古典ライブラリー

源氏物語 第10帖 賢木(7)

藤壺への迫り

登場人物:藤壺・光源氏・王命婦・弁・兵部卿宮・冷泉帝

藤壺は、源氏の思いがやまないことを恐れ、東宮のために秘密が漏れることを案じて、祈祷までさせて源氏を避けていた。しかし源氏はある夜、思いがけず藤壺に近づく。藤壺は胸を病んで苦しみ、源氏は塗籠に隠れたまま一日を過ごす。夜になって再び藤壺に迫るが、藤壺は衣を脱ぎ捨てて逃れる。藤壺は最後まで源氏を拒み、源氏は歌を残して出ていく。

夜の三条宮で、源氏の思いに応じることのできない藤壺が、女房とともに奥の部屋に身を置く場面(AI生成)
夜の三条宮で、源氏の思いに応じることのできない藤壺が、女房とともに奥の部屋に身を置く場面
  1. 1內うち內うちうちににに參まゐ參まゐまいりりり給たま給たまたまははわむむんことことことはははうひうひしくうひうひしくういういしく所ところ所ところところせくせくせくおぼしおぼしおぼしなりなりなりててて、、、春宮とうぐう春宮とうぐうとうぐうををを見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまははわぬぬぬををを覺束おぼつか覺束おぼつかおぼつかなくなくなくおもほえおもほえおもおえ給たま給たまたまふふう。。。又また又またまたたのもしきたのもしきたのもしき人ひと人ひとひとももも物もの物ものものししし給たま給たまたまははわねねねばばば、、、唯ただ唯ただただこのこのこの大將だいしやう大將だいしやうだいしょうののの君きみ君きみきみをををぞぞぞ萬よろづ萬よろづよろずににに賴たの賴たのたのみみみ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまへへえるるるににに
  2. 2猶なほ猶なほなおこのこのこのにくきにくきにくき御心みこころ御心みこころみこころののの止や止ややまままぬぬぬにににともすればともすればともすれば御おん御おんおん胸むね胸むねむねををを潰つぶ潰つぶつぶししし給たま給たまたまひひいつゝつゝつつ聊いささか聊いささかいささかももも氣色けしき氣色けしきけしきををを御覽ごらん御覽ごらんごらんじじじ知し知ししらららずずずなりなりなりにににしししををを思おも思おもおもふふうだにだにだにいといといと恐おそろ恐おそろおそろしきしきしきににに、、、今いま今いまいま更さら更さらさらににに又また又またまたさるさるさることことことののの聞きこ聞きこきこえええありありありててて我身わがみ我身わがみわがみはははさるさるさるものものものにてにてにて春宮とうぐう春宮とうぐうとうぐうののの御おん御おんおんためためためににに必かなら必かならかならずずず善よ善よよからからからぬぬぬ事こと事ことこと出い出いいででで來こ來ここなななむむんとととおぼすおぼすおぼすににに、、、
  3. 3いといといとおそろしけれおそろしけれおそろしければばば御おん御おんおん祈いのり祈いのりいのりをををさへさへさへせせせさせさせさせ給たま給たまたまひひいててて、、、このこのこのことことこと思おも思おもおもひひい止や止ややままませせせ奉たてまつ奉たてまつたてまつらららむむんとととおぼしおぼしおぼし至いた至いたいたらららぬぬぬことことことなくなくなく遁のが遁のがのがれれれ給たま給たまたまふふうををを、、、如何いか如何いかいかなるなるなる折をり折をりおりにににかかかありありありけむけむけん、、、あさましうあさましうあさましゅうててて近ちか近ちかちかづきづきづき參まゐ參まゐまいりりり給たま給たまたまへへえりりり。。。
