古典ライブラリー

源氏物語 第12帖 須磨(2)

左大臣邸での別れ

登場人物:光源氏・左大臣・夕霧・三位中将(頭中将)・中納言の君・大宮

出立の二、三日前、源氏はひそかに左大臣邸を訪れ、幼い若君(夕霧)と対面する。左大臣は世の変わりようを嘆き、源氏は、罪を受ける前に自ら世を遁れるのだと語る。その夜は泊まり、女房の中納言の君と語らう。明け方、大宮から歌が届き、源氏は亡き葵の上をしのぶ歌を返して、名残を惜しみつつ邸を出る。

有明の月の残る左大臣邸で、源氏が廊にたたずみ、春の庭を眺めながら別れを惜しむ場面(AI生成)
有明の月の残る左大臣邸で、源氏が廊にたたずみ、春の庭を眺めながら別れを惜しむ場面
  1. 1二三日ふつかみか二三日ふつかみかふつかみかかねてかねてかねておほいおほいおおい殿どの殿どのどのににに世よ世よよににに隱かく隱かくかくれれれててて渡わた渡わたわたりりり給たま給たまたまへへえりりり。。。網代車あじろぐるま網代車あじろぐるまあじろぐるまのののうちうちうちやつれやつれやつれたるたるたるににに女をんな女をんなおんなのののやうやうようにてにてにてかくろへかくろへかくろえ入い入いいりりり給たま給たまたまふふうもももいといといとあはれあはれあわれににに夢ゆめ夢ゆめゆめとととのみのみのみおぼゆおぼゆおぼゆ。。。
  2. 2御方かた御方かたかたいといといと寂さび寂さびさびしげしげしげにににうちうちうち荒あ荒ああれれれたるたるたる心地ここち心地ここちここちしししててて、、、若君わかぎみ若君わかぎみわかぎみののの御おん御おんおんめのとめのとめのとゞゞどもももむかしむかしむかし侍さぶら侍さぶらさぶらひひいししし人ひと人ひとひとののの中なか中なかなかににに、、、まかでまかでまかで散ち散ちちらららぬぬぬかぎりかぎりかぎり、、、かくかくかく渡わた渡わたわたりりり給たま給たまたまへへえるるるををを珍めづら珍めづらめずらしがりしがりしがり聞きこ聞きこきこえええてててまうまうもうのぼりのぼりのぼり集つど集つどつどひひいててて見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつるるるにににつけつけつけてててももも、、、殊こと殊ことことににに物もの物ものもの深ぶか深ぶかぶかからからからぬぬぬ若わか若わかわかききき人々びと人々びとびとさへさへさへ世よ世よよののの常つね常つねつねなさなさなさ思おも思おもおもひひい知し知ししららられれれててて淚なみだ淚なみだなみだにににくれくれくれたりたりたり。。。
  3. 3若君わかぎみ若君わかぎみわかぎみはははいといといと美うつく美うつくうつくしうしうしゅうてててざれざれざれ走はし走はしはしりりりおはしおはしおわしたりたりたり。。。「「「久ひさ久ひさひさしきしきしき程ほど程ほどほどににに忘わす忘わすわすれれれぬぬぬこそこそこそ哀あはれ哀あはれあわれなれなれなれ」」」とととててて、、、膝ひざ膝ひざひざにににすゑすゑすえ給たま給たまたまへへえるるる御おん御おんおん氣色けしき氣色けしきけしき忍しの忍しのしのびびびがたげがたげがたげなりなりなり。。。
  4. 4おとゞおとゞおとどこなたこなたこなたににに渡わた渡わたわたりりり給たま給たまたまひひいてててたいめたいめたいめししし給たま給たまたまへへえりりり。。。「「「つれづれつれづれつれづれににに籠こも籠こもこもらららせせせ給たま給たまたまへへえらららむむん程ほど程ほどほど何なに何なになにととと侍はべ侍はべはべらららぬぬぬ昔物語むかしものがたり昔物語むかしものがたりむかしものがたりももも參まゐ參まゐまいりりり來き來ききててて聞きこ聞きこきこえええさせさせさせむむんととと思おも思おもおもひひい給たま給たまたまふれふれうれどどど、、、身み身みみののの病やまひ病やまひやまいおもきおもきおもきににによりよりよりおほやけおほやけおおやけにににももも仕つか仕つかつこうううまつらまつらまつらずずず、、、位くらゐ位くらゐくらいをををももも返かへ返かへかえししし奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりててて侍はべ侍はべはべるるるににに、、、
