古典ライブラリー

源氏物語 第4帖 夕顔(12)

右近の語る夕顔の素性

登場人物:光源氏・右近・夕顔・頭中将

ある夕暮れ、源氏は右近から夕顔の素性を聞く。夕顔は三位中将の娘で、頭中将に愛されて女の子をもうけたが、頭中将の北の方の実家からおどされて身を隠していたのだった。源氏はやはり常夏の女だったと知り、遺児を引き取りたいと右近に頼む。秋の夕暮れの空を眺めて、源氏は夕顔をしのぶ歌を詠む。

秋の夕暮れ、色づきはじめた紅葉と枯れかけた前栽の庭を前に、物思いに沈む若い貴公子と、そばで涙ぐむ喪服姿の女房の場面(AI生成)
秋の夕暮れ、色づきはじめた紅葉と枯れかけた前栽の庭を前に、物思いに沈む若い貴公子と、そばで涙ぐむ喪服姿の女房の場面
  1. 1右近うこん右近うこんうこんををを召め召めめししし出い出いいでゝでゝでてのどやかのどやかのどやかなるなるなる夕暮ゆふぐれ夕暮ゆふぐれゆうぐれににに物語ものがたり物語ものがたりものがたりなどなどなどししし給たま給たまたまひひいててて、、、「「「猶なほ猶なほなおいといといとなむなむなんあやしきあやしきあやしき。。。などなどなどてててそのそのその人ひと人ひとひとととと知し知ししらせらせらせじじじとととははは隱かく隱かくかくいいい給たま給たまたまへへえりりりしししぞぞぞ。。。
  2. 2誠まこと誠まことまことにににあまあまあまののの子こ子ここなりなりなりともともともさばかりさばかりさばかりににに思おも思おもおもふふうををを知し知ししらららででで、、、隔へだ隔へだへだててて給たま給たまたまひひいしかしかしかばばばなむなむなんつらかりつらかりつらかりししし」」」とととののの給のたま給のたまのたまへへえばばば、、、
  3. 3「「「などなどなどてててかかか深ふか深ふかふかくくく隱かく隱かくかくしししきこえきこえきこえ給たま給たまたまふふう事こと事ことことははは侍はべ侍はべはべらららむむん。。。いついついつのののほどほどほどにてにてにてかかかははは何なに何なになにならならならぬぬぬ御おん御おんおん名な名ななのりのりのりををを聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまははわむむん。。。
  4. 4始はじめ始はじめはじめよりよりよりあやしうあやしうあやしゅうおぼえおぼえおぼえぬぬぬさまさまさまなりなりなりししし御おん御おんおん事こと事ことことなれなれなればばばうつゝうつゝうつつともともともおぼえおぼえおぼえずずずなむなむなんあるあるあるとととののの給のたま給のたまのたまひひいててて、、、御おん御おんおん名な名なながくしがくしがくしもももさばかりさばかりさばかりにににこそこそこそはははととと聞きこ聞きこきこえええたまひたまひたまいながらながらながら、、、
  5. 5等閑なほざり等閑なほざりなおざりにににこそこそこそ紛まぎら紛まぎらまぎらはしはしわし給たま給たまたまふふうらめらめらめとととなむなむなん憂う憂ううききき事こと事ことことにににおぼしおぼしおぼしたりたりたりししし」」」ととと聞きこ聞きこきこゆれゆれゆればばば、、、
  6. 6「「「あいなかりあいなかりあいなかりけるけるける心こころ心こころこころくらべくらべくらべどもどもどもかなかなかな。。。我わ我わわはははしかしかしか隔へだ隔へだへだつるつるつる心こころ心こころこころもももなかりなかりなかりききき。。。唯ただ唯ただただかやうかやうかようににに人ひと人ひとひとににに免ゆる免ゆるゆるささされれれぬぬぬふるまひふるまひふるまいをををなむなむなんまだまだまだ習なら習ならならははわぬぬぬことことことなるなるなる。。。
  7. 7うちうちうちににに諫いさ諫いさいさめめめののの給のたま給のたまのたまはするはするわするををを始はじ始はじはじめめめ、、、つゝむつゝむつつむ事こと事ことこと多おほ多おほおおかるかるかる身み身みみにてにてにてはかなくはかなくはかなく人ひと人ひとひとにににたはぶれごとたはぶれごとたわぶれごとをををいふいふいうももも所ところ所ところところせうせうしょう取と取ととりりりなしなしなし、、、うるさきうるさきうるさき身み身みみののの有樣ありさま有樣ありさまありさまににになむなむなんあるあるあるををを、、、
  8. 8はかなかりはかなかりはかなかりししし夕ゆふべ夕ゆふべゆうべよりよりより怪あや怪あやあやしうしうしゅう心こころ心こころこころにににかゝりかゝりかかりててて、、、あながちあながちあながちににに見み見みみ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりしししももも、、、かゝるかゝるかかるべきべきべき契ちぎり契ちぎりちぎりにににこそこそこそははは物もの物ものものししし給たま給たまたまひひいけめけめけめととと思おも思おもおもふふうもももあはれあはれあわれににになむなむなん、、、又また又またまたうちうちうちかへしかへしかえしつらうつらうつろうおぼゆるおぼゆるおぼゆる。。。