  4. 4心こころ心こころこころ深ふか深ふかふかくくくたばかりたばかりたばかり給たま給たまたまひひいけむけむけんことことことををを知し知ししるるる人ひと人ひとひとなかりなかりなかりけれけれければばば夢ゆめ夢ゆめゆめのののやうやうようにににぞぞぞありありありけるけるける。。。まねぶまねぶまねぶべきべきべきやうやうようもももなくなくなく聞きこ聞きこきこえええ續つづ續つづつづけけけ給たま給たまたまへへえどどど、、、宮みや宮みやみやいといといとこよなくこよなくこよなくもてもてもてはなれはなれはなれ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまひひいてててはてはてはてはてはてはてははは御おん御おんおん胸むね胸むねむねをををいたういたういとう惱なや惱なやなやみみみ給たま給たまたまへへえばばば、、、近ちか近ちかちこううう侍さぶら侍さぶらさぶらひひいつるつるつる命婦みやうぶ命婦みやうぶみょうぶ辨べん辨べんべんなどなどなどぞぞぞあさましうあさましうあさましゅう見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりあつかふあつかふあつかう。。。
  5. 5男をとこ男をとこおとこはははうしうしうしつらしつらしつらしととと思おも思おもおもひひい聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふうことことこと限かぎり限かぎりかぎりなきなきなきにににきしかたきしかたきしかた行ゆ行ゆゆくくくさきさきさきかきかきかきくらすくらすくらす心地ここち心地ここちここちしししてててうつしうつしうつし心ごころ心ごころごころももも失う失ううせせせにににけれけれければばば明あ明ああけけけはてはてはてにににけれけれけれどどど出い出いいででで給たま給たまたまははわずずずなりなりなりぬぬぬ。。。
  6. 6御おん御おんおん惱なやみ惱なやみなやみににに驚おどろ驚おどろおどろきききててて人々びと人々びとびと近ちか近ちかちこううう參まゐ參まゐまいりりりてててしげうしげうしぎょうまがへまがへまがえばばばわれわれわれにににもももあらあらあらででで塗ぬり塗ぬりぬりににに押お押おおししし入い入いいれれれられられられててておはすおはすおわす。。。御おん御おんおんぞぞぞどもどもども隱かく隱かくかくしししもたるもたるもたる人ひと人ひとひとののの心こころ心こころこころなどなどなどもももいといといとむつかしむつかしむつかし。。。
  7. 7宮みや宮みやみやははは物もの物ものものをををいといといと侘わび侘わびわびしししとととおぼしおぼしおぼしけるけるけるににに御おん御おんおんけけけあがりあがりあがりててて猶なほ猶なほなお惱なやま惱なやまなやましうしうしゅうせせせさせさせさせ給たま給たまたまふふう。。。兵部卿宮ひやうぶきやうのみや兵部卿宮ひやうぶきやうのみやひょうぶきょうのみや大夫だいぶ大夫だいぶだいぶなどなどなど參まゐ參まゐまいりりりててて「「「僧そう僧そうそう召め召めめせせせ」」」などなどなどさわぐさわぐさわぐををを、、、大將だいしやう大將だいしやうだいしょういといといと侘わび侘わびわびしうしうしゅう聞き聞きききききおはすおはすおわす。。。
  8. 8辛から辛からからうじてうじてうじて暮く暮くくれれれゆくゆくゆくほどほどほどにににぞぞぞ怠おこた怠おこたおこたりりり給たま給たまたまへへえるるる。。。かくかくかく籠こも籠こもこもりりり居ゐ居ゐい給たま給たまたまひひいつつつらむらむらんとととはははおぼしおぼしおぼしもももかけかけかけずずず、、、人々びと人々びとびとももも又また又またまた御心みこころ御心みこころみこころまどはさまどはさまどわさじじじとととてててかくかくかくなむなむなんとととももも申まう申まうもうさささぬぬぬなるなるなるべしべしべし。。。
  9. 9晝ひる晝ひるひるのののおましおましおましにににゐざりゐざりいざり出い出いいでゝでゝでておはしますおはしますおわします。。。「「「よろしうよろしうよろしゅうおぼさるゝおぼさるゝおぼさるるなななめりめりめり」」」とととててて宮みや宮みやみやもももまかでまかでまかで給たま給たまたまひひいなどなどなどしししててておまへおまへおまえ人ひと人ひとひとずくなずくなずくなににになりなりなりぬぬぬ。。。例れい例れいれいもももけぢかくけぢかくけじかくならさならさならさせせせ給たま給たまたまふふう人ひと人ひとひと少すくな少すくなすくなけれけれければばば此處彼處ここかしこ此處彼處ここかしこここかしこののの物もの物ものもののののうしろうしろうしろなどなどなどにににぞぞぞ侍さぶら侍さぶらさぶらふふう。。。
