古典ライブラリー

源氏物語 第12帖 須磨(11)

筑紫の五節と須磨の冬

登場人物:光源氏・大宰大弐・筑紫の五節・筑前守・朱雀帝・冷泉帝・藤壺・弘徽殿大后・紫の上・良清・民部大輔(惟光)

大宰大弐が任を終えて上京する途中、須磨の沖を通る。大弐は源氏に挨拶を送り、子の筑前守が見舞う。娘の五節は琴の音に心ひかれて歌を贈る。都では、帝や東宮が源氏を恋しく思うが、大后の非難を恐れて誰も便りをしなくなる。紫の上は女房たちに慕われながら、源氏を思い続ける。冬の須磨で、源氏は琴を弾き、王昭君の故事を思い、月や千鳥に寄せて歌を詠む。

冬の夜の須磨、雪の降り荒れる中、源氏が琴を弾き、良清が歌い、惟光が横笛を吹いている場面(AI生成)
冬の夜の須磨、雪の降り荒れる中、源氏が琴を弾き、良清が歌い、惟光が横笛を吹いている場面
  1. 1そのそのその頃ころ頃ころころ大貳だいに大貳だいにだいにははは上のぼ上のぼのぼりりりけるけるける。。。いかめしういかめしういかめしゅうるゐるゐるいひろくひろくひろく、、、むすめむすめむすめがちがちがちにてにてにて所ところ所ところところせかりせかりせかりけれけれければばば北きた北きたきたののの方かた方かたかたははは船ふね船ふねふねにてにてにてのぼるのぼるのぼる。。。浦うら浦うらうらづたひづたひづたいににに逍遙せうえう逍遙せうえうしょうようしししつゝつゝつつくるくるくるににに外ほか外ほかほかよりよりよりおもしろきおもしろきおもしろきわたりわたりわたりなれなれなればばば心こころ心こころこころとまるとまるとまるににに、、、
  2. 2大將だいしやう大將だいしやうだいしょうかくかくかくててておはすおはすおわすととと聞き聞ききけけけばばば、、、あいなうあいなうあいのうすいすいすいたるたるたる若わか若わかわかきききむすめむすめむすめたちたちたちははは、、、船ふね船ふねふねののの內うち內うちうちさへさへさへ耻はづ耻はづはずかしうかしうかしゅう心こころ心こころこころげさうげさうげそうせせせらるらるらる。。。ましてましてまして五節ごせち五節ごせちごせちののの君きみ君きみきみははは綱手つなで綱手つなでつなでひきひきひき過す過すすぐるぐるぐるももも口くち口くちくちをしきをしきおしきにににきんきんきんののの聲こゑ聲こゑこえ風かぜ風かぜかぜにににつきつきつきててて遙はるか遙はるかはるかににに聞きこ聞きこきこゆるゆるゆるににに、、、
  3. 3所ところ所ところところのののさまさまさま人ひと人ひとひとののの御おん御おんおんほどほどほど物もの物ものもののののねねねののの心こころ心こころこころぼそさぼそさぼそさ取と取ととりりり集あつ集あつあつめめめ心こころ心こころこころあるあるあるかぎりかぎりかぎり皆みな皆みなみな泣な泣ななきききにににけりけりけり。。。そちそちそち、、、御おん御おんおんせうそこせうそこしょうそこきこえきこえきこえたりたりたり。。。
  4. 4「「「いといといと遙はるか遙はるかはるかなるなるなるほどほどほどよりよりより罷まか罷まかまかりりり上のぼ上のぼのぼりりりてててはははまづまづまずいつしかいつしかいつしか侍さぶら侍さぶらさぶらひひいててて都みやこ都みやこみやこののの御おん御おんおん物語ものがたり物語ものがたりものがたりもももとととこそこそこそ思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえ侍はべ侍はべはべりりりつれつれつれ。。。思おもひ思おもひおもいののの外ほか外ほかほかにににかくかくかくててておはしましおはしましおわしましけるけるける御おん御おんおんやどりやどりやどりををを罷まか罷まかまかりりり過す過すすぎぎぎ侍はべ侍はべはべるるる、、、かたじけなくかたじけなくかたじけなく悲かな悲かなかなしうしうしゅうももも侍はべ侍はべはべるるるかなかなかな。。。
