古典ライブラリー

源氏物語 第10帖 賢木(10)

紅葉の枝と帝との語らい

登場人物:光源氏・紫の上・藤壺・王命婦・朱雀帝・頭弁・冷泉帝

雲林院から戻った源氏は、持ち帰った紅葉を藤壺に贈るが、枝に結んだ文に藤壺は眉をひそめる。藤壺が宮中から退出する日、源氏は参内して朱雀帝と親しく語り合う。帝は朧月夜との関係を知りながらとがめず、斎宮のことなどを話す。退出の折、頭弁が「白虹日を貫けり」と当てこすり、源氏は身の危うさを感じる。源氏は藤壺と歌を交わして別れを惜しむ。

二十日の月が昇る宮中で、源氏と朱雀帝が向かい合って親しく語り合っている場面(AI生成)
二十日の月が昇る宮中で、源氏と朱雀帝が向かい合って親しく語り合っている場面
  1. 1女君をんなぎみ女君をんなぎみおんなぎみははは日比ひごろ日比ひごろひごろののの程ほど程ほどほどにににねびねびねびまさりまさりまさり給たま給たまたまへへえるるる心地ここち心地ここちここちしししててていといといといたういたういとうしづまりしづまりしずまり給たま給たまたまひひいててて、、、世よ世よよののの中なか中なかなかいかゞいかゞいかがあらあらあらむむんととと思おも思おもおもへへえるるる氣色けしき氣色けしきけしきののの心苦こころぐる心苦こころぐるこころぐるしうしうしゅうあはれあはれあわれにににおぼえおぼえおぼえ給たま給たまたまへへえばばば、、、あいなきあいなきあいなき心こころ心こころこころのののさまざまさまざまさまざま亂みだ亂みだみだるゝるゝるるやややしるからしるからしるからむむん。。。色いろ色いろいろかはるかはるかわるとととありありありしししもももらうたうらうたうろうとうおぼえおぼえおぼえててて常つね常つねつねよりよりより殊こと殊ことことににに語かた語かたかたらひらひらい聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう。。。
  2. 2山やま山やまやまづとづとづとにににもたもたもたせせせ給たま給たまたまへへえりりりししし紅葉もみぢ紅葉もみぢもみじ、、、おまへおまへおまえのののににに御覽ごらん御覽ごらんごらんじじじくらぶれくらぶれくらぶればばば殊こと殊ことことにににそめそめそめましましましけるけるける露つゆ露つゆつゆののの心こころ心こころこころももも過す過すすぐしぐしぐしがたうがたうがとう、、、覺束おぼつか覺束おぼつかおぼつかなさなさなさももも人ひと人ひとひとわろきわろきわろきまでまでまでおぼえおぼえおぼえ給たま給たまたまへへえばばば唯ただ唯ただただ大方おほかた大方おほかたおおかたにてにてにて宮みや宮みやみやににに參まゐ參まゐまいらららせせせ給たま給たまたまふふう。。。
  3. 3命婦みやうぶ命婦みやうぶみょうぶののの許もと許もともとににに「「「入い入いいらららせせせ給たま給たまたまひひいにににけるけるけるををを珍めづら珍めづらめずらしきしきしき事こと事ことこととととうけうけうけ給たま給たまたまはるはるわるににに宮みや宮みやみやのののあひだあひだあいだののの事こと事ことこと覺束おぼつか覺束おぼつかおぼつかなくなくなくなりなりなり侍はべ侍はべはべりりりにににけれけれければばば、、、靜心しづごころ靜心しづごころしずごころなくなくなく思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえながらながらながら行おこな行おこなおこなひひいももも勤つと勤つとつとめめめむむんととと思おも思おもおもひひい立た立たたちちち侍はべ侍はべはべりりりししし日數ひかず日數ひかずひかずををを心こころ心こころこころならならならずずずやややとととてててなむなむなん日比ひごろ日比ひごろひごろににになりなりなり侍はべ侍はべはべりりりけるけるける。。。