  10. 10命婦みやうぶ命婦みやうぶみょうぶののの君きみ君きみきみなどなどなどはははいかにいかにいかにたばかりたばかりたばかりててて出いだ出いだいだししし奉たてまつ奉たてまつたてまつらららむむん「「「今宵こよひ今宵こよひこよいさへさへさへ御おん御おんおんけけけあがらあがらあがらせせせ給たま給たまたまははわむむんいとほしういとほしういとおしゅう」」」などなどなどうちうちうちさゝめきさゝめきささめきあつかふあつかふあつかう。。。
  11. 11君きみ君きみきみははは塗ぬり塗ぬりぬりごめごめごめののの戶と戶ととののの細目ほそめ細目ほそめほそめににに開あ開ああきききたるたるたるをををやをらやをらやおら押お押おおししし開あ開ああけけけててて御おん御おんおん屏風びやうぶ屏風びやうぶびょうぶのののはざまはざまはざまににに傳つた傳つたつたひひい入い入いいりりり給たま給たまたまひひいぬぬぬ。。。珍めづら珍めづらめずらしくしくしく嬉うれ嬉うれうれしきしきしきにににももも淚なみだ淚なみだなみだははは墮お墮おおちちちててて見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまふふう。。。
  12. 12「「「猶なほ猶なほなおいといといと苦くる苦くるくるしうしうしゅうこそこそこそあれあれあれ、、、世よ世よよやややつきつきつきぬぬぬらむらむらん」」」とととてててとととののの方かた方かたかたををを見み見みみ出いだ出いだいだししし給たま給たまたまへへえるるるかたはらめかたはらめかたわらめ言い言いいひひいしらしらしらずずずなまめかしうなまめかしうなまめかしゅう見み見みみゆゆゆ。。。「「「御おん御おんおんくだものくだものくだものをををだにだにだに」」」とととててて參まゐ參まゐまいりりりすゑすゑすえたりたりたり。。。箱はこ箱はこはこののの葢ふた葢ふたふたなどなどなどにににももも懷なつか懷なつかなつかしきしきしきさまさまさまにてにてにてあれあれあれどどど見み見みみ入い入いいれれれ給たま給たまたまははわずずず。。。
  13. 13世よ世よよののの中なか中なかなかをををいたういたういとうおぼしおぼしおぼし惱なや惱なやなやめめめるるる氣色けしき氣色けしきけしきにてにてにて長閑のどか長閑のどかのどかににに眺なが眺ながながめめめ入い入いいりりり給たま給たまたまへへえるるる、、、いみじういみじういみじゅうらうたげらうたげろうたげなりなりなり。。。かんざしかんざしかんざし頭かしら頭かしらかしらつきつきつきみぐしみぐしみぐしのののかゝりかゝりかかりたるたるたるさまさまさま限かぎり限かぎりかぎりなきなきなきにほはしさにほはしさにおわしさなどなどなど、、、唯ただ唯ただただかのかのかの對たい對たいたいののの姫君ひめぎみ姫君ひめぎみひめぎみににに違たが違たがたがふふう所ところ所ところところなしなしなし。。。
  14. 14年比としごろ年比としごろとしごろ少すこ少すこすこししし思おも思おもおもひひい忘わす忘わすわすれれれ給たま給たまたまへへえりりりつるつるつるをををあさましきあさましきあさましきまでまでまでおぼえおぼえおぼえ給たま給たまたまへへえるるるかなかなかなととと見み見みみ給たま給たまたまふふうまゝまゝままににに少すこ少すこすこししし物思ものおも物思ものおもものおもひひいのののはるけはるけはるけ所どころ所どころどころあるあるある心地ここち心地ここちここちししし給たま給たまたまふふう。。。