  5. 5あひあひあいしりしりしりててて侍はべ侍はべはべるるる人々びと人々びとびとさるべきさるべきさるべきこれかれこれかれこれかれまでまでまで來き來きき迎むか迎むかむかひひいてててあまたあまたあまた侍はべ侍はべはべれれればばば所ところ所ところところせきせきせきををを思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえ憚はばか憚はばかはばかりりり侍はべ侍はべはべるるる事こと事ことことどもどもども侍はべ侍はべはべりりりてててえええ侍さぶ侍さぶさぶらはらはらわぬぬぬことことこと、、、殊更ことさら殊更ことさらことさらににに參まゐ參まゐまいりりり侍はべ侍はべはべらららむむん」」」などなどなど聞きこ聞きこきこえええたりたりたり。。。
  6. 6子こ子ここののの筑前ちくぜん筑前ちくぜんちくぜんののの守かみ守かみかみぞぞぞ參まゐ參まゐまいれれれるるる。。。このこのこの殿との殿とのとのののの藏人くらうど藏人くらうどくろうどににになしなしなし顧かへり顧かへりかえりみみみ給たま給たまたまひひいししし人ひと人ひとひとなれなれなればばば、、、いといといともももかなしかなしかなしいみじいみじいみじととと思おも思おもおもへへえどもどもども又また又またまた見み見みみるるる人々びと人々びとびとのののあれあれあればばば聞きこ聞きこきこえええをををおもひおもひおもいててて暫しば暫しばしばしししももも立た立たたちちちとまらとまらとまらずずず。。。
  7. 7「「「都みやこ都みやこみやこ離はな離はなはなれれれててて後のち後のちのち昔むかし昔むかしむかし親した親したしたしかりしかりしかりししし人々びと人々びとびとあひあひあい見み見みみるるる事こと事ことこと難かた難かたかとうううのみのみのみなりなりなりにににたるたるたるにににかくかくかくわざとわざとわざと立た立たたちちちよりよりより物もの物ものものしししたるたるたることことこと」」」とととのたまふのたまふのたまう。。。御おん御おんおん返かへ返かへかえりりりもももさやうさやうさようににになむなむなん。。。守かみ守かみかみなくなくなくなくなくなくかへりかへりかえりててておはするおはするおわする御おん御おんおん有樣ありさま有樣ありさまありさま語かた語かたかたるるるににに、、、そちそちそちよりよりよりはじめはじめはじめ迎むかへ迎むかへむかえののの人々びと人々びとびとまがまがしうまがまがしうまがまがしゅう泣な泣ななきききみちみちみちたりたりたり。。。
  8. 8五節ごせち五節ごせちごせちはははとかくとかくとかくしししててて聞きこ聞きこきこえええたりたりたり。。。「「「琴こと琴ことことののの音ね音ねねにににひきひきひきとめとめとめらるゝらるゝらるる綱手繩つなでなは綱手繩つなでなはつなでなわたゆたふたゆたふたゆたうこゝろこゝろこころ君きみ君きみきみしるしるしるらめらめらめややや。。。すきずきしさすきずきしさすきずきしさももも人ひと人ひとひとなななとがめとがめとがめそそそ」」」ととと聞きこ聞きこきこえええたりたりたり。。。ほゝえみほゝえみほほえみててて見み見みみ給たま給たまたまふふう。。。いといといとはづかしげはづかしげはずかしげなりなりなり。。。
  9. 9「「「心こころ心こころこころありありありてててひくてひくてひくてののの綱つな綱つなつなのののたゆたはたゆたはたゆたわゞゞばうちうちうち過す過すすぎぎぎましましましややや須磨すま須磨すますまのののうらなみうらなみうらなみ。。。いさりいさりいさりせせせむむんとととははは思おも思おもおもははわざりざりざりしししはははややや」」」とととありありあり。。。うまやうまやうまやのののをさをさおさににに句詩くし句詩くしくしとらするとらするとらする人ひと人ひとひともももありありありけるけるけるをををましてましてまして落お落おおちちちとまりとまりとまりぬぬぬべくべくべくなむなむなんおぼえおぼえおぼえけるけるける。。。
