててしししわざわざわざぞぞぞかしかしかし」」」とてとてとて笑わら笑わらわらひひい給たま給たまたまふふうにににおもておもておもて赤あか赤あかあかみみみててておはするおはするおわする、、、いといといと若わか若わかわかくくくをかしげをかしげおかしげなりなりなり
  4. 4硯すゞり硯すゞりすずりひきひきひきよせよせよせ給たま給たまたまひひいててて手て手ててならひならひならいににに。。。「「「戀こ戀ここひひいわたるわたるわたる身み身みみはははそれそれそれなれなれなれどどど玉たま玉たまたまいかなるいかなるいかなるすぢすぢすじををを尋たづ尋たづたずねねね來き來ききつつつらむらむらん」」」。。。「「「あはれあはれあわれ」」」ととと軈やが軈やがやがてててひとりごちひとりごちひとりごち給たま給たまたまへへえばばばげにげにげに深ふか深ふかふかくくくおぼしおぼしおぼしけるけるける人ひと人ひとひとののの名殘なごり名殘なごりなごりなななめりめりめりととと見み見みみ給たま給たまたまふふう。。。
  5. 5中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうののの君きみ君きみきみにににももも「「「かゝるかゝるかかる人ひと人ひとひとををを尋たづ尋たづたずねねね出い出いいでででたるたるたるををを、、、用意ようい用意よういよういしししてててむつびむつびむつびとぶらへとぶらへとぶらえ」」」とととのたまひのたまひのたまいけれけれければばばこなたこなたこなたにににまうでまうでもうで給たま給たまたまひひいててて、、、「「「人ひと人ひとひと數かず數かずかずならならならずずずともともともかゝるかゝるかかるものものものさぶらふさぶらふさぶらうととと、、、まづまづまず召め召めめししし寄よ寄よよすすすべくべくべくなむなむなん侍はべ侍はべはべりりりけるけるける。。。御おん御おんおんわたりわたりわたりのののほどほどほどにににももも參まゐ參まゐまいりりり仕つか仕つかつかうまつらうまつらうまつらざりざりざりけるけるけることことこと」」」ととといといといとまめまめしうまめまめしうまめまめしゅう聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまへへえばばば、、、かたはらいたきかたはらいたきかたわらいたきまでまでまで心こころ心こころこころ知し知ししれれれるるる人ひと人ひとひとははは思おも思おもおもふふう。。。
  6. 6心こころ心こころこころのののかぎりかぎりかぎり盡つく盡つくつくしししたりたりたりししし御おん御おんおんすまひすまひすまいなりなりなりしかしかしかどどどあさましうあさましうあさましゅう田舎ゐなか田舎ゐなかいなかびびびたりたりたりしししもももたとしへなくたとしへなくたとしえなくぞぞぞ思おも思おもおもひひいくらべくらべくらべらるゝらるゝらるるややや。。。御おん御おんおんしつらひしつらひしつらいよりよりより始はじ始はじはじめめめ今いま今いまいまめかしうめかしうめかしゅうけだかくけだかくけだかくててて親おや親おやおやはらからはらからはらからとととむつびむつびむつび聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう。。。
  7. 7御おん御おんおんさまさまさまかたちかたちかたちよりよりよりはじめはじめはじめめめめもももあやあやあやにににおぼゆるおぼゆるおぼゆるににに今いま今いまいまぞぞぞ三條さんでう三條さんでうさんじょうももも大貳だいに大貳だいにだいにをををあなづらはしくあなづらはしくあなずらわしく思おも思おもおもひひいけるけるける。。。ましてましてましてげんげんげんがががいきざしいきざしいきざしけはひけはひけわい思おも思おもおもひひい出い出いいづるづるずるもももゆゝしきゆゝしきゆゆしきことことことかぎりかぎりかぎりなしなしなし。。。
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  9. 9豐後ぶんご豐後ぶんごぶんごののの介すけ介すけすけもももなりなりなりぬぬぬ年とし年としとし比ごろ比ごろごろ田舍ゐなか田舍ゐなかいなかびびび沈しづ沈しづしずみみみたりたりたりししし心地ここち心地ここちここち俄にはか俄にはかにわかににに名殘なごり名殘なごりなごりなくなくなく、、、いかでいかでいかでかかか假かり假かりかりにににてててももも立た立たたちちち出い出いいででで見み見みみるるるべきべきべきよすがよすがよすがなくなくなくおぼえおぼえおぼえししし大殿おほとの大殿おほとのおおとのののの內うち內うちうちををを朝あさ朝あさあさ夕ゆふ夕ゆふゆうにににいでいでいで入いり入いりいりならしならしならし、、、人ひと人ひとひとをををしたがへしたがへしたがえ事こと事ことこと行おこな行おこなおこなふふう身み身みみとととなれなれなれるるるははは、、、いみじきいみじきいみじきめいぼくめいぼくめいぼくととと思おも思おもおもひひいけりけりけり。。。おとゞおとゞおとどののの君きみ君きみきみののの御心みこころ御心みこころみこころおきておきておきてのののこまかこまかこまかにににありがたうありがたうありがとうおはしますおはしますおわしますことことこといといといとかたじけなしかたじけなしかたじけなし。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