  15. 15けけけ高だか高だかだかううう耻はづか耻はづかはずかしげしげしげなるなるなるさまさまさまなどなどなどももも更さら更さらさらにににことことこと人びと人びとびとととと思おも思おもおもひひいわきわきわき難がた難がたがたきききををを、、、なほなほなお限かぎり限かぎりかぎりなくなくなく昔むかし昔むかしむかしよりよりより思おも思おもおもひひいしめしめしめ聞きこ聞きこきこえええてててししし心こころ心こころこころののの思おも思おもおもひひいなしなしなしにににややや、、、さまさまさまことことことにににいみじういみじういみじゅうねびねびねびまさりまさりまさり給たま給たまたまひひいにににけるけるけるかなかなかなととと類たぐひ類たぐひたぐいなくなくなくおぼえおぼえおぼえ給たま給たまたまふふうににに
  16. 16心こころ心こころこころ惑まど惑まどまどひひいしししてててやをらやをらやおら御帳みちやう御帳みちやうみちょうののの內うち內うちうちにににかゝづらひかゝづらひかかずらいよりよりよりててて御おん御おんおんぞぞぞののの褄つま褄つまつまををを引ひ引ひひきききならしならしならし給たま給たまたまふふう。。。けはひけはひけわいしるくしるくしるくさとさとさとにほひにほひにおいたるたるたるにににあさましうあさましうあさましゅうむくつけうむくつけうむくつきょうおぼさおぼさおぼされれれててて、、、やがてやがてやがてひれひれひれふしふしふし給たま給たまたまへへえりりり。。。
  17. 17「「「見み見みみだにだにだに向む向むむききき給たま給たまたまへへえかしかしかし」」」ととと心こころ心こころこころやましうやましうやましゅうつらくつらくつらくてててひきひきひき寄よ寄よよせせせ給たま給たまたまへへえるるるににに、、、御おん御おんおんぞぞぞをををすべしすべしすべし置お置おおきききてててゐざりゐざりいざりのきのきのき給たま給たまたまふふうににに、、、心こころ心こころこころにににもももあらあらあらずずずみぐしみぐしみぐしののの取と取ととりりり添そ添そそへへえられられられたりたりたりけれけれければばば、、、いといといと心こころ心こころこころ憂う憂ううくくくすくせすくせすくせののの程ほど程ほどほどおぼしおぼしおぼし知し知ししららられれれててていみじいみじいみじとととおぼしおぼしおぼしたりたりたり。。。
  18. 18男をとこ男をとこおとこもももこゝらこゝらここら世よ世よよをををもてもてもてしづめしづめしずめ給たま給たまたまふふう御心みこころ御心みこころみこころ皆みな皆みなみな亂みだ亂みだみだれれれてててうつしうつしうつしざまざまざまにににもももあらあらあらずずず萬よろづ萬よろづよろずののの事こと事ことことをををなくなくなくなくなくなく恨うら恨うらうらみみみ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまへへえどどど、、、誠まこと誠まことまことににに心こころ心こころこころづきなしづきなしづきなしとととおぼしおぼしおぼしててて御おん御おんおんいらへいらへいらえももも聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまははわずずず「「「唯ただ唯ただただ心地ここち心地ここちここちのののいといといと惱なやま惱なやまなやましきしきしきをををかゝらかゝらかからぬぬぬ折をり折をりおりもももあらあらあらばばば聞きこ聞きこきこえええてててむむん」」」とととのたまへのたまへのたまえどどど盡つ盡つつきききせせせぬぬぬ御心みこころ御心みこころみこころののの程ほど程ほどほどををを言い言いいひひい續つづ續つづつづけけけ給たま給たまたまふふう。。。
  19. 19さすがさすがさすがにににいみじいみじいみじととと聞き聞ききききき給たま給たまたまふふうふしふしふしもももまじるまじるまじるらむらむらん。。。あらあらあらざりざりざりしししことことことにににはははあらあらあらねねねどどど改あらた改あらたあらためめめててていといといと口惜くちを口惜くちをくちおしうしうしゅうおぼさるれおぼさるれおぼさるればばば懷なつか懷なつかなつかしきしきしきものものものからからからいといといとようようようのたまひのたまひのたまい遁のが遁のがのがれれれててて今宵こよひ今宵こよひこよいももも明あ明ああけけけゆくゆくゆく。。。