  5. 5私わたくし私わたくしわたくしざまざまざまにににははは腰こし腰こしこしのべのべのべてててなどなどなど物もの物ものものののの聞きこ聞きこきこえええひがひがしかるひがひがしかるひがひがしかるべきべきべきををを、、、今いま今いまいまははは世よ世よよののの中なか中なかなか憚はばか憚はばかはばかるるるべきべきべき身み身みみにににももも侍はべ侍はべはべらららねねねどどどいちはやきいちはやきいちはやき世よ世よよのののいといといと恐おそろ恐おそろおそろしうしうしゅう侍はべ侍はべはべるるるなりなりなり。。。かゝるかゝるかかる御おん御おんおん事こと事ことことををを見み見みみ給たま給たまたまふるふるうるにににつけつけつけててて命いのち命いのちいのち長なが長ながながきききははは心こころ心こころこころうくうくうく思おも思おもおもううう給たま給たまたまへへえらるゝらるゝらるる世よ世よよののの末すゑ末すゑすえにににももも侍はべ侍はべはべるるるかなかなかな。。。
  6. 6天あめ天あめあめののの下した下したしたをををさかさまさかさまさかさまににになしなしなしてててももも思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえよらよらよらざりざりざりししし御おん御おんおん有樣ありさま有樣ありさまありさまををを見み見みみ給たま給たまたまふれふれうればばば、、、萬よろづ萬よろづよろずいといといとあぢきなくあぢきなくあじきなくなむなむなん」」」ととと聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまひひいててていたういたういとうしほたれしほたれしおたれ給たま給たまたまふふう。。。
  7. 7「「「とととあるあるあることことこともももかゝるかゝるかかることことこともももさきさきさきののの世よ世よよののの報むくい報むくいむくいにににこそこそこそ侍はべ侍はべはべるるるなれなれなればばば、、、いひいひいいもてもてもて行ゆ行ゆゆけけけばばば唯ただ唯ただただ自みづか自みづかみずからららののの怠おこたり怠おこたりおこたりににになむなむなん侍はべ侍はべはべるるる。。。
  8. 8さしてさしてさしてかくかくかく官くわん官くわんかんををを取と取ととららられれれずずずあさはかあさはかあさはかなるなるなる事こと事ことことにににかゝづらひかゝづらひかかずらいてててだにだにだにおほやけおほやけおおやけのののかしこまりかしこまりかしこまりなるなるなる人ひと人ひとひとのののうつしうつしうつしざまざまざまにてにてにて世よ世よよののの中なか中なかなかにににありありありふるふるふるはははとがとがとが重おも重おもおもきききわざわざわざにににひとひとひとののの國くに國くにくににににもももししし侍はべ侍はべはべるるるなるなるなるををを、、、遠とほ遠とほとおくくく放はな放はなはなちちち遣つかは遣つかはつかわすすすべきべきべきさだめさだめさだめなどなどなどももも侍はべ侍はべはべるるるなるなるなるはははさまさまさま殊こと殊ことことなるなるなる罪つみ罪つみつみににに當あた當あたあたるるるべきべきべきにににこそこそこそ侍はべ侍はべはべるるるなれなれなれ。。。
  9. 9濁にごり濁にごりにごりなきなきなき心こころ心こころこころににに任まか任まかまかせせせてててつれなくつれなくつれなく過す過すすぐしぐしぐし侍はべ侍はべはべらららむむんもももいといといとはゞかりはゞかりはばかり多おほ多おほおおくくく、、、これこれこれよりよりより大おほき大おほきおおきなるなるなる恥はぢ恥はぢはじににに臨のぞ臨のぞのぞまままぬぬぬさきさきさきににに世よ世よよををを遁のが遁のがのがれれれなななむむんととと思おも思おもおもううう給たま給たまたまへへえ立た立たたちちちぬるぬるぬる」」」などなどなど細こま細こまこまやかやかやかににに聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう。。。
  10. 10昔むかし昔むかしむかしののの御おん御おんおん物語ものがたり物語ものがたりものがたり院ゐん院ゐんいんののの御おん御おんおん事こと事ことことおぼしおぼしおぼしのたまはせのたまはせのたまわせししし御心みこころ御心みこころみこころばへばへばえなどなどなど聞きこ聞きこきこえええ出い出いいででで給たま給たまたまひひいててて御おん御おんおん直衣なほし直衣なほしのうしののの袖そで袖そでそでもももひきひきひき放はな放はなはなちちち給たま給たまたまははわぬぬぬににに、、、君きみ君きみきみもももえええ心こころ心こころこころ强づよ强づよづよくくくももももてなしもてなしもてなし給たま給たまたまははわずずず。。。若君わかぎみ若君わかぎみわかぎみののの何なに何なになに心ごころ心ごころごころなくなくなく紛まぎ紛まぎまぎれれれありきありきありきてててこれかれこれかれこれかれににに馴な馴ななれれれ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふうをををいみじいみじいみじとととおぼしおぼしおぼしたりたりたり。。。