  4. 4紅葉もみぢ紅葉もみぢもみじははは一人ひとり一人ひとりひとり見み見みみ侍はべ侍はべはべるるるににに錦にしき錦にしきにしきくらうくらうくろう思おも思おもおもひひい給たま給たまたまふれふれうればばばなむなむなん。。。折をり折をりおりよくよくよくててて御覽ごらん御覽ごらんごらんぜぜぜさせさせさせ給たま給たまたまへへえ」」」などなどなどありありあり。。。
  5. 5げにげにげにいみじきいみじきいみじき枝えだ枝えだえだどもどもどもなれなれなればばば御目め御目めめとまるとまるとまるににに例れい例れいれいののの聊いささか聊いささかいささかなるなるなるものものものありありありけりけりけり。。。人々びと人々びとびと見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつるるるににに御おん御おんおん顏かほ顏かほかおののの色いろ色いろいろもももうつろひうつろひうつろいててて、、、猶なほ猶なほなおかゝるかゝるかかる心こころ心こころこころののの絕た絕たたえええ給たま給たまたまははわぬぬぬこそこそこそいといといとうとましけれうとましけれうとましけれ、、、
  6. 6あたらあたらあたら思おもひ思おもひおもい遺や遺ややりりり深ふか深ふかふこうううものものものししし給たま給たまたまふふう人ひと人ひとひとのののゆくりなくゆくりなくゆくりなくかやうかやうかようなるなるなることことこと折々をりをり折々をりをりおりおりまぜまぜまぜ給たま給たまたまふふうををを人ひと人ひとひともももあやしあやしあやしととと見み見みみるるるらむらむらんかしかしかしととと、、、心こころ心こころこころつきなうつきなうつきのうおぼさおぼさおぼされれれててて、、、瓶かめ瓶かめかめにににさゝせさゝせささせててて廂ひさし廂ひさしひさしののの柱はしら柱はしらはしらのののもともともとにににおしおしおしやらやらやらせせせ給たま給たまたまひひいつつつ。。。
  7. 7大方おほかた大方おほかたおおかたののの事こと事ことことどもどもども宮みや宮みやみやののの御おん御おんおん事こと事ことことににに觸ふ觸ふふれれれたるたるたる事こと事ことことなどなどなどはははうちうちうち賴たの賴たのたのめるめるめるさまさまさまにににすくよかすくよかすくよかなるなるなる御おん御おんおん返かへ返かへかえりりりばかりばかりばかり聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまへへえるるるををを、、、さもさもさも心こころ心こころこころかしこくかしこくかしこく盡つ盡つつきききせせせずずずもももとととうらめしううらめしううらめしゅう見み見みみ給たま給たまたまへへえどどど、、、
  8. 8何事なにごと何事なにごとなにごとももも後見うしろみ後見うしろみうしろみ聞きこ聞きこきこえええならひならひならい給たま給たまたまひひいにににたれたれたればばば人ひと人ひとひと怪あや怪あやあやしししとととみみみ咎とが咎とがとがめめめもももこそこそこそすれすれすれとととおぼしおぼしおぼしててて、、、まかでまかでまかで給たま給たまたまふふうべきべきべき日ひ日ひひ參まゐ參まゐまいりりり給たま給たまたまへへえりりり。。。
  9. 9まづまづまず內うち內うちうちののの御方かた御方かたかたににに參まゐ參まゐまいりりり給たま給たまたまへへえれれればばばのどやかのどやかのどやかにににおはしますおはしますおわします程ほど程ほどほどにてにてにて昔むかし昔むかしむかし今いま今いまいまののの御おん御おんおん物語ものがたり物語ものがたりものがたり聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう。。。御おん御おんおんかたちかたちかたちももも院ゐん院ゐんいんにににいといといとようようよう似に似にに奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまひひいててて今いま今いまいま少すこ少すこすこしししなまめかしきなまめかしきなまめかしきけけけ添そ添そそひひいてててなつかしうなつかしうなつかしゅうなごやかなごやかなごやかにににぞぞぞおはしますおはしますおわします。。。かたみかたみかたみにににあはれあはれあわれととと見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまふふう。。。