  20. 20せめてせめてせめて從したが從したがしたがひひい聞きこ聞きこきこえええざらざらざらむむんもももかたじけなくかたじけなくかたじけなく心こころ心こころこころ耻はづか耻はづかはずかしきしきしき御おん御おんおんけはひけはひけわいなれなれなればばば「「「唯ただ唯ただただかばかりかばかりかばかりにてにてにてももも時々ときどき時々ときどきときどきいみじきいみじきいみじき憂うれ憂うれうれへへえをををだにだにだに晴はる晴はるはるけけけ侍はべ侍はべはべりりりぬぬぬべくべくべくははは、、、何なに何なになにのののおほけなきおほけなきおおけなき心こころ心こころこころももも侍はべ侍はべはべらららじじじ」」」などなどなどたゆめたゆめたゆめ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふうべしべしべし。。。なのめなのめなのめなるなるなることことことだにだにだにかやうかやうかようなるなるなるなからひなからひなからいはははあはれあはれあわれなるなるなることことことももも添そ添そそふふうなるなるなるをををましてましてまして類たぐ類たぐたぐひひいなげなげなげなりなりなり。。。
  21. 21明あ明ああけけけはつれはつれはつればばば二人ふたり二人ふたりふたりしししててていみじきいみじきいみじき事こと事ことことどもどもどもををを聞きこ聞きこきこえええ、、、宮みや宮みやみやはははなかばなかばなかばなきなきなきやうやうようなるなるなる御おん御おんおん氣色けしき氣色けしきけしきののの心苦こころぐる心苦こころぐるこころぐるしけれしけれしければばば、、、世よ世よよののの中なか中なかなかにににありありありととと聞きこ聞きこきこししし召め召めめささされれれむむんもももいといといとはづかしけれはづかしけれはずかしければばばやがてやがてやがて亡う亡ううせせせ侍はべ侍はべはべりりりなななむむんももも又また又またまたこのこのこの世よ世よよならならならぬぬぬ罪つみ罪つみつみとととなりなりなり侍はべ侍はべはべりりりぬぬぬべきべきべきことことことなどなどなど聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふうももも、、、むくつけきむくつけきむくつけきまでまでまでおぼしおぼしおぼし入い入いいれれれりりり。。。
  22. 22「「「逢あ逢ああふふうことことことのののかたきかたきかたきををを今日けふ今日けふきょうにににかぎらかぎらかぎらずずずばばば今いま今いまいま幾世いくよ幾世いくよいくよをををかかかなげきなげきなげきつゝつゝつつ經へ經へへむむん。。。御おん御おんおんほだしほだしほだしにににもももこそこそこそ」」」ととと聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまへへえばばばさすがさすがさすがにににうちうちうち歎なげ歎なげなげききき給たま給たまたまひひいててて、、、「「「長なが長ながながききき世よ世よよのののうらみうらみうらみををを人ひと人ひとひとにににのこしのこしのこしてててもももかつはかつはかつわ心こころ心こころこころをををあだあだあだとととしらしらしらなむなむなん」」」。。。
  23. 23はかなくはかなくはかなくいひいひいいなさなさなさせせせ給たま給たまたまへへえるるるさまさまさまのののいふいふいうよしよしよしなきなきなき心地ここち心地ここちここちすれすれすれどどど、、、人ひと人ひとひとのののおぼさおぼさおぼさむむん所ところ所ところところももも我わ我わわががが御おん御おんおんためためためももも苦くる苦くるくるしけれしけれしければばばわれわれわれにににもももあらあらあらででで出い出いいででで給たま給たまたまひひいぬぬぬ。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