  10. 10都みやこ都みやこみやこにににははは月日つきひ月日つきひつきひ過す過すすぐるぐるぐるまゝまゝままににに帝みかど帝みかどみかどををを始はじ始はじはじめめめ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりててて戀こ戀ここひひい聞きこ聞きこきこゆるゆるゆる折をり折をりおりふしふしふし多おほ多おほおおかりかりかり。。。春宮とうぐう春宮とうぐうとうぐうはははましてましてまして常つね常つねつねにににおぼしおぼしおぼし出い出いいでででつゝつゝつつ忍しの忍しのしのびびびててて泣な泣ななききき給たま給たまたまふふうををを、、、見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる御おん御おんおん乳母めのと乳母めのとめのとましてましてまして命婦みやうぶ命婦みやうぶみょうぶののの君きみ君きみきみはははいみじういみじういみじゅう哀あはれ哀あはれあわれににに見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる。。。
  11. 11入道にふだう入道にふだうにゅうどうののの宮みや宮みやみやははは春宮とうぐう春宮とうぐうとうぐうののの御おん御おんおん事こと事ことことをををゆゝしうゆゝしうゆゆしゅうのみのみのみおぼしおぼしおぼしゝゝしににに大將だいしやう大將だいしやうだいしょうもももかくかくかくさすらへさすらへさすらえ給たま給たまたまひひいぬるぬるぬるをををいみじういみじういみじゅうおぼしおぼしおぼし歎なげ歎なげなげかかかるるる。。。
  12. 12御おん御おんおんはらからはらからはらからのののみみみ子こ子ここたちたちたちむつましうむつましうむつましゅう聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまひひいししし上達部かんだちめ上達部かんだちめかんだちめなどなどなど始はじめ始はじめはじめつかたつかたつかたはははとぶらひとぶらひとぶらい聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふうなどなどなどありありありききき。。。あはれあはれあわれなるなるなる文ふみ文ふみふみををを作つく作つくつくりりりかはしかはしかわし、、、それそれそれにににつけつけつけてててももも世よ世よよののの中なか中なかなかにににのみのみのみめでめでめでられられられ給たま給たまたまへへえばばばきさいきさいきさいののの宮みや宮みやみや聞きこ聞きこきこししし召め召めめしししててていみじくいみじくいみじくののの給たま給たまたまひひいけりけりけり。。。
  13. 13「「「おほやけおほやけおおやけのののなるなるなる人ひと人ひとひとははは心こころ心こころこころにににまかせまかせまかせてててこのこのこの世よ世よよのののあぢはひあぢはひあじわいをををだにだにだに知し知ししるるる事こと事ことこと難かた難かたかとうううこそこそこそあああなれなれなれ。。。おもしろきおもしろきおもしろき家居いへゐ家居いへゐいえいしししててて世よ世よよののの中なか中なかなかををを誹そし誹そしそしりりりもどきもどきもどきててて、、、かのかのかの鹿しか鹿しかしかををを馬むま馬むまうまととと言い言いいひひいけむけむけん人ひと人ひとひとのののひがめひがめひがめるるるやうやうようにににするするする」」」などなどなどあしきあしきあしき事こと事ことことももも聞きこ聞きこきこえええけれけれければばば、、、わづらはしわづらはしわずらわしとととててて絕た絕たたえええてててせうそこせうそこしょうそこ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう人ひと人ひとひとなしなしなし。。。
  14. 14二條院にでうのゐん二條院にでうのゐんにじょういんののの姫君ひめぎみ姫君ひめぎみひめぎみははは程ほど程ほどほど經ふ經ふふるるるまゝまゝままにににおぼしおぼしおぼし慰なぐさ慰なぐさなぐさむむむをりをりおりなしなしなし。。。東ひんがし東ひんがしひんがしののの對たい對たいたいににに侍さぶら侍さぶらさぶらひひいししし人ひと人ひとひとどもどもども皆みな皆みなみな渡わた渡わたわたりりり參まゐ參まゐまいりりりしししはじめはじめはじめはははなどなどなどかかかさしもさしもさしもあらあらあらむむんととと思おも思おもおもひひいしかしかしかどどど、、、
