古典ライブラリー

源氏物語 第5帖 若紫(13)

兵部卿宮の来訪

登場人物:光源氏・若紫・兵部卿宮・少納言の乳母・惟光

霧の深い明け方、源氏は少女の邸を出て、帰り道に忍んで通う女の門をたたかせるが、誰も出てこない。その日、父の兵部卿宮が少女を訪ね、荒れた邸を見て、近いうちに自邸に引き取ると告げる。祖母を恋しがって泣く少女のもとに、源氏は惟光を遣わす。少納言の乳母は、宮が明日迎えに来ると知らせ、源氏は宮に引き取られる前に、少女を自分の邸に連れて来ようと決める。

霜の白く降りた霧の深い明け方、古い門の前に車を止め、供人に歌を謡わせる若い貴公子の場面(AI生成)
霜の白く降りた霧の深い明け方、古い門の前に車を止め、供人に歌を謡わせる若い貴公子の場面
  1. 1「「「いといといと哀あはれ哀あはれあわれににに見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる御おん御おんおん有樣ありさま有樣ありさまありさまををを、、、今いま今いまいまはははましてましてまして片時かたとき片時かたときかたときのののまままもももおぼつかなかるおぼつかなかるおぼつかなかるべしべしべし。。。明暮あけくれ明暮あけくれあけくれながめながめながめ侍はべ侍はべはべるるる所ところ所ところところにににわたしわたしわたし奉たてまつ奉たてまつたてまつらららむむんかくかくかくてててのみのみのみはははいかゞいかゞいかが。。。物もの物ものものおぢおぢおじししし給たま給たまたまははわざりざりざりけりけりけり」」」とととののの給のたま給のたまのたまへへえばばば
  2. 2「「「宮みや宮みやみやももも御おん御おんおん迎むかへ迎むかへむかえににになどなどなど聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふうめれめれめれどどどこのこのこの御おん御おんおん四十九日しじふくにち四十九日しじふくにちしじゅうくにちすぐしすぐしすぐしてててやややなどなどなど思おも思おもおもひひい給たま給たまたまふるふるうる」」」ととと聞きこ聞きこきこゆれゆれゆればばば、、、「「「たのもしきたのもしきたのもしきすぢすぢすじながらながらながらもももよそよそよそよそよそよそにてにてにてならひならひならい給たま給たまたまへへえるるるははは同おな同おなおなじうじうじゅうこそこそこそ疎うと疎うとうとううう覺おぼ覺おぼおぼえええ給たま給たまたまははわめめめ。。。今いま今いまいまよりよりより見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつれれれどどど淺あさ淺あさあさからからからぬぬぬ志こころざし志こころざしこころざしはははまさりまさりまさりぬぬぬべくべくべくなむなむなん」」」とととててて搔か搔かかいいい撫な撫ななでででつゝつゝつつ顧かへり顧かへりかえりみみみがちがちがちにてにてにて出い出いいででで給たま給たまたまひひいぬぬぬ。。。
  3. 3いみじういみじういみじゅう霧きり霧きりきり渡わた渡わたわたれれれるるる空そら空そらそらもももたゞたゞただならならならぬぬぬににに霜しも霜しもしもはははいといといと白しろ白しろしろうううおきおきおきててて、、、誠まこと誠まことまことのののけさうけさうけそうもももをかしかりをかしかりおかしかりぬぬぬべきべきべきにににさうざうしうさうざうしうそうぞうしゅう思おも思おもおもひひいおはすおはすおわす。。。
  4. 4いといといと忍しの忍しのしのびびびててて通かよ通かよかよひひい給たま給たまたまふふう所ところ所ところところののの道みち道みちみちなりなりなりけるけるけるをををおぼしおぼしおぼし出い出いいでゝでゝでて、、、門かど門かどかど打う打ううちちち敲たた敲たたたたかかかせせせ給たま給たまたまへへえどどど聞き聞きききききつくるつくるつくる人ひと人ひとひとなしなしなし。。。かひかひかいなくなくなくててて御供おほんとも御供おほんともおおんともににに聲こゑ聲こゑこえあるあるある人ひと人ひとひとしししててて謠うた謠うたうたははわせせせ給たま給たまたまふふう。。。