  11. 11「「「過す過すすぎぎぎ侍はべ侍はべはべりりりにににししし人ひと人ひとひとををを世よ世よよににに思おも思おもおもううう給たま給たまたまへへえ忘わす忘わすわするゝるゝるる世よ世よよなくなくなくのみのみのみ今いま今いまいまににに悲かな悲かなかなしびしびしび侍はべ侍はべはべるるるををを、、、このこのこの御おん御おんおん事こと事ことことににになむなむなん、、、もしもしもし侍はべ侍はべはべるるる世よ世よよならならならましかましかましかばばばいかやういかやういかようににに思おも思おもおもひひい歎なげ歎なげなげききき侍はべ侍はべはべらららましましまし。。。よくよくよくぞぞぞ短みじか短みじかみじかくくくてててかゝるかゝるかかる夢ゆめ夢ゆめゆめををを見み見みみずずずなりなりなりにににけるけるけるととと思おも思おもおもううう給たま給たまたまへへえ慰なぐさ慰なぐさなぐさめめめ侍はべ侍はべはべるるる。。。
  12. 12幼をさな幼をさなおさなくくくものものものししし給たま給たまたまふふうがががかくかくかく齡よはひ齡よはひよわい過す過すすぎぎぎぬるぬるぬる中なか中なかなかにににとゞまりとゞまりとどまり給たま給たまたまひひいてててなづさひなづさひなずさい聞きこ聞きこきこえええぬぬぬ月日つきひ月日つきひつきひややや隔へだ隔へだへだたりたりたり給たま給たまたまははわむむんととと思おも思おもおもひひい給たま給たまたまふるふるうるをををなむなむなん萬よろづ萬よろづよろずののの事こと事ことことよりよりよりももも悲かな悲かなかなしうしうしゅう侍はべ侍はべはべるるる。。。
  13. 13いにしへいにしへいにしえののの人ひと人ひとひとももも誠まこと誠まことまことにににをかしをかしをかしあるあるあるにてにてにてしもしもしもかゝるかゝるかかる事こと事ことことににに當あた當あたあたらららざりざりざりけりけりけり。。。猶なほ猶なほなおさるべきさるべきさるべきにてにてにて人ひと人ひとひとのののみかどみかどみかどにににもももかゝるかゝるかかる類たぐひ類たぐひたぐい多おほ多おほおおくくく侍はべ侍はべはべりりりけりけりけり。。。されどされどされど言い言いいひひい出い出いいづるづるずるふしふしふしありありありてててこそこそこそさるさるさる事こと事ことことももも侍はべ侍はべはべりりりけれけれけれ。。。とざまとざまとざまかうざまかうざまこうざまににに思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえやらやらやらむむん方かた方かたかたなくなくなくなむなむなん」」」などなどなど多おほ多おほおおくくくののの御おん御おんおん物語ものがたり物語ものがたりものがたり聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう。。。
  14. 14三位さんみ三位さんみさんみ中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうももも參まゐ參まゐまいりりり合あ合ああひひい給たま給たまたまひひいててておほみきおほみきおおみきなどなどなどまゐりまゐりまいり給たま給たまたまふふうににに夜よ夜よよ更ふ更ふふけけけぬれぬれぬればばばとまりとまりとまり給たま給たまたまひひいててて人々びと人々びとびと御前おまへ御前おまへおまえににに侍さぶら侍さぶらさぶらははわせせせ給たま給たまたまひひいててて物語ものがたり物語ものがたりものがたりなどなどなどせせせさせさせさせ給たま給たまたまふふう。。。