  9. 9かうかうこう長なが長ながながかるかるかるまじきまじきまじきにてにてにてはははなどなどなどさしもさしもさしも心こころ心こころこころにににしみしみしみててて哀あはれ哀あはれあわれとととおぼえおぼえおぼえ給たま給たまたまひひいけむけむけん。。。猶なほ猶なほなお委くは委くはくわしうしうしゅうかたれかたれかたれ。。。今いま今いまいまははは何事なにごと何事なにごとなにごとをををかくすかくすかくすべきべきべきぞぞぞ。。。
  10. 10のののほとけほとけほとけかゝせかゝせかかせてててももも誰た誰たたがががためためためとととかかか心こころ心こころこころのののうちうちうちにもにもにも思おも思おもおもははわむむん」」」とととののの給のたま給のたまのたまへへえばばば、、、
  11. 11「「「何なに何なになにかかかははは隔へだ隔へだへだてててきこえきこえきこえさせさせさせ侍はべ侍はべはべらららむむん。。。自みづか自みづかみずかららら忍しの忍しのしのびびびすぐしすぐしすぐし給たま給たまたまひひいしししことことことをををなきなきなき御おん御おんおんうしろうしろうしろににに口くち口くちくちさがなくさがなくさがなくやややはははととと思おも思おもおもひひい給たま給たまたまふるふるうるばかりばかりばかりににになむなむなん。。。
  12. 12親おや親おやおやたちたちたちははは早はや早はやはよううう亡う亡ううせせせ給たま給たまたまひひいにににききき。。。三位中將さんみのちゆうじやう三位中將さんみのちゆうじやうさんみのちゅうじょうとととなむなむなんきこえきこえきこえししし。。。いといといとらうたきらうたきろうたきものものものににに思おも思おもおもひひい聞きこ聞きこきこえええ給たま給たまたまへへえりりりしかしかしかどどど我わ我わわががが身み身みみのののほどほどほどののの心こころ心こころこころもとなさもとなさもとなさををを覺おぼ覺おぼおぼすすすめりめりめりしししににに、、、命いのち命いのちいのちさへさへさへ堪た堪たたへへえ給たま給たまたまははわずずずなりなりなりにににししし後のち後のちのち、、、
  13. 13はかなきはかなきはかなきものものものゝゝのたよりたよりたよりにてにてにて、、、頭中將とうのちゆうじやう頭中將とうのちゆうじやうとうのちゅうじょうまだまだまだ少將せうしやう少將せうしやうしょうしょうにににものしものしものし給たま給たまたまひひいししし時とき時ときとき見み見みみそめそめそめ奉たてまつ奉たてまつたてまつらららせせせ給たま給たまたまひひいててて、、、三年みとせ三年みとせみとせばかりばかりばかりははは志こころざし志こころざしこころざしあるあるあるさまさまさまににに通かよ通かよかよひひい給たま給たまたまひひいしししををを、、、
  14. 14こぞこぞこぞののの秋あき秋あきあきののの頃ころ頃ころころかのかのかの右大臣うだいじん右大臣うだいじんうだいじんよりよりよりいといといと恐おそろ恐おそろおそろしきしきしき事こと事ことことののの聞きこ聞きこきこえええまうでまうでもうで來き來ききしししににに、、、ものおぢものおぢものおじをををわりなくわりなくわりなくししし給たま給たまたまひひいししし御心みこころ御心みこころみこころにににせせせむむん方かた方かたかたなうなうのう覺おぼ覺おぼおぼしししおぢおぢおじててて、、、
  15. 15西にし西にしにしののの京きやう京きやうきょうににに御おん御おんおんめのとめのとめのとののの住す住すすみみみ侍はべ侍はべはべるるる所ところ所ところところににになむなむなんはひはひはいかくれかくれかくれ給たま給たまたまへへえりりりししし。。。それそれそれもももいといといと見み見みみ苦ぐる苦ぐるぐるしきしきしきににに住す住すすみみみ侘わ侘わわびびび給たま給たまたまひひいててて、、、山里やまざと山里やまざとやまざとにににうつろひうつろひうつろいなななむむんととと覺おぼ覺おぼおぼしししたりたりたりしししををを、、、
  16. 16今年ことし今年ことしことしよりよりよりはははふたがりふたがりふたがりたるたるたるににに侍はべ侍はべはべりりりけれけれければばば、、、違たが違たがたがふふうとととててて怪あや怪あやあやしきしきしき所ところ所ところところににに物もの物ものものししし給たま給たまたまひひいしししををを、、、見み見みみ顯あら顯あらあらははわささされれれ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりぬるぬるぬる事こと事ことことととと覺おぼ覺おぼおぼししし歎なげ歎なげなげくくくめりめりめりししし。。。