  5. 5「「「あさぼらけあさぼらけあさぼらけ霧きり霧きりきり立た立たたつつつ空そら空そらそらのののまよひまよひまよいにににももも行ゆ行ゆゆききき過す過すすぎぎぎがたきがたきがたき妹いも妹いもいもががが門かど門かどかどかなかなかな」」」とととふたかへりふたかへりふたかえり謠うた謠うたうたひひいたるたるたるににに、、、よしばみよしばみよしばみたるたるたるしもづかひしもづかひしもづかいををを出いだ出いだいだしししててて、、、「「「立た立たたちちちとまりとまりとまり霧きり霧きりきりのののまがきまがきまがきのののすぎすぎすぎうくうくうくははは草くさ草くさくさのののとざしとざしとざしにににさはりさはりさわりしもしもしもせせせじじじ」」」ととと言い言いいひひいかけかけかけててて入い入いいりりりぬぬぬ、、、
  6. 6またまたまた人ひと人ひとひとももも出い出いいででで來き來ききねねねばばば歸かへ歸かへかえるるるももも情なさけ情なさけなさけなけれなけれなけれどどど明あ明ああけけけ行ゆ行ゆゆくくく空そら空そらそらもももはしたなくはしたなくはしたなくててて殿との殿とのとのへへへおはしおはしおわしぬぬぬ。。。をかしかりをかしかりおかしかりつるつるつる人ひと人ひとひとののの名殘なごり名殘なごりなごり戀こひ戀こひこいしくしくしく獨ひとり獨ひとりひとりゑみゑみえみしししつゝつゝつつ臥ふ臥ふふししし給たま給たまたまへへえりりり。。。
  7. 7日ひ日ひひ高たか高たかたこううう大おほ大おほおおとのごもりとのごもりとのごもりおきおきおきててて、、、文ふみ文ふみふみやりやりやりたまふたまふたまうににに書か書かかくくくべきべきべき言い言いいののの葉は葉ははももも例れい例れいれいならならならねねねばばば筆ふで筆ふでふでうちうちうち置お置おおきききつゝつゝつつすさびすさびすさび居ゐ居ゐい給たま給たまたまへへえりりり。。。をかしきをかしきおかしき繪ゑ繪ゑえなどなどなどをををやりやりやり給たま給たまたまふふう。。。
  8. 8かしこかしこかしこにににははは今日けふ今日けふきょうしもしもしも宮みや宮みやみやわたりわたりわたり給たま給たまたまへへえりりり。。。年比としごろ年比としごろとしごろよりよりよりもももこよなうこよなうこよのう荒あ荒ああれれれまさりまさりまさり廣ひろ廣ひろひろううう物もの物ものものふりふりふりたるたるたる所ところ所ところところのののいとゞいとゞいとど人ひと人ひとひと少ずく少ずくずくなななににに寂さび寂さびさびしけれしけれしければばば、、、見み見みみ渡わた渡わたわたししし給たま給たまたまひひいててて
  9. 9「「「かゝるかゝるかかる所ところ所ところところにににはははいかでいかでいかでかかか暫しば暫しばしばしししもももをさなきをさなきおさなき人ひと人ひとひとのののすぐしすぐしすぐし給たま給たまたまははわむむん。。。猶なほ猶なほなおかしこかしこかしこににに渡わた渡わたわたししし奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりてててむむん。。。何なに何なになにののの所ところ所ところところせきせきせき程ほど程ほどほどにににもももあらあらあらずずず。。。めのとめのとめのとはははざうしざうしぞうしなどなどなどしししてててさぶらひさぶらひさぶらいなななむむん。。。君きみ君きみきみははは若わか若わかわかききき人々びと人々びとびとなどなどなどあれあれあればばば諸共もろとも諸共もろとももろともににに遊あそ遊あそあそびびびててていといといとようようよう物もの物ものものししし給たま給たまたまひひいなななむむん」」」などなどなどののの給のたま給のたまのたまふふう。。。