  15. 15見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり馴な馴ななるゝるゝるるまゝまゝままににに懷なつか懷なつかなつかしうしうしゅうをかしきをかしきおかしき御おん御おんおん有樣ありさま有樣ありさまありさままめやかまめやかまめやかなるなるなる御心みこころ御心みこころみこころばへばへばえももも思おも思おもおもひひいやりやりやり深ふか深ふかふこうううあはれあはれあわれなれなれなればばば、、、まかでまかでまかでちるちるちるもももなしなしなし。。。なべてなべてなべてならならならぬぬぬきはきはきわののの人々びと人々びとびとにににはははほのほのほの見み見みみえええなどなどなどししし給たま給たまたまふふう。。。そこらそこらそこらのののなかなかなかにににすぐれすぐれすぐれたるたるたる御おん御おんおん心こころ心こころこころざしざしざしもももことわりことわりことわりなりなりなりけりけりけりととと見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる。。。
  16. 16かのかのかの御おん御おんおん住すま住すますまひひいにににははは久ひさ久ひさひさしうしうしゅうなるなるなるまゝまゝままににに、、、えええ念ねん念ねんねんじじじ過す過すすごすごすごすまじうまじうまじゅうおぼえおぼえおぼえ給たま給たまたまへへえどどど、、、我わ我わわががが身み身みみだにだにだにあさましきあさましきあさましき宿世すくせ宿世すくせすくせととと覺おぼ覺おぼおぼゆるゆるゆる住す住すすまひまひまいにににいかでいかでいかでかかかははは打う打ううちちち具ぐ具ぐぐしししてててはははつきなからつきなからつきなからむむんさまさまさまををを思おも思おもおもひひい返かへ返かへかえししし給たま給たまたまふふう。。。
  17. 17所ところ所ところところにににつけつけつけてててははは萬よろづ萬よろづよろずののの事こと事ことことさまさまさまかはりかはりかわり見み見みみ給たま給たまたまへへえ知し知ししらららぬぬぬしもびとしもびとしもびとのののうへうへうえをををももも、、、見み見みみ給たま給たまたまひひいならはならはならわぬぬぬ御おん御おんおん心こころ心こころこころちちちにににめざましうめざましうめざましゅうかたじけなうかたじけなうかたじけのうみづからみづからみずからおぼさるおぼさるおぼさる。。。
  18. 18煙けぶり煙けぶりけぶりのののいといといと近ちか近ちかちかくくく時々ときどき時々ときどきときどきたちたちたちくるくるくるをををこれこれこれややや海士あま海士あまあまののの鹽しほ鹽しほしお燒や燒ややくくくならならならむむんとととおぼしおぼしおぼしわたるわたるわたるははは、、、おはしますおはしますおわしますうしろうしろうしろののの山やま山やまやまににに柴しば柴しばしばととといふいふいうものものものふすぶるふすぶるふすぶるなりなりなりけりけりけり。。。めづらかめづらかめずらかにてにてにて、、、「「「山やま山やまやまがつがつがつのののいほりいほりいおりにににたけるたけるたけるしばしばしばしばしばしばもももことことことゝひゝひといこここなむなむなん戀こ戀ここふるふるうるさとさとさと人びと人びとびと」」」。。。