  10. 10かんのかんのかんの君きみ君きみきみののの御おん御おんおんことことことももも猶なほ猶なほなお絕た絕たたえええぬぬぬさまさまさまにににきこしきこしきこしめしめしめし氣色けしき氣色けしきけしき御覽ごらん御覽ごらんごらんずるずるずる折をり折をりおりもももあれあれあれどどど何なに何なになにかはかはかわ今いま今いまいま始はじ始はじはじめめめたるたるたる事こと事ことことならならならばばばこそこそこそあらあらあらめめめ、、、ありありありそめそめそめにににけるけるけることことことなれなれなればばばさささももも心こころ心こころこころかはさかはさかわさむむんににに似に似ににげなかるげなかるげなかるまじきまじきまじき人ひと人ひとひとのののあはひあはひあわいなりなりなりかしかしかしとととぞぞぞおぼしおぼしおぼしなしなしなしててて咎とが咎とがとがめめめさせさせさせ給たま給たまたまははわざりざりざりけるけるける。。。
  11. 11萬よろづ萬よろづよろずののの御おん御おんおん物語ものがたり物語ものがたりものがたり文ふみ文ふみふみののの道みち道みちみちののの覺束おぼつか覺束おぼつかおぼつかなくなくなくおぼしおぼしおぼし召め召めめさささるゝるゝるることことことどもどもどもなどなどなど問と問ととはははせせせ給たま給たまたまひひいててて、、、又また又またまたすきずきしきすきずきしきすきずきしき歌うた歌うたうたがたりがたりがたりなどなどなどもももかたみかたみかたみににに聞きこ聞きこきこえええかはさかはさかわさせせせ給たま給たまたまふふうついでついでついでににに、、、かのかのかの齋宮さいぐう齋宮さいぐうさいぐうののの下くだ下くだくだりりり給たま給たまたまひひいししし日ひ日ひひののの事こと事ことことかたちかたちかたちのののをかしうをかしうおかしゅうおはせおはせおわせしししなどなどなど語かた語かたかたらららせせせ給たま給たまたまふふうににに我わ我わわもももうちうちうち解と解ととけけけててて野の野ののののの宮みや宮みやみやのののあはれあはれあわれなりなりなりしししあけぼのあけぼのあけぼのももも皆みな皆みなみな聞きこ聞きこきこえええ出い出いいででで給たま給たまたまひひいてててけりけりけり。。。
  12. 12二十日はつか二十日はつかはつかののの月つき月つきつきやうやうやうやうようようさしさしさし出い出いいでゝでゝでてをかしきをかしきおかしき程ほど程ほどほどなるなるなるににに「「「遊あそび遊あそびあそびなどなどなどもももせせせまほしきまほしきまほしき程ほど程ほどほどかなかなかな」」」とととのたまはすのたまはすのたまわす。。。「「「中宮ちゆうぐう中宮ちゆうぐうちゅうぐうののの今夜こよひ今夜こよひこよい罷まか罷まかまかででで給たま給たまたまふふうなるなるなるとぶらひとぶらひとぶらいにににものものものししし侍はべ侍はべはべらららむむん。。。院ゐん院ゐんいんののののたまはせのたまはせのたまわせおくおくおくことことこと侍はべ侍はべはべりりりしかしかしかばばば又また又またまた後見うしろみ後見うしろみうしろみ仕つか仕つかつこうううまつるまつるまつる人ひと人ひとひとももも侍はべ侍はべはべらららざざざめるめるめるににに春宮とうぐう春宮とうぐうとうぐうののの御おん御おんおんゆかりゆかりゆかりいとほしういとほしういとおしゅう思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえられられられ侍はべ侍はべはべりりりててて」」」ととと奏そう奏そうそうししし給たま給たまたまふふう。。。