中宮(藤壺)は、宮中に参内なさることは気が進まず、気づまりにお思いになって、東宮にお会いにならないのを気がかりにお思いになる。また、ほかに頼りになる人もいらっしゃらないので、ただこの大将の君を何事につけても頼りにし申し上げていらっしゃるのに、

やはりあの憎らしいお心がやまないので、ともすればお胸をつぶしなさりながら、院が少しも事情をお気づきにならずに終わったことを思うだけでも、たいそう恐ろしいのに、今さらまたそうした噂が立ったら、自分の身はともかく、東宮のために必ずよくないことが起こるだろうとお思いになると、

たいそう恐ろしいので、ご祈祷までさせて、この恋を思いとどまらせ申し上げようと、あらゆる手を尽くして逃れていらっしゃるのに、どういう折だったのだろうか、思いがけなく、源氏が近くに参上なさった。

源氏が深く計画なさったことを知る人がなかったので、夢のようであった。源氏は、書き表しようもないほど申し上げ続けなさるが、中宮はまったく取り合わず、とうとうお胸をひどくお病みになったので、近くに控えていた命婦や弁などが、あきれて介抱申し上げる。

男は、つらく恨めしいと思い申し上げることこの上なく、過去も未来も真っ暗になる気持ちがして、正気も失ってしまったので、夜が明けてしまったが、お出にならないままになった。

中宮のご病気に驚いて、女房たちが近くに参って、しきりに出入りするので、源氏は呆然として、塗籠に押し込められていらっしゃる。源氏のお召し物などを隠し持っている女房の心も、たいそう気が気でない。

中宮は、何かとたいそうつらいとお思いになったので、のぼせて、ますますお苦しみになる。兵部卿宮や中宮大夫などが参上して、「僧を呼べ」などと騒ぐのを、大将はたいそうつらい思いで聞いていらっしゃる。やっと日が暮れていくころに、よくおなりになった。

源氏がこうして塗籠にこもっていらっしゃるだろうとは思いもよらず、女房たちも、またお心を乱させまいと思って、そのことも申し上げないのだろう。中宮は昼のお座席に膝行して出ていらっしゃる。「ご気分がよくおなりのようだ」と言って、兵部卿宮も退出なさるなどして、御前は人が少なくなった。いつもお近くにお仕えさせる人は少ないので、あちこちの物陰などに控えている。

命婦の君などは、どうやって源氏をお出し申し上げようか、「今夜もまた、のぼせなさったらお気の毒だ」などとささやいて相談している。源氏は、塗籠の戸が細めに開いているのを、そっと押し開けて、御屏風の間を伝ってお入りになった。珍しくうれしいにつけても、涙がこぼれて、中宮を拝見なさる。

「やはりたいそう苦しいことだ。命も尽きてしまうのだろうか」と言って、外の方をご覧になっている横顔は、言いようもなく優美に見える。「せめてくだものだけでも」と言って、女房が差し上げた。箱の蓋などにも、やさしい様子で盛ってあるが、中宮は見向きもなさらない。

世の中をひどく思い悩んでいらっしゃる様子で、静かに物思いにふけっていらっしゃるのは、たいそういじらしい。髪の生え際や頭の形、御髪のかかっている様子、この上ない美しさなど、まったくあの西の対の姫君(紫の上)と違うところがない。長年、少し忘れていらっしゃったのに、あきれるほど似ていらっしゃることよと、ご覧になるにつけて、少し物思いが晴れる気持ちがなさる。

気高く、こちらが気後れするような様子なども、まったく別人とは区別しがたいのに、やはり、この上なく昔から思いを寄せ申し上げてきた心の思いなしだろうか、格別にすばらしくお年を重ねられたなあと、比べるものもなくお思いになると、

心が乱れて、そっと御帳台の中にまつわるように入って、お召し物の褄を引き鳴らしなさる。その気配がはっきりして、さっと香りが漂ったので、中宮はあきれて、気味悪くお思いになって、そのままうつ伏しておしまいになった。

「せめてこちらを向いてください」と、じれったく恨めしくて、引き寄せなさると、中宮はお召し物を脱ぎすべらせて置いて、膝行して退きなさるが、心ならずも御髪が衣と一緒に源氏の手に捕らえられていたので、たいそう情けなく、前世からの宿縁のほどを思い知られて、つらいとお思いになった。