  15. 15人ひと人ひとひとよりよりよりはははげにげにげにこよなうこよなうこよのう忍しの忍しのしのびびびおぼすおぼすおぼす。。。中納言ちゆうなごん中納言ちゆうなごんちゅうなごんののの君きみ君きみきみいへいへいえばばばえにえにえに悲かな悲かなかなしうしうしゅう思おも思おもおもへへえるるるさまさまさまををを人ひと人ひとひと知し知ししれれれずずず哀あは哀あはあわれれれとととおぼすおぼすおぼす。。。人ひと人ひとひと皆みな皆みなみな靜しづ靜しづしずまりまりまりぬるぬるぬるににに取と取ととりりりわきわきわきててて語かた語かたかたらひらひらい給たま給たまたまふふう。。。これこれこれににによりよりよりとまりとまりとまり給たま給たまたまへへえるるるなるなるなるべしべしべし。。。
  16. 16明あ明ああけけけぬれぬれぬればばば夜よ夜よよ深ふか深ふかふこううう出い出いいででで給たま給たまたまふふうににに有明ありあけ有明ありあけありあけののの月つき月つきつきいといといとをかしうをかしうおかしゅう花はな花はなはなののの木き木ききどもどもどもやうやうやうやうようよう盛さかり盛さかりさかり過す過すすぎぎぎててて僅わづか僅わづかわずかなるなるなる木蔭こかげ木蔭こかげこかげのののいといといとおもしろきおもしろきおもしろき庭には庭にはにわににに薄うす薄うすうすくくくきりきりきり渡わた渡わたわたりりりたるたるたるそこはかとなくそこはかとなくそこはかとなく霞かす霞かすかすみみみあひあひあいててて秋あき秋あきあきののの夜よ夜よよのののあはれあはれあわれににに多おほ多おほおおくくくたちたちたちまされまされまされりりり。。。
  17. 17隅すみ隅すみすみのののまままののの高欄かうらん高欄かうらんこうらんにににおしおしおしかゝりかゝりかかりてててとばかりとばかりとばかり眺なが眺ながながめめめ給たま給たまたまふふう。。。中納言ちゆうなごん中納言ちゆうなごんちゅうなごんののの君きみ君きみきみ見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり送おく送おくおくらららむむんとととにににややや妻戶つまど妻戶つまどつまど押お押おおしししあけあけあけててて居ゐ居ゐいたりたりたり。。。
  18. 18「「「又また又またまたたいめんたいめんたいめんあらあらあらむむんとととこそこそこそ思おも思おもおもへへえばばばいといといと難かた難かたかたけれけれけれかゝりかゝりかかりけるけるける世よ世よよををを知し知ししらららででで心こころ心こころこころ安やす安やすやすくくくもももありありありぬぬぬべかりべかりべかりししし月比つきごろ月比つきごろつきごろをををさしもさしもさしも急いそ急いそいそがががででで隔へだ隔へだへだてててけるけるけるよよよ」」」などなどなどののの給たま給たまたまへへえばばば、、、物もの物ものものももも聞きこ聞きこきこえええずずずなくなくなく。。。
  19. 19若君わかぎみ若君わかぎみわかぎみののの御おん御おんおん乳母めのと乳母めのとめのと、、、宰相さいしやう宰相さいしやうさいしょうののの君きみ君きみきみしししててて宮みや宮みやみやののの御おん御おんおんまへまへまえよりよりより御おん御おんおんせうそこせうそこしょうそこ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまへへえりりり「「「自みづか自みづかみずからららももも聞きこ聞きこきこえええまほしきまほしきまほしきをををかきかきかきくらすくらすくらすみだりみだりみだり心地ごこち心地ごこちごこちためらひためらひためらい侍はべ侍はべはべるるる程ほど程ほどほどににに、、、いといといと夜よ夜よよ深ふか深ふかふこううう出い出いいでででさせさせさせ給たま給たまたまふふうなるなるなるもももさまさまさま變かは變かはかわりりりたるたるたる心地ここち心地ここちここちのみのみのみししし侍はべ侍はべはべるるるかなかなかな。。。心苦こころぐる心苦こころぐるこころぐるしきしきしき人ひと人ひとひとのののいぎたなきいぎたなきいぎたなき程ほど程ほどほどははは暫しば暫しばしばしししもももやすらはやすらはやすらわせせせ給たま給たまたまははわででで」」」ととと聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまへへえれれればばば、、、