  13. 13「「「春宮とうぐう春宮とうぐうとうぐうをををばばば今いま今いまいまのののみこみこみこににになしなしなしてててなどなどなどのたまはせのたまはせのたまわせ置お置おおきききしかしかしかばばば、、、取と取ととりりり分わ分わわきききててて心こころ心こころこころざしざしざしものものものすれすれすれどどど殊こと殊ことことにににさしさしさしわきわきわきたるたるたるさまさまさまにににももも何事なにごと何事なにごとなにごとをををかかかはははとととてててこそこそこそ。。。年とし年としとしのののほどほどほどよりよりよりももも御手て御手ててなどなどなどのののわざとわざとわざとかしこうかしこうかしこうこそこそこそ物もの物ものものししし給たま給たまたまふふうべけれべけれべけれ。。。何事なにごと何事なにごとなにごとにににもももはかばかしからはかばかしからはかばかしからぬぬぬ自みづか自みづかみずからららのののおもておもておもて起おこ起おこおこしししににになむなむなん」」」とととのたまはすれのたまはすれのたまわすればばば
  14. 14「「「大方おほかた大方おほかたおおかたししし給たま給たまたまふふうわざわざわざなどなどなどいといといとさとくさとくさとくおとなびおとなびおとなびたるたるたるさまさまさまににに物もの物ものものししし給たま給たまたまへへえどどど、、、まだまだまだいといといとかたなりかたなりかたなりににになむなむなん」」」とととそのそのその御おん御おんおん有樣ありさま有樣ありさまありさまなどなどなど奏そう奏そうそうししし給たま給たまたまひひいてててまかでまかでまかで給たま給たまたまふふうににに、、、
  15. 15大宮おほみや大宮おほみやおおみやののの御おん御おんおんせうとせうとしょうとののの藤大納言とうだいなごん藤大納言とうだいなごんとうだいなごんののの子こ子ここののの頭とう頭とうとうののの辨べん辨べんべんととといふいふいうががが世よ世よよにににあひあひあい花はな花はなはなやかやかやかなるなるなるわかうどわかうどわこうどにてにてにて思おも思おもおもふふう事こと事ことことなきなきなきなるなるなるべしべしべし。。。妹いもうと妹いもうといもうとののの麗景殿れいけいでん麗景殿れいけいでんれいけいでんののの御方かた御方かたかたににに行ゆ行ゆゆくくくににに大將だいしやう大將だいしやうだいしょうのののみさきみさきみさきををを忍しの忍しのしのびやかびやかびやかにににおへおへおえばばば、、、
  16. 16しばししばししばし立た立たたちちちとまりとまりとまりててて「「「白虹はくこう白虹はくこうはくこう日ひ日ひひををを貫つらぬ貫つらぬつらぬけけけりりり。。。太子たいし太子たいしたいしおぢおぢおじたりたりたりととといといといとゆるらかゆるらかゆるらかにににうちうちうちずじずじずじたるたるたるををを、、、大將だいしやう大將だいしやうだいしょういといといとまばゆしまばゆしまばゆしととと聞き聞ききききき給たま給たまたまへへえどどど咎とが咎とがとがむむむべきべきべきことことことかかかははは。。。
  17. 17きさききさききさきののの御おん御おんおん氣色けしき氣色けしきけしきはははいといといと恐おそ恐おそおそろしうろしうろしゅう煩わづら煩わづらわずらはしげはしげわしげにににのみのみのみ聞きこ聞きこきこゆるゆるゆるををを、、、かうかうこう親した親したしたしきしきしき人々びと人々びとびとももも氣色けしき氣色けしきけしきだちだちだちいふいふいうべかべかべかめるめるめる事こと事ことことどもどもどもゝゝもあるあるあるににに煩わづら煩わづらわずらはしうはしうわしゅうおぼさおぼさおぼされれれけれけれけれどどどつれなうつれなうつれのうのみのみのみもてなしもてなしもてなし給たま給たまたまへへえりりり。。。