  19. 19冬ふゆ冬ふゆふゆににになりなりなりててて雪ゆき雪ゆきゆきふりふりふり荒あ荒ああれれれたるたるたる頃ころ頃ころころ、、、空そら空そらそらののの氣色けしき氣色けしきけしきもももことことことににに凄すご凄すごすごくくく眺なが眺ながながめめめ給たま給たまたまひひいてててきんきんきんををを彈ひ彈ひひきききすさびすさびすさび給たま給たまたまひひいててて、、、良淸よしきよ良淸よしきよよしきよににに歌うた歌うたうたうたはうたはうたわせせせ大輔たいふ大輔たいふたいふ横笛よこぶえ横笛よこぶえよこぶえ吹ふ吹ふふきききててて遊あそ遊あそあそびびび給たま給たまたまふふう。。。心こころ心こころこころ留とど留とどとどめめめてててあはれあはれあわれなるなるなる手て手ててなどなどなど彈ひ彈ひひききき給たま給たまたまへへえるるるにににことことことものものものゝゝの聲こゑ聲こゑこえどもどもどもはははやめやめやめててて淚なみだ淚なみだなみだをををのごひのごひのごいあへあへあえりりり。。。
  20. 20むかしむかしむかし胡こ胡ここののの國くに國くにくにににに遣つかは遣つかはつかわしししけむけむけんをををおぼしおぼしおぼしやりやりやりてててましてましてましていかばかりいかばかりいかばかりなりなりなりけむけむけん、、、このこのこの世よ世よよににに我わ我わわががが思おも思おもおもひひい聞きこ聞きこきこゆるゆるゆる人ひと人ひとひとなどなどなどをををさやうさやうさようににに放はな放はなはなちちちやりやりやりたらたらたらむむんことことことなどなどなど思おも思おもおもふふうももも、、、あらあらあらむむん事こと事ことことのののやうやうようにににゆゝしくゆゝしくゆゆしくててて「「「霜しも霜しもしもののの後のち後のちのちののの夢ゆめ夢ゆめゆめ」」」とととずしずしずし給たま給たまたまふふう。。。
  21. 21月つき月つきつきいといといとあかうあかうあこうさしさしさし入い入いいりりりてててはかなきはかなきはかなき旅たび旅たびたびのののおましおましおまし所どころ所どころどころははは奥おく奥おくおくまでまでまでくまくまくまなしなしなし。。。ゆかゆかゆかののの上うへ上うへうえににに夜よ夜よよ深ふか深ふかふかききき空そら空そらそらももも見み見みみゆゆゆ。。。入方いりがた入方いりがたいりがたののの月つき月つきつきすごくすごくすごく見み見みみゆるゆるゆるににに「「「唯ただ唯ただただこれこれこれ西にし西にしにしににに行ゆ行ゆゆくくくなりなりなりとととひとりごちひとりごちひとりごち給たま給たまたまひひいててて、、、
  22. 22「「「いづかたいづかたいずかたののの雲路くもぢ雲路くもぢくもじにににわれわれわれもももまよひまよひまよいなななむむん月つき月つきつきののの見み見みみるるるらむらむらんことことこともももはづかしはづかしはずかし」」」とととひとりごちひとりごちひとりごち給たま給たまたまひひいててて例れい例れいれいのののまどろままどろままどろまれれれぬぬぬあかつきあかつきあかつきののの空そら空そらそらににに千鳥ちどり千鳥ちどりちどりいといといとあはれあはれあわれににになくなくなく。。。「「「ともともとも千鳥ちどり千鳥ちどりちどりもろごゑもろごゑもろごえににになくなくなくあかつきあかつきあかつきはははひとりひとりひとりねざめねざめねざめのののとことことこもももたのもしたのもしたのもし」」」。。。
  23. 23またまたまた起お起おおきききたるたるたる人ひと人ひとひともももなけれなけれなければばば返かへ返かへかえすすす返がへ返がへがえすすすひとりごちひとりごちひとりごちててて臥ふ臥ふふししし給たま給たまたまへへえりりり。。。夜よ夜よよ深ふか深ふかふかくくく御おん御おんおんてうづてうづちょうずまゐりまゐりまいりててて御おん御おんおん念誦ねんず念誦ねんずねんずなどなどなどししし給たま給たまたまふふうももも珍めづら珍めづらめずらしきしきしきことことことのののやうやうようにににめでたくめでたくめでたくのみのみのみおぼえおぼえおぼえ給たま給たまたまへへえばばばえええ見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり捨す捨すすてててずずず、、、家いへ家いへいえにににあからさまあからさまあからさまにににもももえええ出い出いいでででざりざりざりけりけりけり。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