  17. 17世よ世よよののの人ひと人ひとひとににに似に似ににずずず物もの物ものものづゝみづゝみづつみをををししし給たま給たまたまひひいててて、、、人ひと人ひとひとににに物もの物ものもの思おも思おもおもふふう氣色けしき氣色けしきけしきををを見み見みみえええむむんははは耻はづか耻はづかはずかしきしきしきものものものにににししし給たま給たまたまひひいててて、、、つれなくつれなくつれなくのみのみのみもてなしもてなしもてなしててて御覽ごらん御覽ごらんごらんぜぜぜられられられ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまふふうめりめりめりしかしかしか」」」とととかたりかたりかたり出い出いいづるづるずるににに、、、さればよさればよさればよととと覺おぼ覺おぼおぼししし合あは合あはあわせせせててていよいよいよいよいよいよ哀あはれ哀あはれあわれもももまさりまさりまさりぬぬぬ。。。
  18. 18「「「をさなきをさなきおさなき人ひと人ひとひと惑まど惑まどまどはしはしわしたりたりたりととと中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうののの憂うれ憂うれうれへへえしししはははさるさるさる人ひと人ひとひとややや」」」ととと問と問ととひひい給たま給たまたまふふう。。。「「「しかしかしか、、、をとゝしをとゝしおととしののの春はる春はるはるぞぞぞ物もの物ものものししし給たま給たまたまへへえりりりししし。。。女をんな女をんなおんなにてにてにていといといとらうたげらうたげろうたげににになむなむなん」」」ととと聞きこ聞きこきこゆゆゆ。。。
  19. 19「「「さてさてさていづこいづこいずこにににぞぞぞ。。。人ひと人ひとひとにににさささとととははは知し知ししらせらせらせででで我わ我わわににに得え得ええさせよさせよさせよ。。。あとあとあとはかなくはかなくはかなくいみじいみじいみじととと思おも思おもおもふふう御おん御おんおんかたみかたみかたみにににいといといと嬉うれ嬉うれうれしかるしかるしかるべくべくべくなむなむなん」」」とととののの給のたま給のたまのたまふふう。。。
  20. 20「「「かのかのかの中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうにににももも傳つた傳つたつたふふうべけれべけれべけれどどど、、、いふいふいうがががひひひなきなきなきかごとかごとかごと負お負おおひひいなななむむん。。。とざまとざまとざまかうざまかうざまこうざまにににつけつけつけてててはぐゝまはぐゝまはぐくまむむんにににとがとがとがあるあるあるまじきまじきまじきををを、、、そのそのそのあらあらあらむむんめのとめのとめのとなどなどなどにににももも異こと異ことことざまざまざまにににいひいひいいなしなしなしててて物もの物ものものせよせよせよかしかしかし」」」などなどなど語かた語かたかたらひらひらい給たま給たまたまふふう。。。
  21. 21「「「さらばさらばさらばいといといと嬉うれ嬉うれうれしくしくしくなむなむなん侍はべ侍はべはべるるるべきべきべき。。。かのかのかの西にし西にしにしののの京きやう京きやうきょうにてにてにて生お生おおひひい出い出いいででで給たま給たまたまははわむむんははは心苦こころぐる心苦こころぐるこころぐるしうしうしゅうなむなむなん。。。はかばかしくはかばかしくはかばかしくあつかふあつかふあつかう人ひと人ひとひとなしなしなしとととてててかしこかしこかしこににになむなむなん」」」ととときこゆきこゆきこゆ。。。
  22. 22夕暮ゆふぐれ夕暮ゆふぐれゆうぐれのののしづかしづかしずかなるなるなるににに、、、空そら空そらそらののの氣色けしき氣色けしきけしきいといといとあはれあはれあわれににに、、、おまへおまへおまえののの前栽せんざい前栽せんざいせんざいかれがれかれがれかれがれににに蟲むし蟲むしむしののの音ね音ねねももも泣な泣ななきききかれかれかれててて紅葉もみぢ紅葉もみぢもみじやうやうやうやうようよう色いろ色いろいろづくづくづくほどほどほど、、、繪ゑ繪ゑえににに書か書かかきききたるたるたるやうやうようにににおもしろきおもしろきおもしろきををを見み見みみ渡わた渡わたわたしししててて、、、
  23. 23心こころ心こころこころよりよりより外ほか外ほかほかにににをかしきをかしきおかしき交まじ交まじまじらひらひらいかなかなかなととと、、、かのかのかの夕顏ゆふがほ夕顏ゆふがほゆうがおのののやどりやどりやどりををを思おも思おもおもひひい出い出いいづるづるずるもももはづかしはづかしはずかし。。。
  24. 24竹たけ竹たけたけののの中なか中なかなかににに家鳩いへばと家鳩いへばといえばとととといふいふいう鳥とり鳥とりとりのののふつゝかふつゝかふつつかににになくなくなくををを聞き聞ききききき給たま給たまたまひひいててて、、、かのかのかのありありありししし院ゐん院ゐんいんにににこのこのこの鳥とり鳥とりとりののの泣な泣ななきききしししをををいといといと恐おそろ恐おそろおそろしししととと思おも思おもおもひひいたりたりたりしししさまさまさまののの面影おもかげ面影おもかげおもかげにににらうたくらうたくろうたく思おも思おもおもほしほしおし出い出いいでででらるれらるれらるればばば、、、