  18. 18「「「御おん御おんおんまへまへまえににに侍さぶら侍さぶらさぶらひひいててて今いま今いまいままでまでまでふかしふかしふかし侍はべ侍はべはべりりりにににけるけるける」」」ととと聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふう。。。月つき月つきつきののの華はな華はなはなやかやかやかなるなるなるににに昔むかし昔むかしむかしかやうかやうかようなるなるなる折をり折をりおりははは御おん御おんおん遊あそび遊あそびあそびせせせさせさせさせ給たま給たまたまひひいててて今いま今いまいまめかしうめかしうめかしゅうもてなさもてなさもてなさせせせ給たま給たまたまひひいしししなどなどなどおぼしおぼしおぼし出い出いいづるづるずるににに、、、同おな同おなおなじじじみみみ垣がき垣がきがきののの內うち內うちうちながらながらながら變かは變かはかわれれれるるることことこと多おほ多おほおおくくくかなしかなしかなし。。。
  19. 19「「「こゝのへこゝのへここのえにににきりきりきりやややへだつるへだつるへだつる雲くも雲くもくもののの上うへ上うへうえののの月つき月つきつきをををはるかはるかはるかににに思おも思おもおもひひいやるやるやるかなかなかな」」」ととと命婦みやうぶ命婦みやうぶみょうぶしししててて聞きこ聞きこきこえええ傳つた傳つたつたへへえ給たま給たまたまふふう御おん御おんおんけはひけはひけわいもももほのかほのかほのかなれなれなれどどど懷なつか懷なつかなつかしうしうしゅう聞きこ聞きこきこゆるゆるゆるににに、、、つらさつらさつらさももも忘わす忘わすわすららられれれてててまづまづまず淚なみだ淚なみだなみだぞぞぞおつるおつるおつる。。。
  20. 20「「「月つき月つきつきかげかげかげははは見み見みみししし世よ世よよののの秋あき秋あきあきにににかはらかはらかわらぬぬぬををを隔へだ隔へだへだつるつるつる霧きり霧きりきりのののつらくつらくつらくもももあるあるあるかなかなかな。。。霞かすみ霞かすみかすみももも人ひと人ひとひとのののとととかかか、、、昔むかし昔むかしむかしももも侍はべ侍はべはべりりりけるけるける事こと事ことことにににややや」」」などなどなどきこえきこえきこえ給たま給たまたまふふう。。。
  21. 21宮みや宮みやみやははは春宮とうぐう春宮とうぐうとうぐうををを飽あ飽ああかかかずずず思おも思おもおもひひい聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまひひいててて萬よろづ萬よろづよろずののの事こと事ことことををを聞きこ聞きこきこえええさせさせさせ給たま給たまたまへへえどどど、、、深ふか深ふかふこうううもももおぼしおぼしおぼし入い入いいれれれたらたらたらぬぬぬをををいといといとうしろめたくうしろめたくうしろめたく思おも思おもおもひひいきこえきこえきこえ給たま給たまたまふふう。。。例れい例れいれいはははいといといととくとくとく大殿おほとの大殿おほとのおおとの籠ごも籠ごもごもれれれるるるををを出い出いいででで給たま給たまたまふふうまでまでまでははは起お起おおきききたらたらたらむむんとととおぼすおぼすおぼすなるなるなるべしべしべし。。。うらめしげうらめしげうらめしげにににおぼしおぼしおぼしたれたれたれどどどさすがさすがさすがにににえええ慕した慕したしたひひい聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまははわぬぬぬをををいといといとあはれあはれあわれととと見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまふふう。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