  20. 20うちうちうちなきなきなき給たま給たまたまひひいててて、、、「「「鳥部山とりべやま鳥部山とりべやまとりべやまもえもえもえししし煙けぶり煙けぶりけぶりもももまがふまがふまがうやややとととあまあまあまののの鹽しほ鹽しほしおやくやくやくうらうらうらみみみにににぞぞぞゆくゆくゆく」」」。。。御おん御おんおんかへしかへしかへしととともももなくなくなくうちうちうちずしずしずし給たま給たまたまひひいててて「「「曉あかつき曉あかつきあかつきののの別わかれ別わかれわかれはははかうかうこうのみのみのみやややははは心こころ心こころこころづくしづくしづくしなるなるなる。。。思おも思おもおもひひいしりしりしり給たま給たまたまへへえるるる人ひと人ひとひともももあらあらあらむむんかしかしかし」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば
  21. 21「「「いついついつとととなくなくなく別わかれ別わかれわかれととといふいふいう文字もじ文字もじもじこそこそこそうたてうたてうたて侍はべ侍はべはべるるるなるなるなる中なか中なかなかにににももも、、、けさけさけさははは猶なほ猶なほなおたぐひたぐひたぐいあるあるあるまじうまじうまじゅう思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえらるゝらるゝらるる程ほど程ほどほどかなかなかな」」」ととと鼻聲はなごゑ鼻聲はなごゑはなごえにてにてにてげにげにげに淺あさ淺あさあさからからからずずず思おも思おもおもへへえりりり。。。
  22. 22「「「聞きこ聞きこきこえええさせさせさせまほしきまほしきまほしきことことことももも返かへ返かへかえすすすがへがへがえすすす思おも思おもおもううう給たま給たまたまへへえながらながらながら、、、唯ただ唯ただただむすぼゝれむすぼゝれむすぼおれ侍はべ侍はべはべるるる程ほど程ほどほど推お推おおししし量はか量はかはからららせせせ給たま給たまたまへへえ。。。いぎたなきいぎたなきいぎたなき人ひと人ひとひとははは見み見みみ給たま給たまたまへへえむむんにににつけつけつけてててもももなかなかなかなかなかなか浮世うきよ浮世うきようきよ遁のが遁のがのがれれれ難がた難がたがとううう思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえられられられぬぬぬべけれべけれべければばば、、、心こころ心こころこころ强づよ强づよづよくくく思おも思おもおもううう給たま給たまたまへへえなしなしなしててて急いそ急いそいそぎぎぎまかでまかでまかで侍はべ侍はべはべりりり」」」ととと聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう。。。
  23. 23出い出いいででで給たま給たまたまふふうほどほどほどををを人々びと人々びとびと覗のぞ覗のぞのぞきききててて見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる。。。入方いりがた入方いりがたいりがたののの月つき月つきつきいといといと明あか明あかあかきききにににいとゞいとゞいとどなまめかしうなまめかしうなまめかしゅう淸きよ淸きよきよらららにてにてにて物もの物ものものをををおぼいおぼいおぼいたるたるたるさまさまさま虎とら虎とらとら狼おほかみ狼おほかみおおかみだにだにだにもももなきなきなきぬぬぬべしべしべし。。。ましてましてましていはけなくいはけなくいわけなくおはせおはせおわせししし程ほど程ほどほどよりよりより見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりそめそめそめてててししし人々びと人々びとびとなれなれなればばば、、、たとしへたとしへたとしえなきなきなき御おん御おんおん有樣ありさま有樣ありさまありさまをををいみじいみじいみじととと思おも思おもおもふふう。。。
  24. 24まことまことまことややや御おん御おんおんかへしかへしかへし。。。「「「なきなきなき人ひと人ひとひとのののわかれわかれわかれやややいとゞいとゞいとどへだゝらへだゝらへだたらむむん煙けぶり煙けぶりけぶりとととなりなりなりししし雲居くもゐ雲居くもゐくもいならならならでででははは」」」。。。取と取ととりりりそへそへそえてててあはれあはれあわれのみのみのみつきせつきせつきせずずず出い出いいででで給たま給たまたまひひいぬるぬるぬる名殘なごり名殘なごりなごりゆゝしきゆゝしきゆゆしきまでまでまで泣な泣ななきききあへあへあえりりり。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