  25. 25「「「年とし年としとしははは幾いく幾いくいくつつつにににかかかものしものしものし給たま給たまたまひひいししし。。。怪あや怪あやあやしうしうしゅう世よ世よよののの人ひと人ひとひとににに似に似ににずずずあえかあえかあえかににに見み見みみえええ給たま給たまたまひひいしししもももかくかくかく長なが長ながながかるかるかるまじきまじきまじきなりなりなりけりけりけり」」」とととののの給のたま給のたまのたまふふう。。。
  26. 26「「「十九じふく十九じふくじゅうくにににやややなりなりなり給たま給たまたまひひいけむけむけん、、、右近うこん右近うこんうこんははは、、、なくなくなくなりなりなりにににけるけるける御おん御おんおんめのとめのとめのとののの棄す棄すすててて置お置おおきききててて侍はべ侍はべはべりりりけれけれければばば、、、三位さんみ三位さんみさんみののの君きみ君きみきみのののらうたがりらうたがりろうたがり給たま給たまたまひひいてててかのかのかの御おん御おんおんあたりあたりあたり去さ去ささらららずずずおほしおほしおおしたてたてたて給たま給たまたまひひいしししををを思おも思おもおもひひい給たま給たまたまへへえ出い出いいづれづれずればばば、、、いかでいかでいかでかかか世よ世よよににに侍はべ侍はべはべらららむむんとととすすすらむらむらん。。。
  27. 27いといといとしもしもしも人ひと人ひとひとにににととと悔くや悔くやくやしくしくしくなむなむなん。。。物もの物ものものはかなげはかなげはかなげににに物もの物ものものししし給たま給たまたまひひいししし人ひと人ひとひとののの御心みこころ御心みこころみこころをををたのもしきたのもしきたのもしき人ひと人ひとひとにてにてにて年とし年としとしごろごろごろならひならひならい侍はべ侍はべはべりりりけるけるける事こと事ことこと」」」ととと聞きこ聞きこきこゆゆゆ。。。
  28. 28「「「はかなびはかなびはかなびたるたるたるこそこそこそ女をんな女をんなおんなはははらうたけれらうたけれろうたけれ。。。かしこくかしこくかしこく人ひと人ひとひとににに靡なび靡なびなびかかかぬぬぬ、、、いといといと心こころ心こころこころづきなきづきなきづきなきわざわざわざなりなりなり。。。みづからみづからみずからはかばかしくはかばかしくはかばかしくすくよかすくよかすくよかならならならぬぬぬ心こころ心こころこころならひならひならいににに、、、女をんな女をんなおんなははは唯ただ唯ただただやはらかやはらかやわらかにてにてにてとりとりとりはづしはづしはずしてててははは人ひと人ひとひとににに欺あざむ欺あざむあざむかかかれれれぬぬぬべきべきべきがががさすがにさすがにさすがに物もの物ものものづゝみづゝみづつみししし、、、
  29. 29見み見みみむむん人ひと人ひとひとののの心こころ心こころこころにににははは從したが從したがしたがははわむむんなむなむなん哀あは哀あはあわれれれにてにてにて、、、我わ我わわががが心こころ心こころこころのののまゝまゝままにににとりとりとり直なほ直なほなおしししててて見み見みみむむんににに懷なつか懷なつかなつかしうしうしゅう覺おぼ覺おぼおぼゆゆゆべきべきべき」」」などなどなどののの給のたま給のたまのたまへへえばばば、、、
  30. 30「「「このこのこの方かた方かたかたののの御おん御おんおんこのみこのみこのみにはにはにはもてもてもてはなれはなれはなれ給たま給たまたまははわざりざりざりけりけりけりととと思おも思おもおもひひい給たま給たまたまふるふるうるにににももも口くち口くちくち惜を惜をおしくしくしく侍はべ侍はべはべるるるわざわざわざかなかなかな」」」とととてててなくなくなく。。。
  31. 31空そら空そらそらのののうちうちうち曇くも曇くもくもりりりててて風かぜ風かぜかぜ冷ひや冷ひやひややかやかやかなるなるなるにににいといといといたういたういとううちうちうちながめながめながめたまひたまひたまいててて、、、「「「見み見みみししし人ひと人ひとひとのののけぶりけぶりけぶりををを雲くも雲くもくもとととながむれながむれながむればばばゆふべゆふべゆうべののの空そら空そらそらもももむつまじきむつまじきむつまじきかなかなかな」」」とととひとりごちひとりごちひとりごち給たま給たまたまへへえどどどえええさしさしさしいらへいらへいらえもももきこえきこえきこえずずず。。。
  32. 32かやうかやうかようにてにてにておはせおはせおわせましかましかましかばばばとととおもふおもふおもうももも胸むね胸むねむねのみのみのみふたがりふたがりふたがりててておぼゆおぼゆおぼゆ。。。みゝみゝみみかしがましかりかしがましかりかしがましかりししし砧きぬた砧きぬたきぬたののの音おと音おとおとをををおぼしおぼしおぼし出い出いいづるづるずるさへさへさへ戀こひ戀こひこいしくしくしくててて「「「まさにまさにまさに長なが長ながながききき夜よ夜よよとととうちうちうちずじずじずじててて臥ふ臥ふふししし給たま給たまたまへへえりりり。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