男も、長年抑えてきたお心がすっかり乱れて、正気もなく、あらゆることを泣く泣く恨み申し上げなさるが、中宮は本当にいやだとお思いになって、ご返事も申し上げなさらない。「ただ気分がたいそう悪いので、こうでない時があったら申し上げましょう」とおっしゃるが、源氏は尽きないお心のほどを言い続けなさる。

さすがに、心を打たれてお聞きになるところもまじっているのだろう。以前にまったくなかったことではないが、改めてたいそう残念にお思いになるので、やさしくはあるものの、たいそううまく言い逃れなさって、今夜も明けていく。

しいてお言葉に従わないのも恐れ多く、こちらが恥ずかしくなるような中宮のご様子なので、「ただこれくらいでも、時々ひどい嘆きを晴らすことができますなら、何の大それた心もございません」などと、中宮を油断させるように申し上げなさるのだろう。並一通りの仲でさえ、このような間柄には、しみじみとした情が加わるものなのに、まして比べるものもない。

すっかり夜が明けたので、命婦と弁の二人で、ひどく困ったことを申し上げ、中宮は半ば死んだようなご様子なのが痛々しいので、源氏は「私がこの世に生きているとお聞きになるのも、たいそう恥ずかしいので、このまま死んでしまいましょうが、それもまた来世の罪となってしまうでしょう」などと申し上げなさるのも、中宮は気味が悪いほど思いつめていらっしゃる。

「お逢いすることの難しさが今日だけに限らないのなら、この先、幾度生まれ変わって嘆き続けて過ごすことでしょう。あなたの成仏の妨げにもなりましょう」と申し上げなさると、さすがにため息をおつきになって、「来世までの長い恨みを私に残すとしても、一方では、そのお心が浮ついたものだと知ってほしいのです」。

さりげなくおっしゃる様子が、言いようもなくすばらしい気がするが、中宮のお思いになることも、ご自分のためにも苦しいので、源氏は呆然としてお出になった。

意訳

藤壺は、東宮の出生の秘密が漏れることを恐れ、祈祷までして源氏の思いを断とうとしていた。しかし源氏は、ひそかに藤壺に近づく。藤壺は胸を病み、源氏は塗籠に隠れたまま一日を過ごす。

夜になって、源氏は再び藤壺のもとに入る。紫の上とそっくりな藤壺の姿に、源氏は心を乱して迫るが、藤壺は衣を脱ぎ捨てて逃れる。最後まで源氏を拒み通した藤壺に、源氏は恨みの歌を残して出ていく。

語釈・文法注

塗ごめ
塗籠(ぬりごめ)。周囲を壁で塗り込めた部屋。寝室や物置として使われた。

文法

疑問の「か…けむ」(如何なる折にかありけむ)
「どういう折だったのだろうか」。語り手がぼかして語る表現。
希望の「なむ」(あだとしらなむ)
未然形について「…してほしい」という他への願望を表す。

和歌

逢ふことのかたきを今日にかぎらずば今幾世をかなげきつゝ經む

詠者
光源氏
状況
藤壺に拒まれた源氏が詠んだ歌。お逢いすることの難しさが今日だけに限らないのなら、この先、幾度生まれ変わって嘆き続けて過ごすことでしょう。

長き世のうらみを人にのこしてもかつは心をあだとしらなむ

詠者
藤壺
状況
源氏への返歌。来世までの長い恨みを私に残すとしても、一方では、そのお心が浮ついたものだと知ってほしいのです。

解説

藤壺が源氏を拒み通すのは、源氏を嫌っているからではない。不義の子である東宮の秘密が漏れれば、東宮の地位が危うくなる。藤壺は母として、わが子を守るために、源氏への思いを断ち切ろうとしているのである。

衣を脱ぎ捨てて逃れる藤壺の姿は、空蝉の巻の空蝉を思わせる。しかし、ここでは髪が源氏の手に残るという、より生々しい描写がなされている。源氏が藤壺に紫の上の面影を見る場面は、紫の上が藤壺の「ゆかり」として迎えられたことを、改めて思い起こさせる。

関連

出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、204–207頁(コマ104–105)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日