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源氏物語 第21帖 少女(7)

内大臣の立ち聞き

登場人物:内大臣(頭中将)・女房たち・雲居雁・夕霧・大宮

帰るふりをして忍んで女房のもとに立ち寄った内大臣は、女房たちが、夕霧と雲居雁の仲を噂し、賢ぶっていても親は子を知らないものだと陰口をきくのを立ち聞きする。内大臣は、幼いからと油断していたことを悔やみ、何も言わずに帰る。女房たちは、聞かれてしまったかとうろたえる。内大臣は、源氏が弘徽殿の女御を押さえたことも恨めしく、雲居雁を東宮妃にという望みも崩れたと、眠れぬ夜を過ごす。

夜の大宮邸の廊下で、帰るふりをした内大臣が物陰に身をひそめ、女房たちのささやき声に険しい表情で耳を澄ませている場面(AI生成)
夜の大宮邸の廊下で、帰るふりをした内大臣が物陰に身をひそめ、女房たちのささやき声に険しい表情で耳を澄ませている場面
  1. 1おとゞおとゞおとど出い出いいででで給たま給たまたまひひいぬるぬるぬるやうやうようにてにてにて忍しの忍しのしのびびびててて人ひと人ひとひとににに物もの物ものもののたまふのたまふのたまうとてとてとて立た立たたちちち給たま給たまたまへへえりりりけるけるけるををを、、、やをらやをらやおらかいかいかいほそりほそりほそりててて出い出いいででで給たま給たまたまふふう道みち道みちみちにににかゝるかゝるかかるさゝめきごとさゝめきごとささめきごとをををするするするににに怪あや怪あやあやしうしうしゅうなりなりなり給たま給たまたまひひいててて御おん御おんおん耳みゝ耳みゝみみとゞめとゞめとどめ給たま給たまたまへへえばばばわがわがわが御おん御おんおん上うへ上うへうえをををぞぞぞいふいふいう。。。
  2. 2「「「かしこがりかしこがりかしこがり給たま給たまたまへへえどどど人ひと人ひとひとののの親おや親おやおやよよよおのづからおのづからおのずからをれをれおれたるたるたることことことこそこそこそ出い出いいでででくべかくべかくべかめれめれめれ。。。子こ子ここををを知し知ししるるるととといふいふいうははは空言そらごと空言そらごとそらごとなめりなめりなめりなどなどなどぞぞぞつきつきつきじろふじろふじろう。。。
  3. 3あさましくあさましくあさましくもももあるあるあるかなかなかな、、、さればよさればよさればよ、、、思おも思おもおもひひいよらよらよらぬぬぬことことことにににはははあらあらあらねねねどどどいはけなきいはけなきいわけなきほどほどほどにににうちうちうちたゆみたゆみたゆみててて、、、世よ世よよはははうきうきうきものものものにににもももありありありけるけるけるかなかなかなととと氣色けしき氣色けしきけしきをををつぶつぶつぶつぶつぶつぶととと心こころ心こころこころえええ給たま給たまたまへへえどどど、、、音おと音おとおともももせせせででで出い出いいででで給たま給たまたまひひいぬぬぬ。。。
  4. 4御おん御おんおんさきさきさきおふおふおう聲こゑ聲こゑこえのののいかめしきいかめしきいかめしきにににぞぞぞ、、、殿との殿とのとのははは今いま今いまいまこそこそこそ出い出いいでででさせさせさせ給たま給たまたまひひいけれけれけれ。。。いづれいづれいずれののの隈くま隈くまくまにににおはしましおはしましおわしましつつつらむらむらん。。。今いま今いまいまさへさへさへかゝるかゝるかかるあだけあだけあだけこそこそこそ」」」ととといひいひいいあへあへあえりりり。。。
  5. 5さゝめきごとさゝめきごとささめきごとののの人々びと人々びとびとははは「「「いといといとかうばしきかうばしきこうばしき香か香かかのののうちうちうちそよめきそよめきそよめき出い出いいでででつるつるつるはははくわざくわざかざののの君きみ君きみきみのののおはしましおはしましおわしましつるつるつるとととこそこそこそ思おも思おもおもひひいつれつれつれ。。。あなあなあなむくつけむくつけむくつけややや。。。しりうごとしりうごとしりゅうごとやややほのほのほの聞きこ聞きこきこししし召め召めめしししつつつらむらむらん。。。煩わづら煩わづらわずらはしきはしきわしき御心みこころ御心みこころみこころををを」」」とととわびわびわびあへあへあえりりり。。。
  6. 6殿との殿とのとのははは道みち道みちみちすがらすがらすがらおぼすおぼすおぼすににに、、、いといといと口くち口くちくちをしくをしくおしく惡あ惡ああしきしきしきことことことにににはははあらあらあらねねねどどど、、、珍めづら珍めづらめずらしげしげしげなきなきなきあはひあはひあわいににに世よ世よよののの人ひと人ひとひとももも思おも思おもおもひひいいふいふいうべきべきべきことことこと、、、おとゞおとゞおとどののの强し强ししひひいててて女御にようご女御にようごにようごをををおしおしおししづめしづめしずめ給たま給たまたまふふうもももつらきつらきつらきににに、、、わくらはわくらはわくらわににに人ひと人ひとひとにににまさるまさるまさることことこともももやややとととこそこそこそ思おも思おもおもひひいつれつれつれ、、、妬ねた妬ねたねたくくくもももあるあるあるかなかなかなとととおぼすおぼすおぼす。。。
  7. 7殿との殿とのとのののの御おん御おんおん中なか中なかなかののの大おほ大おほおおかたかたかたにににははは昔むかし昔むかしむかしももも今いま今いまいまもももいといといとよくよくよくおはしおはしおわしながらながらながらかやうかやうかようののの方かた方かたかたにてにてにてははは挑いど挑いどいどみみみ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまひひいししし名殘なごり名殘なごりなごりもももおぼしおぼしおぼし出い出いいでででゝゝて心こころ心こころこころうけれうけれうければばば寢ね寢ねね覺ざめ覺ざめざめがちがちがちにてにてにて明あか明あかあかししし給たま給たまたまふふう。。。
  8. 8大宮おほみや大宮おほみやおおみやもももさやうさやうさようののの氣色けしき氣色けしきけしきははは御覽ごらん御覽ごらんごらんずずずらむらむらんものものものををを世よ世よよににになくなくなく悲かな悲かなかなしうしうしゅうししし給たま給たまたまふふう御おん御おんおんうまごうまごうまごにてにてにて任まか任まかまかせせせててて見み見みみ給たま給たまたまふふうならならならむむんととと、、、人々びと人々びとびとのののいひいひいいししし氣色けしき氣色けしきけしきをををめざましうめざましうめざましゅう妬ねた妬ねたねたしししととと思おぼ思おぼおぼすすすににに御心みこころ御心みこころみこころ動うご動うごうごきききててて少すこ少すこすこしししをゝしうをゝしうおおしゅうあざやぎあざやぎあざやぎたるたるたる御心みこころ御心みこころみこころにににははは鎭しづ鎭しづしずめめめがたしがたしがたし。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