女君(紫の上)は、この数日のうちに大人びていらっしゃった感じがして、たいそう落ち着いていらっしゃって、世の中がどうなるのだろうかと思っている様子が、いじらしくしみじみと思われなさるので、源氏の、筋違いの心がさまざまに乱れていることが、わかってしまうのだろうか。「色かはる」とあった歌もかわいらしく思われて、いつもより格別に語り合い申し上げなさる。

山の土産にお持ちになった紅葉を、御前の庭のものと見比べなさると、格別に濃く染まっていて、露の心も見過ごしがたく、ご無沙汰の気がかりさも体裁が悪いほどに思われなさるので、ただ普通の贈り物として、中宮に差し上げなさる。

命婦のもとに、「宮中にお入りになったのを珍しいことと承りましたが、中宮のご様子もわからなくなってしまいましたので、気が気でなく存じながら、勤行も勤めようと思い立ちました日数を、途中でやめるのも不本意かと思いまして、何日にもなってしまいました。紅葉は、一人で見ておりますと、錦も暗く見える気がいたしますので。よい折にお目にかけてください」などと書いてある。

本当にすばらしい枝々なので、お目がとまると、いつものように、ちょっとした手紙が結んであった。女房たちが拝見していると、中宮はお顔の色も変わって、やはりこうした心がおやみにならないのが、たいそういとわしい。

惜しいことに、思慮深くいらっしゃる人が、思いがけなくこのようなことを折々まぜなさるのを、人も変だと見ているだろうと、気に入らなくお思いになって、紅葉を瓶にささせて、廂の柱のもとに押しやらせておしまいになった。

一般的なことや、東宮のことに関係することなどは、頼りにしている様子で、そっけないご返事だけを申し上げなさるのを、源氏は、よくも用心深く、どこまでもつれないものだと恨めしくご覧になるが、何事もご後見申し上げてきたので、人が変だと見とがめてはいけないとお思いになって、中宮が退出なさる予定の日に参内なさった。

まず帝の御方に参上なさると、帝はのんびりとしていらっしゃる時で、昔や今のお話を申し上げなさる。帝のご容貌も、院にたいそうよく似ていらっしゃって、もう少し優美な趣が加わって、親しみやすく、穏やかでいらっしゃる。互いにしみじみと見つめ合っていらっしゃる。

尚侍の君(朧月夜)とのことも、まだ続いている様子をお聞きになって、それらしいご様子をご覧になる時もあるが、どうして、今始まったことならともかく、以前からの仲なのだから、そのように心を通わせるのも不似合いではない二人の間柄だと思いなして、おとがめにならなかった。

いろいろなお話や、学問の道でわからないとお思いになることなどをお尋ねになって、また色めいた歌の話なども互いに申し上げなさるついでに、帝は、あの斎宮が伊勢へ下られた日のことや、容貌が美しくていらっしゃったことなどをお話しになるので、源氏も打ち解けて、野宮でのしみじみとした明け方のことも、すべてお話し申し上げてしまった。

二十日の月がだんだん出てきて、趣のあるころなので、帝は「管絃の遊びなどもしたい時だなあ」とおっしゃる。源氏は「中宮が今夜退出なさるそうですので、そのお見舞いに参りましょう。院が言い残されたことがございましたので、ほかにご後見申し上げる人もいないようですから、東宮のご縁で、お気の毒に存じまして」と奏上なさる。

帝は「東宮を、私の皇子のようにしてなどと院がおっしゃっておいたので、特に気をつけてはいるが、とりたてて特別な扱いをするのも、どうかと思ってね。年のわりには、ご筆跡などが格別にすぐれていらっしゃるようだ。何事にもぱっとしない私の面目を施してくれることだ」とおっしゃるので、

源氏は「だいたいのことはたいそう賢く大人びていらっしゃいますが、まだ未熟でいらっしゃいます」と、東宮のご様子などを奏上なさって退出なさると、

大宮(弘徽殿大后)の兄の藤大納言の子の頭弁という者が、時流に乗った華やかな若者で、何の悩みもないのだろう。妹の麗景殿の女御のもとへ行く時に、大将の前駆がひそやかに先払いをすると、しばらく立ち止まって、「白虹日を貫けり。太子おぢたり」と、たいそうゆっくりと口ずさんだのを、大将はたいそう気恥ずかしいとお聞きになるが、とがめるべきことでもない。