  10. 10近ちか近ちかちこううう呼よ呼よよびびび寄よ寄よよせせせ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまへへえるるるににに、、、かのかのかの御おん御おんおんうつりかうつりかうつりかのののいみじういみじういみじゅうえんえんえんにににしみしみしみかへりかへりかえり給たま給たまたまへへえれれればばば、、、をかしをかしをかしののの御おん御おんおんにほひにほひにおいややや、、、御おん御おんおんぞぞぞはははいといといとなえなえなえてててととと、、、心こころ心こころこころぐるしげぐるしげぐるしげにににおぼいおぼいおぼいたりたりたり。。。
  11. 11「「「年比としごろ年比としごろとしごろもももあつしくあつしくあつしくさださださだすぎすぎすぎ給たま給たまたまへへえるるる人ひと人ひとひとにににそひそひそい給たま給たまたまへへえるるるよりよりより時々ときどき時々ときどきときどきかしこかしこかしこににに渡わた渡わたわたりりりててて見み見みみならしならしならし給たま給たまたまへへえなどなどなどものせものせものせしししををを怪あや怪あやあやしうしうしゅう疎うと疎うとうとみみみたまひたまひたまいててて人ひと人ひとひとももも心こころ心こころこころおくおくおくめりめりめりしししををを、、、かゝるかゝるかかる折をり折をりおりにににしもしもしも物もの物ものものししし給たま給たまたまははわむむんももも心苦こころぐる心苦こころぐるこころぐるしうしうしゅう」」」などなどなどののの給のたま給のたまのたまへへえばばば
  12. 12「「「何なに何なになにかかかははは心こころ心こころこころぼそくぼそくぼそくともともとも暫しば暫しばしばしししはははかくかくかくててておはしましおはしましおわしましなななむむん。。。少すこ少すこすこししし物もの物ものものののの心こころ心こころこころおもほしおもほしおもおし知し知ししりりりなななむむんににに渡わた渡わたわたらららせせせ給たま給たまたまははわむむんこそこそこそよくよくよくははは侍はべ侍はべはべるるるべけれべけれべけれ」」」ととと聞きこ聞きこきこゆゆゆ。。。
  13. 13夜晝よるひる夜晝よるひるよるひる戀こ戀ここひひい聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまふふうにににはかなきはかなきはかなき物もの物ものものももも聞きこ聞きこきこしししめさめさめさずずずとととてててげにげにげにいといといといたういたういとう面おも面おもおもやせやせやせ給たま給たまたまへへえれれれどどど、、、いといといとあてあてあてににに美うつ美うつうつくしくくしくくしくなかなかなかなかなかなか見み見みみえええ給たま給たまたまふふう。。。
  14. 14「「「何なに何なになにかかかさしもさしもさしもおもほすおもほすおもおす。。。今いま今いまいまははは世よ世よよににになきなきなき人ひと人ひとひとののの御おん御おんおん事こと事ことことはははかひかひかいなしなしなし。。。おのれおのれおのれあれあれあればばば」」」などなどなど語かた語かたかたらひらひらい聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまひひいててて、、、暮く暮くくるれるれるればばば歸かへ歸かへかえらららせせせ給たま給たまたまふふうををを、、、いといといと心こころ心こころこころ細ぼそ細ぼそぼそしししととと思おも思おもおもひひいててて泣な泣なないいい給たま給たまたまへへえばばば、、、
  15. 15宮みや宮みやみやもももうちうちうちなきなきなきたまひたまひたまいててて「「「いといといとかうかうこう思おも思おもおもひひいななな入い入いいりりり給たま給たまたまひひいそそそ。。。今日けふ今日けふきょう明日あす明日あすあすわたしわたしわたし奉たてまつ奉たてまつたてまつらららむむん」」」などなどなど返かへ返かへかえすすす返がへ返がへがえすすすこしらへこしらへこしらえおきおきおきててて出い出いいででで給たま給たまたまひひいぬぬぬ。。。名殘なごり名殘なごりなごりももも慰なぐさ慰なぐさなぐさめめめ難がた難がたがとううう泣な泣ななききき居ゐ居ゐい給たま給たまたまへへえりりり。。。