大臣(内大臣)は、お帰りになったようにして、忍んで女房に話をなさろうとして立ち寄っていらっしゃったが、そっと身を細めてお出になる途中で、このようなひそひそ話をしているので、不審にお思いになって、お耳をとめなさると、ご自分の身の上のことを言っている。

「賢ぶっていらっしゃるけれど、人の親ですよ。自然とうかつなことが起こるようです。子を知るは親というのは、うそのようですね」などと、つつき合っている。

あきれたことだ、やはりそうだったか、思いもよらないことではなかったが、幼い年頃だと油断していて、世の中はつらいものでもあったよと、事情をこまごまとお悟りになったけれど、音も立てずにお出になった。

前駆を追う声がいかめしいので、女房たちは「殿は今になってお出ましになったのですね。どこの隅にいらっしゃったのでしょう。今でもこのような浮気沙汰を」と言い合っている。

ひそひそ話をしていた女房たちは、「たいそうかぐわしい香りがさっと漂ってきたのは、冠者の君がいらっしゃったのだとばかり思っていました。ああ、気味が悪い。陰口をちらっとお聞きになったでしょうか。気難しいご性分なのに」と困り合っている。

殿は道すがらお思いになるにつけても、たいそう残念で、悪いことではないけれど、珍しくもない間柄だと、世の人も思い言うに違いないこと、また大臣(源氏)が無理に女御を押さえつけなさったのもつらいのに、もしや雲居雁がたまたま人にまさることもあろうかと思っていたのに、悔しいことだとお思いになる。

殿(源氏)とのお仲は、おおよそ昔も今もたいそうよくていらっしゃりながら、このような方面では張り合い申し上げなさった名残もお思い出しになって、不愉快なので、寝覚めがちに夜を明かしなさる。

大宮も、そのような様子はご存じだろうに、この上なくかわいがりなさる御孫たちなので、好きにさせて見ていらっしゃるのだろうと、女房たちが言った様子を、心外で悔しいとお思いになるので、お心が動いて、少し男らしくはっきりしたご性分には、静めがたい。

意訳

内大臣は、女房たちが夕霧と雲居雁の仲を噂し、親は子を知らないものだと陰口をきくのを立ち聞きする。内大臣は、幼いからと油断していたことを悔やみ、何も言わずに帰る。女房たちは、聞かれてしまったかとうろたえる。

内大臣は、源氏が女御の立后を阻んだことも恨めしく、雲居雁に寄せた望みも崩れたと、眠れぬ夜を過ごす。大宮が二人の仲を黙認していたのではないかと思うと、怒りを静めがたい。

語釈・文法注

子を知るは
「子を知るは父に如くはなし」(子を最もよく知るのは父親である)という中国の古い言葉による。女房たちは、それがうそだと皮肉っている。

文法

「さればよ」(さればよ、思ひよらぬことにはあらねど)
「やはりそうだったか」。予想が当たったときの言葉。
強意の「こそ…已然形」(思ひつれ)
「…とこそ思ひつれ」で「…と思っていたのに」。逆接の余韻を残す。

解説

内大臣が立ち聞きによって娘の秘密を知る場面は、物語に緊張をもたらす。かつて源氏と張り合った頭中将としての対抗意識が、娘の恋への怒りと重なって燃え上がる。

女房たちの陰口は、宮仕えの世界のうわさ話の生々しさを伝える。内大臣を「親は子を知らない」と皮肉る言葉は、身分の高い人々も女房の目から逃れられないことを示している。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、392–393頁(コマ199)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日