源氏は右近を呼び出して、のんびりとした夕暮れに話などをなさって、「やはりたいそう不思議だ。どうして誰であるかを知らせまいと隠していらっしゃったのか。本当に海人の子であっても、私があれほど思っていたのを知らないで、隔てを置いていらっしゃったのがつらかった」とおっしゃると、右近は「どうして深くお隠し申し上げることがございましょう。いつの間に、たいしたこともないお名前を名のり申し上げることがおできになったでしょう。

初めから、不思議な、思いもよらないご様子でいらっしゃったので、現実とも思われないとおっしゃって、お名前を隠していらっしゃるのも、それほどのご身分だからこそだとは申し上げながら、いいかげんなお気持ちでまぎらわしていらっしゃるのだろうと、つらいことにお思いになっていました」と申し上げるので、

源氏は「つまらない意地の張り合いだったな。私はそれほど隔てを置く気持ちもなかった。ただ、こうした人に許されないふるまいを、まだしたことがなかったのだ。帝がおいさめになるのをはじめとして、遠慮することの多い身で、ちょっと人に冗談を言うのも、大げさに取り沙汰され、窮屈な身の上なのだが、あのはかない夕方から不思議に心にかかって、無理にお逢い申し上げたのも、こうなるはずの縁でいらっしゃったのだろうと思うにつけてもいとしく、また反対につらく思われる。