出立の二、三日前に、左大臣邸に人目を忍んでおいでになった。網代車のみすぼらしいものに、女のような姿で隠れてお入りになるのも、たいそうしみじみとして、夢のようにばかり思われる。亡き葵の上のお部屋は、たいそう寂しげに荒れたような気持ちがして、若君の乳母たちや、昔お仕えしていた女房の中で、退出せずに残っている者たちが、こうしておいでになったのを珍しがり申し上げて、参上して集まって拝見するにつけても、特に思慮深くない若い女房たちまでが、世の無常を思い知らされて、涙にくれている。

若君はたいそうかわいらしく、はしゃいで走っていらっしゃった。「久しく会わなかったのに、忘れていないのがいとしいね」と言って、膝の上にお乗せになるご様子は、こらえきれないようである。

大臣がこちらにおいでになって、お会いになった。「所在なく引きこもっていらっしゃるだろう間に、とりとめもない昔話でもしに参上しようと存じておりましたが、病が重いために朝廷にもお仕えせず、官位もお返し申し上げておりますので、私的には腰を伸ばして出歩いているなどと噂されるのも、ひがんでいるようでしょうから、今は世の中をはばかるべき身でもございませんが、性急な世の中がたいそう恐ろしいのでございます。

このようなご境遇を拝見するにつけて、長生きはつらいと思われる末の世でございますね。天地をひっくり返しても思いも寄らなかったご様子を拝見しますと、何もかもたいそうつまらなく思われまして」と申し上げなさって、ひどく涙にくれていらっしゃる。

源氏は「あれこれのことも、すべて前世の報いでございますから、つきつめて言えば、ただ自分の過ちなのでございます。これといって官位を剥奪されず、ちょっとしたことに関わってさえ、朝廷のおとがめを受けた人が、普段どおりの様子で世間に暮らしているのは、罪の重いことだと、外国でもいうそうですが、遠く流罪にすべきだという決定などもあるそうなのは、格別な罪に当たるということなのでしょう。

濁りのない心のままに、素知らぬ顔で過ごしておりますのも、たいそうはばかりが多く、これ以上の大きな恥にあわないうちに、世を遁れようと思い立ちました」などと、細やかに申し上げなさる。昔のお話や、院のことや、院がお心にかけておっしゃったお気持ちなどを話し出しなさって、大臣が御直衣の袖を顔から放すこともおできにならないので、源氏も気強くふるまうこともおできにならない。若君が無心にあちこち歩き回って、誰彼となくなついていらっしゃるのを、大臣はたいそう悲しくお思いになった。

「亡くなりました娘のことを、少しも忘れる時がなく、今でも悲しんでおりますが、このたびのことは、もし娘が生きておりましたら、どんなに嘆いたことでしょう。よくぞ命が短くて、このような悪夢を見ずにすんだと思って、自分を慰めております。幼くていらっしゃる若君が、こうして年老いた者たちの中にとどまっていらっしゃって、父君に親しくなつく月日も隔たってしまうのだろうと思いますのが、何よりも悲しゅうございます。

昔の人も、本当に罪があるからといって、このような目にあったわけではありませんでした。やはりそういう宿命で、外国の朝廷にもこのような例は多くございました。けれども、言い立てるきっかけがあってこそ、そのようなこともございましたのに。あれこれと思いましても、どうにも晴らしようがございません」など、多くのお話を申し上げなさる。

三位中将も参り合わせなさって、お酒などを召し上がるうちに、夜が更けてしまったので、お泊まりになって、女房たちを御前に控えさせて、お話などをおさせになる。ほかの女房よりは、本当にこの上なくひそかに思いをかけていらっしゃる中納言の君が、言うに言えずに悲しく思っている様子を、人知れずいとしいとお思いになる。人が皆寝静まったころに、特別に語らいなさる。この人のためにお泊まりになったのだろう。

夜が明けたので、まだ暗いうちにお出になると、有明の月がたいそう美しく、花の木々がだんだん盛りを過ぎて、わずかに残った花の木陰がたいそう趣深い庭に、薄く霧が一面に立ちこめて、どこということもなく霞み合って、秋の夜の情趣よりも、ずっとまさっている。隅の間の高欄に寄りかかって、しばらく眺めていらっしゃる。中納言の君がお見送り申し上げようというのか、妻戸を押し開けて座っていた。