そのころ、大宰大弐が上京してきた。たいそう大勢の一族で、娘が多くて手狭だったので、北の方は船で上る。浦伝いに遊覧しながら来ると、ほかよりも趣深いあたりなので心がひかれるうえに、大将がここにいらっしゃると聞くので、わけもなく色めいた若い娘たちは、船の中にいるのにさえ気恥ずかしく、心づかいをしている。

まして五節の君は、綱手を引いて通り過ぎるのも残念なのに、琴の音が風に乗って遠くから聞こえてくるので、場所の様子や源氏のご身分、楽の音の心細さが重なって、心ある者は皆泣いてしまった。大弐は、お便りを差し上げた。

「たいそう遠い所から上京してまいりましては、まず真っ先に参上して、都のお話でもと存じておりました。思いのほかに、このようにいらっしゃるお住まいの前を通り過ぎますのは、もったいなく悲しいことでございます。知り合いの人々や、しかるべき誰彼までが迎えに来て、大勢おりますので、人目が多いのをはばかります事情もございまして、お伺いできませんが、改めて参上いたしましょう」などと申し上げた。

子の筑前守が参上した。源氏が蔵人に取り立てて目をかけていらっしゃった人なので、たいそう悲しくお気の毒だと思うが、ほかにも見ている人々があるので、世間の聞こえをはばかって、少しの間もとどまらない。源氏は「都を離れて後、昔親しかった人々に会うことも難しくばかりなっていたのに、こうしてわざわざ立ち寄ってくれたこと」とおっしゃる。大弐へのご返事も、そのように書かれた。

守が泣く泣く帰って、源氏のいらっしゃるご様子を語ると、大弐をはじめ、迎えの人々も、縁起でもないほど泣き満ちた。五節は、あれこれと工夫してお便りを差し上げた。「琴の音に引きとめられる綱手縄のように、揺れ動く私の心を、あなたはご存じでしょうか。色めいたふるまいも、どうかおとがめにならないでください」と申し上げた。

源氏はほほえんでご覧になる。たいそう気恥ずかしくなるほど立派なご様子である。「本当に心があって、引く綱が揺れ動くのなら、通り過ぎたりするでしょうか、須磨の浦波は。漁りをするような身になろうとは思わなかったよ」と書いてある。駅の長に詩を与えた人もあったというのに、まして五節は、ここに残ってしまいたいほどに思った。

都では、月日が過ぎるにつれて、帝をはじめとして、源氏を恋しく思い申し上げる折々が多かった。東宮は、ましていつも思い出しなさっては、ひそかにお泣きになるのを、拝見する乳母たち、まして王命婦の君は、たいそうおいたわしく拝見する。入道の宮は、東宮のことを不吉なほど心配していらっしゃったうえに、大将もこのように流浪の身となられたのを、たいそうお嘆きになる。

源氏のご兄弟の親王たちや、親しくしていらっしゃった上達部などは、初めのうちはお見舞いを申し上げなさることなどもあった。しみじみとした詩文を作り交わし、それにつけても世間で源氏ばかりがほめそやされなさるので、大后がお聞きになって、ひどくおっしゃった。

「朝廷のおとがめを受けた人は、思いのままに、この世の楽しみを味わうことさえ難しいというのに。趣のある住まいをして、世の中を非難し、あの鹿を馬と言った人が道理を曲げたように、追従する者がいる」などと、悪いことも聞こえてきたので、面倒だと思って、まったくお便りを差し上げる人もなくなった。

二条院の姫君(紫の上)は、日がたつにつれても、心の慰められる時がない。東の対にお仕えしていた女房たちも皆、西の対に移ってきた初めのうちは、どうしてそれほどまでにと思っていたが、拝見し慣れるにつれて、やさしく魅力的なご様子や、誠実なお心づかいも、思いやり深くしみじみとしているので、退出してしまう者もいない。

身分の並々でない女房たちには、ほのかに姿をお見せになったりする。大勢の女性の中で、とりわけ源氏のご寵愛が深いのも、もっともなことだったと拝見する。源氏の方では、須磨の住まいに久しくなるにつれて、紫の上を恋しく思う心をこらえきれないようにお思いになるが、自分でさえあきれるほどの宿縁と思われる住まいに、どうして連れてこられようか、似つかわしくないだろうと思い返しなさる。

所につけては、何事も様子が違っていて、見たこともない下々の者の身の上をも、ご覧になり慣れていないお気持ちには、心外で、もったいなく、自分のことながらお思いになる。煙がたいそう近くに時々立ちのぼってくるのを、これが海人の塩焼く煙なのだろうかと思い続けていらっしゃったのは、お住まいの後ろの山で、柴というものをいぶしているのであった。珍しく思って、「山里の者が庵で焚く柴のように、しばしば便りを寄こしてほしい、恋しい故郷の人よ」。

冬になって、雪が降り荒れるころ、空の様子も格別にもの寂しく眺めなさって、琴を弾き慰みなさって、良清に歌を歌わせ、大輔に横笛を吹かせて合奏なさる。心をこめて、しみじみとした曲などをお弾きになると、ほかの楽器の音はやめて、皆涙をぬぐい合った。

昔、胡の国に遣わされたという女(王昭君)のことを思いやりなさって、まして、どんなに悲しかったことだろう、この世で自分が大切に思っている人などを、そのように遠くへやってしまったらなどと思うのも、実際に起こることのように不吉で、「霜の後の夢」と口ずさみなさる。