こんなに長くは続かない縁だったのに、どうしてあれほど心にしみて、いとしいと思われなさったのだろう。もっと詳しく話してくれ。今は何を隠すことがあろう。七日ごとの法事に仏の絵を描かせても、誰のためと、心の中でも思えばよいのか」とおっしゃると、

右近は「どうしてお隠し申し上げましょう。ご自身で隠し通していらっしゃったことを、亡くなられた後に口さがなく申し上げてよいものかと存じますばかりで。ご両親は早くお亡くなりになりました。父君は三位中将と申し上げました。たいそうかわいいものとお思い申し上げていらっしゃいましたが、ご自分の身の程の頼りなさをお思いのようでしたのに、お命までも保てなくなってしまわれた後、ふとしたつてで、頭中将が、まだ少将でいらっしゃった時に見初め申し上げなさって、三年ほどは愛情深いご様子でお通いになっていましたが、

去年の秋ごろ、あの右大臣家から、たいそう恐ろしいことを言ってまいりましたので、ひどく物おじをなさるご気性なので、どうしようもなくおびえなさって、西の京に乳母の住んでおります所に、こっそりと隠れていらっしゃいました。そこもたいそうみすぼらしいので、住みづらくお思いになって、山里に移ろうとお思いになっていたのですが、今年からはそちらの方角がふさがっておりましたので、方違えをしようとして、あの粗末な所にいらっしゃったところを、あなた様に見つけられてしまったことと、お嘆きのようでした。

世の人と違って、ひどく遠慮深くていらっしゃって、物思いをしている様子を人に見られるのを恥ずかしいことにしていらっしゃって、何でもないようにふるまって、あなた様にお逢いになっていらっしゃったようです」と話しだすので、源氏は、やはりそうだったかとお思い合わせになって、いっそういとしさもまさった。

「幼い子を見失ったと、頭中将が嘆いていたのは、その人のことか」とお尋ねになる。「そうです。おととしの春にお生まれになりました。女の子で、たいそうかわいらしくて」と申し上げる。「それで、どこにいるのだ。人にはそうとは知らせないで、私に引き取らせてくれ。跡形もなく消えてしまって悲しいと思う人の形見として、たいそううれしいだろう」とおっしゃる。

「あの頭中将にも知らせるべきだが、言ってもかいのない恨みごとを言われるだろう。あれこれにつけて、私が育てるのに差し支えはないはずだから、その子のそばにいる乳母などにも、別のことに言いつくろって連れてきなさい」などとお話しになる。右近は「それなら、たいそううれしいことでございましょう。あの西の京でお育ちになるのは、おいたわしいことで。しっかりとお世話をする人がいないというので、あちらに」と申し上げる。

夕暮れの静かなころ、空の様子はたいそうしみじみとして、お庭の植え込みは枯れがれで、虫の音も鳴き弱って、紅葉がしだいに色づいていく様子が、絵に描いたように趣深いのを見渡して、右近は、思いがけずすばらしいお邸勤めだと、あの夕顔の宿を思い出すのも恥ずかしい。

竹の中で家鳩という鳥が、野太い声で鳴くのをお聞きになって、源氏は、あのなにがしの院でこの鳥が鳴いたのを、たいそう恐ろしいと思っていた女の様子が面影に浮かんで、いとしくお思い出しになるので、「年はいくつでいらっしゃったのか。不思議に世の人と違って、かよわくお見えになったのも、こうして長生きできない人だったからなのだな」とおっしゃる。