  16. 16行ゆ行ゆゆくくくさきさきさきののの身み身みみのののあらあらあらむむん事こと事ことことなどなどなどまでまでまでもももおぼしおぼしおぼし知し知ししらららずずず、、、唯ただ唯ただただ年とし年としとしごろごろごろ立た立たたちちち離はな離はなはなるゝるゝるる折をり折をりおりなうなうのうまつはしまつはしまつわしならひならひならいててて、、、今いま今いまいまはははなきなきなき人ひと人ひとひととととなりなりなり給たま給たまたまひひいにににけるけるけるとととおぼすおぼすおぼすがががいみじきいみじきいみじきににに、、、
  17. 17をさなきをさなきおさなき御おん御おんおん心地ここち心地ここちここちなれなれなれどどど胸むね胸むねむねつとつとつとふたがりふたがりふたがりててて例れい例れいれいのののやうやうようにににももも遊あそ遊あそあそびびび給たま給たまたまははわずずず。。。晝ひる晝ひるひるはははさてもさてもさても紛まぎら紛まぎらまぎらはしはしわし給たま給たまたまふふうををを、、、夕暮ゆふぐれ夕暮ゆふぐれゆうぐれとととなれなれなればばばいみじういみじういみじゅうくしくしくし給たま給たまたまへへえばばば、、、かくかくかくてててはははいかでいかでいかでかかかすぐしすぐしすぐし給たま給たまたまははわむむんととと慰なぐさ慰なぐさなぐさめめめわびわびわびててて乳母めのと乳母めのとめのとももも泣な泣ななきききあへあへあえりりり。。。
  18. 18君きみ君きみきみののの御許もと御許もともとよりよりよりははは惟光これみつ惟光これみつこれみつををを奉たてまつ奉たてまつたてまつれれれ給たま給たまたまへへえりりり。。。「「「參まゐ參まゐまいりりり來く來くくべきべきべきををを、、、內うち內うちうちよりよりよりめしめしめしあれあれあればばばなむなむなん心苦こころぐる心苦こころぐるこころぐるしうしうしゅう見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりしししもももしづしづしず心ごころ心ごころごころなくなくなく」」」とととてててとのゐとのゐとのい人びと人びとびと奉たてまつ奉たてまつたてまつれれれ給たま給たまたまへへえりりり。。。
  19. 19「「「あぢきなうあぢきなうあじきのうもももあるあるあるかなかなかな。。。戯たは戯たはたわぶれぶれぶれにてにてにてももも物もの物ものものののの始はじめ始はじめはじめにににこのこのこの御おん御おんおんことことことよよよ。。。宮みや宮みやみや聞きこ聞きこきこしししめしめしめしつけつけつけばばば侍さぶら侍さぶらさぶらふふう人々びと人々びとびとののの愚おろ愚おろおろかかかなるなるなるにににぞぞぞさいなまさいなまさいなまれれれむむんあなあなあなかしこかしこかしこ。。。
  20. 20物もの物ものもののののついでついでついでにににいはけなくいはけなくいわけなくうちうちうち出い出いいででで聞きこ聞きこきこえええさせさせさせ給たま給たまたまふふうななな」」」などなどなどいふいふいうももも、、、それそれそれをををばばば何なに何なになにともともとも覺おぼ覺おぼおぼしししたらたらたらぬぬぬぞぞぞあさましきあさましきあさましきややや。。。
  21. 21少納言せうなごん少納言せうなごんしょうなごんははは惟光これみつ惟光これみつこれみつににに哀あはれ哀あはれあわれなるなるなる物語ものがたり物語ものがたりものがたりどもどもどもしししててて「「「ありありあり經へ經へへててて後のち後のちのちやややさるべきさるべきさるべき御おん御おんおん宿世すくせ宿世すくせすくせのがれのがれのがれ聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまははわぬぬぬやうやうようもももあらあらあらむむん。。。只今ただいま只今ただいまただいまはははかけてかけてかけてもももいといといと似に似ににげなきげなきげなき御おん御おんおん事こと事ことことととと見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつるるるををを、、、怪あや怪あやあやしうしうしゅうおぼしおぼしおぼしのたまはするのたまはするのたまわするもももいかなるいかなるいかなる御心みこころ御心みこころみこころにににかかか思おも思おもおもひひいよるよるよるかたかたかたなうなうのう亂みだ亂みだみだれれれ侍はべ侍はべはべるるる。。。