姫君が見苦しくなくていらっしゃるのをうれしくお思いになって、上(紫の上)にもお話し申し上げなさる。「あのような山里の者の中で年を過ごしたので、どんなにみっともないだろうと見くびっていたが、かえってこちらが気後れするほどに見える。

このような人がいると何とかして人に知らせて、兵部卿宮などが、この籬の内を好ましく思っていらっしゃる心を乱させてみたいものだ。すき者たちが、たいそうまじめくさってばかりこのあたりに見えるのも、このような種がないからだ。たいそう大切に扱ってみたいものだ。やはり平静でいられない人の様子を見集めよう」とおっしゃるので、

「妙な親ですこと。まず人の心をそそろうとお考えになるなんて。けしからぬことです」とおっしゃる。「本当に、あなたをこそ、今の心だったら、そのようにして見るべきだった。まったく無分別に、自分の妻にしてしまったものだよ」と言ってお笑いになると、上が顔を赤らめていらっしゃるのは、たいそう若々しく美しい。

硯を引き寄せなさって、手習いに、「恋い慕い続けているこの身は昔のままだけれど、玉鬘のようなあの人の娘は、どのような筋をたどって、私のもとに尋ねて来たのだろう」。「ああ」と、そのまま独り言をおっしゃるので、なるほど、深く思っていらっしゃった人の名残なのだろうと、上はご覧になる。

中将の君(夕霧)にも、「このような人を探し出したのを、心づかいして親しくお見舞いしなさい」とおっしゃったので、こちらに参上なさって、「人数にも入らない者ですが、このような弟がおりますと、まずお呼び寄せくださるべきでございました。お移りのときにも、参上してお仕えしませんでしたことよ」と、たいそうまじめに申し上げなさるので、そばで聞いていて気の毒なほどに、事情を知っている人は思う。

心の限りを尽くした筑紫の住まいであったけれど、あきれるほど田舎びていたのも、比べようもないほどに思い比べられることよ。お部屋の設えをはじめとして、今風で気品があって、親や兄弟として親しくお付き合い申し上げなさる。

源氏のご様子や容貌をはじめとして、目もまばゆいほどに思われるので、今こそ三条も、大弐を見下すようになった。まして監の勢いや様子を思い出すのも、縁起でもないことこの上ない。

豊後介の心ばえを、めったにないものと姫君もおわかりになり、右近もそう思って言う。いいかげんにしていては事も怠りがちになるだろうと、こちらの家司たちを定めて、しかるべきことなどを源氏はお指図になる。

豊後介も家司になった。長年田舎びて沈んでいた気持ちが、急にすっかり変わって、どうにかして仮にも出入りして見ることのできる手づるもないと思っていた大殿の中を、朝夕に出入りし慣れて、人を従えて事を執り行う身になったのは、たいそうな名誉だと思った。大臣の君のお心配りが細やかで、めったにないほどでいらっしゃることは、まことにもったいない。

意訳

源氏は、姫君が思いのほか立派だったことを喜び、紫の上に、すき者たちの心を乱させてみたいと話す。紫の上は、妙な親だとたしなめる。源氏は手習いに、姫君を玉鬘に見立てた歌を書きつけ、夕顔への深い思いがうかがえる。

夕霧も姉として姫君を訪れて挨拶する。姫君の暮らしは一変し、三条は大弐を見下すようになり、豊後介は六条院の家司となって、晴れがましく思う。

語釈・文法注

玉かづら
玉鬘。玉を緒に通した髪飾り。「筋」「絶ゆ」などの枕詞にもなる。この歌から、姫君は「玉鬘」と呼ばれる。

文法

願望の「しがな」(心みだりにしがな)
「心を乱させたいものだ」。
反実仮想の「ましかば…べかりけれ」(今の心ならましかば…見つべかりけれ)
「今の心だったら、そのようにして見るべきだった」。

和歌

戀ひわたる身はそれなれど玉かづらいかなるすぢを尋ね來つらむ

詠者
光源氏
状況
手習いに書きつけた歌。恋い慕い続けているこの身は昔のままだけれど、玉鬘のようなあの人の娘は、どのような筋をたどって、私のもとに尋ねて来たのだろう。

修辞

縁語
「玉かづら」と「すぢ」は縁語。髪飾りの玉鬘の筋に、親子の血筋・縁をかける。

解説

源氏が姫君を、すき者たちの心を乱す「くさはひ」にしようとする構想は、玉鬘十帖の物語の筋を予告している。姫君をめぐって、多くの求婚者たちが登場することになる。

夕霧は、姫君を本当の姉と信じて、まじめに挨拶する。事情を知る女房たちが「かたはらいたき」と思うのは、姉弟でない二人の関係が、やがて複雑な展開を見せることを予感させる。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、436–439頁(コマ222–223)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日