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源氏物語 第22帖 玉鬘(4)

大夫監の求婚

登場人物:大夫監・玉鬘・乳母・豊後介・少弐の息子たち・乳母の娘たち

肥後の国に、大夫監という一族が多く勢力のある武士がいた。荒々しいが好色で、美しい女を集めたいと思っていた大夫監は、姫君の噂を聞いて、障りがあっても構わないと熱心に求婚する。乳母が尼にするつもりだと断ると、大夫監はかえって肥前まで乗り込んでくる。少弐の息子のうち二人は大夫監になびき、姫君にとってもよい縁だと母を説得するが、長男の豊後介は、父の遺言どおり姫君を都に上らせるべきだと言う。大夫監は自分を立派な者と思い込んで、田舎びた手紙を送ってくる。

肥前の館の庭に、大柄で荒々しい武士の大夫監が家来を従えて乗り込み、館の者たちが恐れおののいて物陰から見ている場面(AI生成)
肥前の館の庭に、大柄で荒々しい武士の大夫監が家来を従えて乗り込み、館の者たちが恐れおののいて物陰から見ている場面
  1. 1大夫たいふ大夫たいふたいふのののとてとてとて肥後ひご肥後ひごひごののの國くに國くにくににににぞうぞうぞう廣ひろ廣ひろひろくくくてててかしこかしこかしこにににつけつけつけてててははは覺おぼ覺おぼおぼえええありありあり勢いきほひ勢いきほひいきおいいかめしきいかめしきいかめしきつはものつはものつわものありありありけりけりけり。。。むくつけきむくつけきむくつけき心こころ心こころこころのののなかなかなかににに聊いさゝか聊いさゝかいささかすきすきすきたるたるたる心こころ心こころこころのののまじりまじりまじりてててかたちかたちかたちあるあるある女をんな女をんなおんなををを集あつ集あつあつめめめててて見み見みみむむんととと思おも思おもおもひひいけるけるける。。。
  2. 2このこのこの姫君ひめぎみ姫君ひめぎみひめぎみををを聞き聞きききききつけつけつけててて「「「いみじきいみじきいみじきかたはかたはかたわありありありともともとも我われ我われわれははは見み見みみかくしかくしかくしてててもたもたもたらむらむらん」」」ととといといといとねんごろねんごろねんごろにににいひいひいいかくるかくるかくるをををいといといとむくつけくむくつけくむくつけく思おも思おもおもひひいててて、、、「「「いかでいかでいかでかかかゝるゝるかることことことををを聞き聞ききかかかででで尼あま尼あまあまににになりなりなりなむなむなんとととすすす」」」ととと言い言いいははわせせせたりたりたりけれけれければばばいよいよいよいよいよいよあやふがりあやふがりあやうがりててておしおしおしてててこのこのこの國くに國くにくにににに越こ越ここえええ來き來ききぬぬぬ。。。
  3. 3このこのこのをのこをのこおのこどもどもどもををを呼よ呼よよびびびとりとりとりててて語かた語かたかたらふらふらうことことことははは「「「思おも思おもおもふふうさまさまさまににになりなりなりなななばばば同おな同おなおなじじじ心こころ心こころこころににに勢いきほひ勢いきほひいきおいをををかはすかはすかわすべきべきべき事こと事ことこと」」」などなどなど語かた語かたかたらふらふらうににに二人ふたり二人ふたりふたりははは赴おもむ赴おもむおもむきききにににけりけりけり。。。
  4. 4「「「しばししばししばしこそこそこそ似に似ににげなくげなくげなくあはれあはれあわれととと思おも思おもおもひひい聞きこ聞きこきこえええけれけれけれおのおのおのおのおのおの我わ我わわががが身み身みみのののよるべよるべよるべととと賴たの賴たのたのまままむむんにににいといといとたのもしきたのもしきたのもしき人ひと人ひとひとなりなりなり。。。これこれこれににに惡あ惡ああしくしくしくせせせられられられてててははは、、、このこのこの近ちか近ちかちかききき世界せかい世界せかいせかいにににはははめぐらひめぐらひめぐらいなむなむなんややや。。。よきよきよき人ひと人ひとひとののの御おん御おんおんすぢすぢすじととといふいふいうともともとも親おや親おやおやににに數かず數かずかずまへまへまえられられられ奉たてまつ奉たてまつたてまつらららずずず世よ世よよににに知し知ししららられれれでででははは何なに何なになにのののかひかひかいかかかはははあらあらあらむむん。。。
  5. 5このこのこの人ひと人ひとひとのののかくかくかくねんごろねんごろねんごろににに思おも思おもおもひひい聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまへへえるるるこそこそこそ今いま今いまいまははは御おん御おんおんさいはひさいはひさいわいなれなれなれ。。。さるべきさるべきさるべきにてにてにてこそこそこそはははかゝるかゝるかかる世界せかい世界せかいせかいにににもももおはしましおはしましおわしましけめけめけめ。。。逃に逃ににげげげ隱かく隱かくかくれれれ給たま給たまたまふふうともともとも何なに何なになにのののたけきたけきたけき事こと事ことことかかかはははあらあらあらむむん。。。まけじまけじまけじだましひだましひだましいににに怒いか怒いかいかりりりなななばばばせせせぬぬぬことことことゞゞどもももゝゝもしししてててむむん」」」ととといひいひいいおどせおどせおどせばばば
  6. 6いといといといみじいみじいみじととと聞き聞きききききててて中なか中なかなかのののこのかみこのかみこのかみなるなるなるぶごぶごぶごののの介すけ介すけすけなむなむなん「「「猶なほ猶なほなおいといといとたいたいしくたいたいしくたいたいしくあたらしきあたらしきあたらしきことことことなりなりなり。。。故こ故ここ少貳せうに少貳せうにしょうにののののたまひのたまひのたまいししし事こと事ことこともももありありあり、、、とかくとかくとかくかまへかまへかまえててて京きやう京きやうきょうにににあげあげあげ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりてててむむん」」」ととといふいふいう。。。
  7. 7娘むすめ娘むすめむすめどもどもどもゝゝも泣な泣ななききき惑まど惑まどまどひひいててて母君はゝぎみ母君はゝぎみははぎみのののかひなくかひなくかいなくてててさすらへさすらへさすらえ給たま給たまたまひひいてててゆくへゆくへゆくえをををだにだにだに知し知ししらららぬぬぬかはりかはりかわりににに人ひと人ひとひとなみなみなみなみなみなみにてにてにて見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつらららむむんとととこそこそこそ思おも思おもおもふふうにににさるさるさるものものものゝゝのなかなかなかにににまじりまじりまじり給たま給たまたまひひいなむなむなんことことことゝゝと思おも思おもおもひひい歎なげ歎なげなげくくくをををももも知し知ししらららででで、、、我われ我われわれはははいといといとおぼえおぼえおぼえ高たか高たかたかききき身み身みみととと思おも思おもおもひひいててて文ふみ文ふみふみなどなどなど書か書かかきききててておこすおこすおこす。。。
  8. 8手て手ててなどなどなどきたなげきたなげきたなげなうなうのう書か書かかきききてててからからからのののしきししきししきしかうばしきかうばしきこうばしきかうかうこうににに入い入いいれれれしめしめしめつゝつゝつつをかしくをかしくおかしく書か書かかきききたりたりたりととと思おも思おもおもひひいたるたるたることばことばことばぞぞぞいといといとだみだみだみたりたりたりけるけるける。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