  22. 22今日けふ今日けふきょうももも宮みや宮みやみや渡わた渡わたわたらららせせせ給たま給たまたまひひいててて後うしろ後うしろうしろ安やす安やすやすくくく仕つか仕つかつこうううまつれまつれまつれ心こころ心こころこころをさなくをさなくおさなくもてなしもてなしもてなし聞きこ聞きこきこゆゆゆななななどなどなどののの給のたま給のたまのたまははわせせせつるつるつるもももいといといと煩わづら煩わづらわずらはしうはしうわしゅう、、、たゞたゞただなるなるなるよりよりよりはははかゝるかゝるかかる御おん御おんおんすきごとすきごとすきごとももも思おも思おもおもひひい出い出いいでででられられられ侍はべ侍はべはべりりりつるつるつる」」」などなどなどいひいひいいててて
  23. 23「「「このこのこの人ひと人ひとひとももも事こと事ことことありがほありがほありがおにににややや思おも思おもおもははわむむん」」」などなどなどあいなけれあいなけれあいなければばば、、、いたういたういとう歎なげ歎なげなげかしげかしげかしげにににもももいひいひいいなさなさなさずずず。。。大夫たいふ大夫たいふたいふもももいかなるいかなるいかなる事こと事ことことにににかかかあらあらあらむむんととと心こころ心こころこころえええがたうがたうがとう思おも思おもおもふふう。。。
  24. 24參まゐ參まゐまいりりりてててありさまありさまありさまなどなどなど聞きこ聞きこきこえええけれけれければばば哀あはれ哀あはれあわれにににおぼしおぼしおぼしやらやらやらるれるれるれどどど、、、さてさてさて通かよ通かよかよひひい給たま給たまたまははわむむんもももさすがにさすがにさすがにすゞろすゞろすずろなるなるなる心地ここち心地ここちここちしししててて、、、かるがるしうかるがるしうかるがるしゅうもてもてもてひがめひがめひがめたるたるたる事こと事ことことととと人ひと人ひとひともももややや漏も漏ももりりり聞き聞ききかかかむむんなどなどなどつゝましけれつゝましけれつつましければばば唯ただ唯ただただ迎むか迎むかむかへへえてててむむんとととおもほすおもほすおもおす。。。
  25. 25御おん御おんおんふみふみふみははは度々たびたび度々たびたびたびたび奉たてまつ奉たてまつたてまつれれれ給たま給たまたまふふう。。。暮く暮くくるれるれるればばば例れい例れいれいののの大夫たいふ大夫たいふたいふをををぞぞぞ奉たてまつ奉たてまつたてまつれれれ給たま給たまたまふふう。。。「「「さはるさはるさわる事こと事ことことどもどもどものののありありありてててえええ參まゐ參まゐまいりりり來こ來ここぬぬぬをををおろかおろかおろかにににややや」」」などなどなどありありあり。。。
  26. 26宮みや宮みやみやよりよりより「「「明日あす明日あすあす俄にはか俄にはかにわかににに御おん御おんおん迎むか迎むかむかへへえにににとととのたまはせのたまはせのたまわせたりたりたりつれつれつればばば、、、心こころ心こころこころあわたゞしくあわたゞしくあわただしくてててなむなむなん。。。年とし年としとしごろごろごろののの蓬生よもぎふ蓬生よもぎふよもぎうをををかれかれかれなななむむんもももさすがにさすがにさすがに心こころ心こころこころぼそうぼそうぼそう、、、侍さぶら侍さぶらさぶらふふう人々びと人々びとびとももも思おも思おもおもひひい亂みだ亂みだみだれれれててて」」」とととことことことずくなずくなずくなににに言い言いいひひいてててをさをさをさをさおさおさあへしらはあへしらはあえしらわずずず物もの物ものもの縫ぬ縫ぬぬひひい營いとな營いとないとなむむむけはひけはひけわいなどなどなどしるけれしるけれしるければばば參まゐ參まゐまいりりりぬぬぬ。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