大后のご機嫌はたいそう恐ろしく、厄介なことばかり聞こえてくるうえに、こうして大后に近い人々も、それとなくあてこすりを言うようなことがあるので、面倒にお思いになったが、素知らぬふりでふるまっていらっしゃった。

源氏は藤壺の御方に参って、「帝の御前に控えておりまして、今まで夜を更かしてしまいました」と申し上げなさる。月が華やかなので、昔、このような時には、院が管絃の遊びをおさせになって、華やかにおもてなしになったことなどを思い出しなさるにつけ、同じ宮中でありながら、変わってしまったことが多く悲しい。

中宮は「宮中に霧が隔てているのでしょうか。雲の上の月を、はるかに思いやることです」と命婦を通してお伝えになる。そのご様子もほのかではあるが、慕わしく聞こえるので、源氏はつらさも忘れて、まず涙がこぼれる。「月の光は、院のご在世の秋と変わらないのに、それを隔てる霧がつらいことです。霞も人の心と同じだとか、昔もございましたことでしょうか」などと申し上げなさる。

中宮は、東宮をいつまでも名残惜しくお思いになって、いろいろなことを申し上げなさるが、東宮があまり深くもお心にとめていらっしゃらないのを、たいそう気がかりにお思い申し上げなさる。いつもはたいそう早くお休みになるのに、中宮がお出になるまでは起きていようとお思いなのだろう。恨めしそうにしていらっしゃるが、さすがに後を慕うこともおできにならないのを、たいそういじらしいと拝見なさる。

意訳

雲林院から戻った源氏は、紫の上がいっそう大人びたのを感じる。源氏は持ち帰った紅葉を藤壺に贈るが、枝に結んだ恋文に、藤壺は眉をひそめて紅葉を遠ざける。

藤壺が宮中から退出する日、源氏は朱雀帝と親しく語り合う。帝は朧月夜との関係を知りながらとがめない、心の広い人柄である。退出の折、大后の甥の頭弁が、謀反をほのめかす故事を口ずさみ、源氏は身の危うさを感じる。

語釈・文法注

白虹日を貫けり。太子おぢたり
『史記』の故事による。燕の太子丹が荊軻に秦の始皇帝を暗殺させようとした時、白い虹が太陽を貫く兆しが現れたが、太子は恐れたという。頭弁は、源氏が東宮を擁して朱雀帝に謀反を企てていると当てこすったのである。

文法

危惧の「もこそ」(み咎めもこそすれ)
「見とがめては困る」。悪い事態を予想して恐れる表現。
「こそ…め」の逆接(今始めたる事ならばこそあらめ)
「今始まったことならともかく(そうではない)」。

和歌

こゝのへにきりやへだつる雲の上の月をはるかに思ひやるかな

詠者
藤壺
状況
宮中から退出する夜、藤壺が命婦を通して源氏に伝えた歌。宮中に霧が隔てているのでしょうか。雲の上の月(帝)を、はるかに思いやることです。

修辞

比喩
「霧」に大后方の妨げを、「雲の上の月」に宮中や帝をたとえる。

月かげは見し世の秋にかはらぬを隔つる霧のつらくもあるかな

詠者
光源氏
状況
藤壺への返歌。月の光は、院のご在世の秋と変わらないのに、それを隔てる霧がつらいことです。

解説

朱雀帝は、源氏と朧月夜の関係を知りながらとがめない。気弱ではあるが、心の優しい帝として描かれている。帝と源氏が斎宮や野宮の話を打ち解けて語り合う場面は、二人の兄弟の親しさを示している。

頭弁の「白虹日を貫けり」という言葉は、源氏に謀反の疑いをかける危険なあてこすりである。右大臣方の若者までが源氏を公然と挑発するようになったことは、源氏の立場がいかに危うくなったかを示している。

関連

出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、212–215頁(コマ108–109)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日