大夫監といって、肥後の国に一族が多く、あちらではそれなりに評判があって、勢力の盛んな武士がいた。荒々しい心の中に、少しばかり好色な心がまじっていて、容貌の美しい女を集めて妻にしようと思っていた。

この姫君のことを聞きつけて、「ひどい障りがあっても、私は見て見ぬふりをして妻にしよう」と、たいそう熱心に言い寄ってくるのを、乳母はたいそう気味悪く思って、「どうしてそのような話を聞き入れられましょう。尼になろうとしているのです」と言わせたところ、大夫監はいよいよ気をもんで、強引にこの国に越えて来た。

この少弐の息子たちを呼び寄せて相談することには、「思いどおりになったら、心を合わせて互いに力を貸そう」などと持ちかけるので、二人はなびいてしまった。

二人は母に言う。「しばらくは不似合いで気の毒なことと思い申し上げていたけれど、それぞれ自分の身の頼りとしようには、たいそう頼もしい人です。この人に憎まれては、この近辺の土地では暮らしていけないでしょう。高貴な方の血筋といっても、親に子として認められ申し上げず、世間に知られないでは、何のかいがあるでしょう。

この人がこんなに熱心に思い申し上げていらっしゃるのこそ、今となってはご幸運です。そうなるはずの宿縁で、このような土地にもいらっしゃったのでしょう。逃げ隠れなさっても、何の甲斐がありましょう。負けず嫌いの気性で怒ったら、とんでもないこともしでかすでしょう」と言っておどすので、

乳母はたいそう恐ろしいと聞いて、息子たちの中の長男である豊後介が、「やはりたいそう不都合で、惜しいことだ。故少弐がおっしゃったこともある。何とか手立てを講じて、都にお上げ申し上げよう」と言う。

娘たちも泣き惑って、「母君がかいなくも行方知れずにおなりになって、その行方さえ知らない代わりに、せめて人並みにお世話申し上げようと思っていたのに、あのような者の中に交じってしまわれることよ」と思い嘆くのも知らずに、大夫監は、自分はたいそう評判の高い身と思って、手紙などを書いてよこす。

筆跡などはそれほど見苦しくなく書いて、唐の色紙の、香ばしい香を何度もたきしめたものに、上手に書いたと思っている言葉が、ひどくなまっているのだった。

意訳

肥後の豪族・大夫監は、姫君の噂を聞いて、障りがあっても構わないと熱心に求婚し、肥前まで乗り込んでくる。少弐の息子のうち二人は大夫監になびき、姫君にとってもよい縁だと母を説得する。

長男の豊後介は、父の遺言どおり姫君を都に上らせるべきだと言う。娘たちも嘆くが、大夫監は自分を立派な者と思い込んで、田舎びた手紙を送ってくる。

語釈・文法注

大夫のげん
大夫監。大宰府の三等官である大監(だいげん)で、五位に叙せられた者。肥後の豪族で、大宰府の役人を兼ねていた。

文法

反語の「や」(めぐらひなむや)
「暮らしていけるだろうか、いや、暮らしていけない」。
「こそ…けれ」逆接(しばしこそ…思ひ聞えけれ)
「しばらくは…と思い申し上げていたけれど」。係り結びが文中で逆接の意を表す。

解説

大夫監は、地方の武士の荒々しさと滑稽さを併せ持つ人物として描かれる。都の貴族社会とはまったく異なる価値観を持つ人物の登場によって、物語は新しい色合いを帯びる。

少弐の息子たちの意見が二つに分かれるのは、地方に根を下ろした者の現実的な判断と、父の遺言を守ろうとする誠実さとの対立である。豊後介の決断が、姫君の運命を大きく変えていく。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、416–419頁(コマ212–213)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日