源氏は「たいそういとしくお見受けするご様子を、今はなおさら、かたときの間も気がかりでしょう。私が明け暮れ物思いにふけっております所にお移し申し上げましょう。こうしてばかりいるのはいかがなものか。それでも、怖がりはなさいませんでしたね」とおっしゃると、少納言は「父宮もお迎えにと申していらっしゃるようですが、この四十九日を過ごしてからなどと存じております」と申し上げるので、

源氏は「頼もしい血筋とはいっても、離れて暮らしていらっしゃったのでは、私と同じように疎遠に思われるでしょう。私は今からお世話申し上げても、浅くない愛情はきっとまさるでしょう」と言って、少女の髪をなでながら、何度も振り返りながらお帰りになった。

ひどく霧が立ちこめている空も趣深いうえに、霜がたいそう白く降りて、本当の恋人のもとからの帰りなら、さぞ風情があるだろうに、源氏は物足りなくお思いになる。たいそう忍んで通っていらっしゃる所への道だったのを思い出しなさって、門をたたかせなさるが、聞きつける人もいない。しかたなく、お供の中の声のよい者に謡わせなさる。

「夜明けの霧の立ちこめる空に迷いながらも、通り過ぎがたいあなたの家の門です」と二度くり返して謡ったところ、気の利いた下仕えの女を出して、「立ち止まって、霧の立つ垣根を通り過ぎにくいのでしたら、草の戸がお邪魔をすることもないでしょうに」と言いかけて入ってしまった。ほかに誰も出てこないので、帰るのもそっけないが、明けていく空もきまりが悪くて、源氏は二条院へお帰りになった。

かわいらしかった人の名残が恋しく、ひとりほほえみながら横になっていらっしゃる。日が高くなってから起きて、手紙をおやりになるが、書くべき言葉もいつもの恋文とは違うので、筆を置きながら、書きすさんでいらっしゃる。きれいな絵などをお贈りになる。

あちらでは、ちょうどこの日、父宮がおいでになった。以前よりもたいそう荒れまさって、広く古びた邸がいっそう人も少なく寂しいので、宮は見わたしなさって、「こうした所に、どうしてしばらくでも幼い人が過ごせよう。やはり私の邸にお移し申し上げよう。何の気づまりなこともない。乳母は部屋をもらってお仕えすればよい。姫君は若い人たちもいるので、いっしょに遊んで、とてもうまくやっていかれるだろう」などとおっしゃる。

近くにお呼び寄せになると、あの源氏の移り香がたいそう優雅にしみついていらっしゃるので、宮は、よい匂いだ、着物はたいそうよれよれなのにと、気の毒にお思いになった。「これまでも、病がちで年老いた人に付き添っていらっしゃったので、時々こちらに来て慣れなさいなどと言っていたのに、妙に嫌がりなさって、こちらの者も気を悪くしていたようだったが、こんな時に移ってこられるのも気の毒で」などとおっしゃると、

少納言は「いえいえ、心細くても、しばらくはこうしていらっしゃいましょう。少し物の分別がおつきになってから、お移りになるのがよろしいでしょう」と申し上げる。少女は夜も昼も祖母君を恋しがり申し上げて、ちょっとした物も召し上がらないというので、本当にたいそうひどく面やつれしていらっしゃるが、たいそう上品でかわいらしく、かえって美しくお見えになる。

宮は「どうしてそんなにお思いになるのです。もう亡くなった人のことは、どうしようもありません。私がいるのですから」などとお話しになって、日が暮れるとお帰りになるのを、少女はたいそう心細いと思ってお泣きになるので、宮も泣きなさって、「そんなに思いつめないでください。今日明日のうちにお移し申し上げましょう」などと、何度もなだめておいてお帰りになった。

その後も、名残の悲しさを慰めかねて、泣いていらっしゃる。将来の身の上のことなどまではお考えにならず、ただ長年かたときも離れずにつきまとっていた祖母君が、今は亡くなってしまわれたとお思いになるのが悲しくて、幼いお心にも胸がふさがって、いつものようにお遊びにもならない。昼はそれでも紛らしていらっしゃるが、夕暮れになるとひどくふさぎこみなさるので、乳母も、こんなことでどうやってお過ごしになれようかと、慰めかねて泣き合っている。

源氏のもとからは、惟光をお遣わしになった。「参上すべきところですが、帝からお召しがあるので。おいたわしく拝見したのも、気がかりで」と言って、宿直の者をお遣わしになった。女房たちは「情けないことですね。冗談にしても、結婚のはじめにこのお扱いとは。宮がお聞きつけになったら、お仕えしている私たちの不行き届きだとおしかりを受けるでしょう。ああ、恐ろしい。何かのついでに、うっかり宮にお話しなさいますな」などと言うのも、少女は何ともお思いにならないのが、あきれたことである。