月がたいそう明るくさし込んで、仮の旅のお住まいは奥まで隅々まで照らされている。床の上から、夜更けの空も見える。沈みかけた月がもの寂しく見えるので、「唯是れ西に行くなり」と独り言をおっしゃって、「私は、どちらの雲路に迷っていくのだろう。月が見ているだろうことも恥ずかしい」と独り言をおっしゃって、いつものように眠れない明け方の空に、千鳥がたいそうしみじみと鳴く。

「友千鳥が声を合わせて鳴く明け方は、ひとり寝覚めの床も心強いことだ」。ほかに起きている人もいないので、繰り返し独り言をおっしゃって、横になっていらっしゃった。まだ暗いうちに手を洗い清めて、念誦などをなさるのも、珍しいことのようにすばらしくばかり思われなさるので、供人たちはお見捨てすることもできず、家にほんのしばらく帰ることもできなかった。

意訳

大宰大弐が上京する途中、須磨の沖を通り、源氏に挨拶を送る。娘の五節は、琴の音に心ひかれて歌を贈り、源氏も返歌する。

都では、帝や東宮、藤壺が源氏を恋しく思うが、大后が源氏をほめる人々を非難したため、誰も便りをしなくなる。紫の上は、移ってきた女房たちにも慕われ、源氏を思い続ける。

冬の須磨で、源氏は琴を弾き、遠く胡の国に送られた王昭君を思い、月や千鳥に寄せて孤独な心を歌に詠む。

語釈・文法注

かうじ
勘事(こうじ)。朝廷のおとがめ。勅勘。
つゐせう
追従(ついしょう)。こびへつらうこと。大后は、源氏をほめる人々を、秦の趙高が鹿を馬と言って群臣を従わせた故事になぞらえて非難した。
胡の國に遣しけむ女
王昭君。漢の元帝の宮女で、匈奴の王に嫁がされた。「霜の後の夢」は、大江朝綱の詩「胡角一声霜後夢、漢宮万里月前腸」による。
唯これ西に行くなり
菅原道真の詩「月の西に行くは是れ西に行くにあらず」などによるとされる。西に沈む月に、西方浄土への思いや流謫の身を重ねる。

文法

禁止の「な…そ」(人なとがめそ)
「人よ、とがめないでおくれ」。
反語の「まし」(うち過ぎましや)
「通り過ぎたりするだろうか、いや、しない」。

和歌

琴の音にひきとめらるゝ綱手繩たゆたふこゝろ君しるらめや

詠者
筑紫の五節
状況
須磨の沖を通る船から源氏に贈った歌。琴の音に引きとめられる綱手縄のように、揺れ動く私の心を、あなたはご存じでしょうか。

心ありてひくての綱のたゆたはゞうち過ぎましや須磨のうらなみ

詠者
光源氏
状況
五節への返歌。本当に心があって、引く綱が揺れ動くのなら、通り過ぎたりするでしょうか、須磨の浦波は。

山がつのいほりにたけるしばしばもことゝひこなむ戀ふるさと人

詠者
光源氏
状況
柴を焚く煙を見て詠んだ歌。山里の者が庵で焚く柴のように、しばしば便りを寄こしてほしい、恋しい故郷の人よ。

修辞

掛詞
「しば」に「柴」と「しばしば」をかける。

いづかたの雲路にわれもまよひなむ月の見るらむこともはづかし

詠者
光源氏
状況
西へ沈む月を見て詠んだ歌。私は、どちらの雲路に迷っていくのだろう。月が見ているだろうことも恥ずかしい。

とも千鳥もろごゑになくあかつきはひとりねざめのとこもたのもし

詠者
光源氏
状況
明け方に千鳥の声を聞いて詠んだ歌。友千鳥が声を合わせて鳴く明け方は、ひとり寝覚めの床も心強いことだ。

解説

筑紫の五節との歌の贈答は、花散里の巻で源氏が思い出した女性との再会である。源氏の美しさと琴の音は、通りすがりの人々にまで深い感動を与える。

大后の言葉によって、都の人々は源氏に便りをしなくなる。須磨の冬の場面では、王昭君や道真の詩を口ずさむ源氏の孤独が、雪や月、千鳥の声とともに深く描かれている。

関連

出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、248–253頁(コマ127–129)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日