「また会うことは、思えばたいそう難しいことだ。こんなことになる世とも知らずに、気楽に会えたはずの月日を、それほど急がずに隔ててしまったことよ」などとおっしゃると、中納言の君は何も申し上げられずに泣く。若君の乳母の宰相の君を使いにして、大宮の御前からお便りを申し上げなさった。

「直接お話し申し上げたいのですが、悲しみに目の前が暗くなる乱れた気持ちを静めております間に、たいそう暗いうちにお出になるとのことで、それもいつもと違った気持ちばかりがいたします。いとしい若君が寝坊している間くらいは、しばらくお待ちにならないで」と申し上げなさったので、源氏はお泣きになって、

「鳥辺山で燃えた煙に似ているかと、海人が塩を焼く浦を見に行くのです」。ご返事というのでもなく口ずさみなさって、「明け方の別れは、いつもこんなにつらいものなのだろうか。わかってくださる人もあるだろう」とおっしゃると、中納言の君は「いつでも別れという文字はいやなものですが、その中でも、今朝はやはり比べるものがないほどに思われます」と、涙声で本当に深く悲しんでいる。

源氏は「申し上げたいことも、繰り返し思いながら、ただ胸がふさがっております心をお察しください。寝坊している若君は、見ればかえって浮き世を離れがたく思われてしまうでしょうから、気を強くもって、急いで退出いたします」と申し上げなさる。お出になるところを、女房たちがのぞいて拝見する。

沈みかけた月がたいそう明るいところに、いっそう優美で美しく、物思いに沈んでいらっしゃる様子は、虎や狼でさえ泣いてしまうだろう。まして、幼くていらっしゃったころからお仕えしてきた人々なので、比べようもないお姿を、たまらなく悲しいと思う。そうそう、大宮のご返事は、「亡き人との別れは、いっそう遠くなってしまうのでしょうか。娘が煙となったこの都の空ではない所へ行かれては」。悲しみばかりが加わって尽きることなく、お出になった後の名残に、不吉なほど泣き合った。

意訳

出立の前に、源氏は左大臣邸を訪れ、幼い若君と対面する。左大臣は世の変わりようを嘆き、亡き娘が生きていたらどんなに嘆いただろうと語る。源氏は、罪を受ける前に自ら世を遁れるのだと語る。

その夜、源氏は左大臣邸に泊まり、女房の中納言の君と別れを惜しむ。明け方、大宮から便りがあり、源氏は亡き葵の上の葬送の煙を思う歌を返す。邸の人々は、源氏の姿を見送りながら泣き悲しむ。

語釈・文法注

官ざく
官爵(かんしゃく)。官職と位階。源氏はこの時、まだ正式に官位を剥奪されてはいなかった。

文法

反実仮想の「ましかば…まし」(侍る世ならましかば…歎き侍らまし)
「もし娘が生きておりましたら、どんなに嘆いたことでしょう」。
反語の「やは」(かうのみやは心づくしなる)
「いつもこんなにつらいものだろうか、いや、今朝ほどではない」。

和歌

鳥部山もえし煙もまがふやとあまの鹽やくうらみにぞゆく

詠者
光源氏
状況
大宮からの便りに答えた歌。鳥辺山で燃えた(葵の上を葬った)煙に似ているかと、海人が塩を焼く浦を見に行くのです。

修辞

掛詞
「うらみ」に「浦見(浦を見る)」と「恨み」をかける。

なき人のわかれやいとゞへだゝらむ煙となりし雲居ならでは

詠者
大宮
状況
源氏への返歌。亡き人との別れは、いっそう遠くなってしまうのでしょうか。娘が煙となったこの都の空ではない所へ行かれては。

解説

左大臣邸での別れの場面では、亡き葵の上の思い出が随所に重ねられている。源氏の歌の「鳥部山もえし煙」は、葵の上を葬った鳥辺野の煙であり、須磨の塩焼く煙と重ね合わされる。

源氏が「濁なき心」と言うのは、朧月夜の件はともかく、朝廷に背く気持ちはないという意味である。左大臣も「誠にをかしあるにてしもかゝる事に當らざりけり」と、源氏の無実を訴える。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、228–233頁(コマ116–118)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日