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源氏物語 第22帖 玉鬘(3)

美しく育つ姫君

登場人物:玉鬘・乳母・乳母の娘たち・少弐の息子たち

姫君は成長するにつれて、母の夕顔よりも美しく、父の血筋も加わって気品が高くなる。土地の好色な男たちが言い寄ってくるので、乳母は、姫君には体に障りがあるので尼にするつもりだと言いふらす。乳母は、何とかして都に連れて行き、父の内大臣に知らせたいと神仏に祈る。娘や息子たちはそれぞれ土地に住みついてしまう。姫君は世を憂いて精進を重ね、二十歳ほどになっていよいよ美しく育つ。

肥前の館の奥で、二十歳ほどに成長した美しい姫君が、数珠を手に静かに経を読み、そばで老いた乳母が案じるように見守っている場面(AI生成)
肥前の館の奥で、二十歳ほどに成長した美しい姫君が、数珠を手に静かに経を読み、そばで老いた乳母が案じるように見守っている場面
  1. 1このこのこの君きみ君きみきみねびねびねび整とゝの整とゝのととのひひい給たま給たまたまふふうまゝまゝままににに母君はゝぎみ母君はゝぎみははぎみよりよりよりもももまさりまさりまさりててて淸きよ淸きよきよらにらにらに父ちゝ父ちゝちちおとゞおとゞおとどのののすぢすぢすじさへさへさへ加くは加くはくわはれはれわればばばにににややや品しな品しなしな高たか高たかたかくくく美うつく美うつくうつくしげしげしげなりなりなり。。。心こころ心こころこころばせばせばせおほどかおほどかおおどかにににあらまほしうあらまほしうあらまほしゅう物もの物ものものししし給たま給たまたまふふう。。。
  2. 2聞き聞きききききついついついつゝつゝつつすいすいすいたるたるたる田舍ゐなか田舍ゐなかいなか人びと人びとびとどもどもども心こころ心こころこころがけがけがけせうそこせうそこしょうそこがるがるがるいといといと多おほ多おほおおかりかりかり。。。ゆゝしくゆゝしくゆゆしくめざましくめざましくめざましく覺おぼ覺おぼおぼゆれゆれゆればばば誰たれ誰たれたれももも誰たれ誰たれたれももも聞き聞ききききき入い入いいれれれずずず。。。
  3. 3「「「かたちかたちかたちなどなどなどはははさてさてさてもももありありありぬぬぬべけれべけれべけれどどどいみじきいみじきいみじきかたはかたはかたわのののあれあれあればばば人ひと人ひとひとにににももも見み見みみせせせででで尼あま尼あまあまににになしなしなしててて我わ我わわががが世よ世よよののの限かぎり限かぎりかぎりはははもたもたもたらむらむらん」」」ととといひいひいい散ちら散ちらちらしししたれたれたればばば「「「故こ故ここ少貳せうに少貳せうにしょうにのののうまごうまごうまごはははかたはかたはかたわなむなむなんあああなるなるなる、、、あたらあたらあたらものものものををを」」」ととといふいふいう。。。
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引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

この君は成長して整っていかれるにつれて、母君よりもまさって美しく、父大臣の血筋までが加わっているからであろうか、気品が高くかわいらしい。気立てもおっとりとして、理想的でいらっしゃる。

噂を聞きつけては、好色な田舎人たちが心をかけて、手紙をよこしたがる者がたいそう多い。不吉で心外に思われるので、誰も誰も聞き入れない。

「容貌などはまあ人並みでしょうけれど、ひどい体の障りがあるので、人にも見せずに尼にして、私の生きている限りは手元においておこう」と言いふらしたので、「故少弐の孫は体に障りがあるそうだ。惜しいことよ」と人々は言う。

それを聞くのも縁起でもなく、「何とかして都にお連れ申し上げて、父大臣にお知らせ申し上げたい。幼いころをたいそうかわいいとお思い申し上げていらっしゃったのだから、いくら何でもおろそかにはお見捨て申し上げなさるまい」などと言って嘆く。神仏に願を立てて祈った。

娘たちも息子たちも、土地に応じた縁者ができて住みついてしまった。心の中では急いで都へと思っているけれど、都のことはますます遠ざかるように隔たっていく。姫君は物事がおわかりになるにつれて、世の中をたいそうつらいものとお思いになって、年三度の長精進などをなさる。

二十歳ほどにおなりになるにつれて、すっかり整って、たいそう惜しいほどすばらしい。この住む所は肥前の国といった。そのあたりでも、少しでも由緒ある人は、まずこの少弐の孫の様子を聞き伝えて、やはり絶えず便りをよこすのも、たいそうひどく耳にうるさいほどである。

意訳

姫君は成長するにつれて、母の夕顔よりも美しく、父の血筋も加わって気品が高くなる。言い寄る男たちを避けるため、乳母は姫君には体に障りがあると言いふらす。

乳母は、姫君を都に連れて行き、父の内大臣に知らせたいと神仏に祈る。子どもたちは土地に住みつき、上京はますます遠のく。姫君は世を憂いて精進を重ね、二十歳ほどになっていよいよ美しく育つ。

語釈・文法注

ねさう
年三(ねんさう)。正月・五月・九月の年三度、長精進をして身を清めること。

文法

伝聞の「なる」(かたはなむあなる)
「あるなる」の撥音便「あんなる」の撥音無表記。「障りがあるそうだ」。
打消推量の「じ」(思ひ捨て聞え給はじ)
「お見捨て申し上げなさるまい」。

解説

乳母が姫君に障りがあると偽るのは、好色な田舎の男たちから姫君を守るための苦肉の策である。姫君の美しさが、かえって身の危険を招くことになる。

姫君が「世をいと憂きもの」と思って精進を重ねる姿には、都から遠く離れ、親にも知られずに生きる身の寂しさがにじむ。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、416–417頁(コマ212)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日