「十九におなりになったでしょうか。右近は、亡くなりました乳母が残して死にましたので、三位の君がかわいがってくださって、あの方のおそばを離れずにお育てくださったことを思い出しますと、どうしてこの世に生きていられましょう。あんなにまで人に親しまなければよかったと悔やまれます。頼りなげでいらっしゃった方のお心を、頼もしい人と思って長年慣れ親しんでまいりましたことで」と申し上げる。

源氏は「頼りなげなのこそ、女はかわいいものだ。賢くて人になびかないのは、たいそう気にくわないものだ。私自身がしっかりとしていない性分なので、女はただやわらかで、うっかりすると男にだまされてしまいそうでいて、それでいて慎み深く、夫の心には従うようなのがいとしくて、自分の思うままに教え直して連れ添ったら、慕わしく思われるだろう」などとおっしゃるので、右近は「そういうお好みには、あの方はかけ離れてはいらっしゃらなかったのにと存じますにつけても、残念なことでございます」と言って泣く。

空が曇って、風が冷ややかなので、源氏はたいそうひどく物思いに沈みなさって、「逢った人を火葬した煙を、あの雲だと思って眺めると、夕暮れの空も親しく思われることよ」とひとりごとをおっしゃるが、右近は返事も申し上げられない。あの方がこうして生きていらっしゃったらと思うにつけても、胸がふさがる思いがする。源氏は、耳にやかましかった砧の音をお思い出しになることさえ恋しくて、「まさに長き夜」と口ずさんで横になっていらっしゃる。

意訳

右近の話によって、夕顔の素性がようやく明らかになる。三位中将の娘で、両親に早く死に別れ、頭中将と結ばれて女の子をもうけた。しかし頭中将の北の方の実家である右大臣家からおどされて、身を隠していたのである。帚木の巻で頭中将が語った「常夏の女」は、まさにこの夕顔だった。

源氏は、頭中将には知らせずに、夕顔の遺児を引き取りたいと右近に頼む。この子こそ、のちに玉鬘の巻で登場する玉鬘である。

秋の夕暮れ、源氏は夕顔を火葬した煙を空の雲に重ねて歌を詠む。家鳩の声や砧の音など、夕顔と過ごした日々の記憶が、恋しくよみがえってくる。

語釈・文法注

七日七日
人の死後、七日ごとに行う法事。四十九日まで七回行う。
右大臣殿
頭中将の北の方(正妻)は右大臣の四の君。その実家から、夕顔をおどすようなことが言い送られた。
ふたがりたる方
方塞がり。陰陽道で、天一神などがいるために、その方角に行くのを忌むこと。別の方角に一度移ってから目的地に向かう「方違え」をした。
まさに長き夜
白居易の詩「聞夜砧」の一節「八月九月正長夜、千声万声無了時」(八月九月まさに長き夜、千声万声了む時無し)をふまえる。砧の音が夜通し続くことを詠んだ詩。

文法

過去推量の「けむ」(おぼえ給ひけむ)
「どうして…と思われたのだろう」。過去のことの原因を推し量る。
反実仮想「ましかば」(おはせましかば)
「もし生きていらっしゃったら」。下に「よからまし」などが省略されている。

和歌

見し人のけぶりを雲とながむればゆふべの空もむつまじきかな

詠者
光源氏
状況
秋の夕暮れ、空が曇って風が冷ややかな中で、夕顔をしのんでひとりごとのように詠んだ歌。逢った人の火葬の煙が雲になったのだと思って眺めると、夕暮れの空も親しく思われることよ。

修辞

見立て
空の雲を、夕顔を火葬した煙に見立てる。「ゆふべ」には、夕顔と初めて出会った夕方の記憶も重なる。

解説

右近の語る夕顔の身の上は、帚木の巻で頭中将が語った「常夏の女」の話と一致する。読者は、前の巻で聞いた話が、ここで一つにつながることを知る。夕顔の巻は、帚木の巻の「雨夜の品定め」で語られた「中の品」の女の物語でもある。

夕顔の遺児は、のちに玉鬘として物語に再登場する。右近は二十年近くたってから、長谷寺で玉鬘にめぐりあい、源氏のもとへ導くことになる。

源氏が語る理想の女性像、「ただやわらかで、人の心に従う女」は、夕顔そのものである。のちに源氏は、幼い紫の上を自分の理想どおりに育てようとする。その考え方の萌芽がここに見える。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、81–84頁(コマ42–43)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日