少納言は惟光に、しんみりとした話をあれこれして、「年月がたってから、そうなるはずのご宿縁で、逃れられないこともありましょう。今はまったく不釣り合いなご縁と拝見しておりますのに、不思議にお思いになって、おっしゃってくださるのも、どういうお心からかと、見当もつかず思い乱れております。今日も宮がおいでになって、『安心できるようにお仕えせよ。軽はずみなお扱いをするな』などとおっしゃったのも、たいそうわずらわしく、普通の時よりも、こうした源氏の君の色めいたお振る舞いも思い出されまして」などと言って、

「この人も、何かあったのかと思うのではないか」などと思うと困るので、それほどひどく嘆かわしそうにも言わない。大夫(惟光)も、どういうことなのだろうと、のみこめずに思う。惟光が参上して様子などを申し上げたので、源氏はしみじみとお思いやりになるが、そうかといって通っていくのもさすがに妙な気がして、軽はずみで常軌をはずれたことと人が漏れ聞くのではないかなどと遠慮されるので、ただ迎え取ってしまおうとお思いになる。

お手紙は何度もお贈りになる。日が暮れると、いつものように大夫をお遣わしになる。「差し支えることがあって参れないのを、冷たいとお思いでしょうか」などとある。少納言は「父宮から、明日急にお迎えにとおっしゃってきましたので、あわただしくて。長年住みなれた蓬の生い茂る家を離れるのも、さすがに心細く、お仕えする女房たちも思い乱れまして」と言葉少なに言って、ろくに相手もせず、着物を縫う支度などをしている様子がはっきりしているので、惟光は帰参した。

意訳

霧の明け方、源氏は少女の邸を出る。恋人のもとからの帰りのような朝なのに、実際は幼い少女と過ごしただけなので、源氏は物足りない。帰り道に別の女の家の門をたたかせるのは、そうした気持ちの表れである。

その日、父の兵部卿宮が少女を訪ねる。宮は荒れた邸を見て、少女を自邸に引き取ると決める。少女の着物にしみた源氏の移り香を、宮は不思議に思う。

宮が明日迎えに来ると知った源氏は、その前に少女を自分の邸に連れて来ようと決意する。宮に引き取られてしまえば、少女を手もとに置くことはむずかしくなるからである。

語釈・文法注

文法

強意+推量の「てむ」(渡し奉りてむ・迎へてむ)
「きっとお移し申し上げよう」「迎えてしまおう」。強い意志を表す。
禁止の「な…そ」(思ひな入り給ひそ)
「思いつめないでください」。
禁止の「な」(聞え給ふな)
「お話しなさいますな」。

和歌

あさぼらけ霧立つ空のまよひにも行き過ぎがたき妹が門かな

詠者
光源氏
状況
少女の邸からの帰り道、忍んで通う女の門をたたかせたが誰も出てこないので、供人に謡わせた歌。夜明けの霧の立ちこめる空に迷いながらも、通り過ぎがたいあなたの家の門であることよ。

修辞

掛詞
「まよひ」に、霧が立ち迷う意と、心が迷う意を重ねる。

立ちとまり霧のまがきのすぎうくは草のとざしにさはりしもせじ

詠者
女の家の下仕え
状況
源氏の歌に、女の家の下仕えが言いかけた返歌。立ち止まって、霧の立つ垣根を通り過ぎにくいのでしたら、草の戸がお邪魔になることもないでしょうに。

修辞

応答
「行き過ぎがたき」を受けて「すぎうくは」と返し、それほどなら入っていらっしゃればよいのに、と誘いながら切り返す。

解説

源氏が帰り道に別の女の門をたたく場面は、源氏の色好みの性格を示すとともに、少女との関係がまだ恋とは呼べないものであることを示している。源氏にとって少女は、恋の相手というより、育てる相手として描かれる。

少女の着物にしみた源氏の移り香に父宮が気づく場面は、緊張をはらんでいる。宮は源氏の訪問を知らないが、少女の身辺に何か変化があったことを感じ取っている。

関連

出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、108–113頁(コマ56–58)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
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